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緩和ケア費用

緩和ケア費用を、緩和ケア病棟に入院する場合と在宅で受ける場合に分け、日数から概算する無料電卓です。窓口で払う3割負担と、高額療養費を当てはめたあとの目安を並べて表示します。

最終更新:2026-08-19/監修:計算ツールズ編集部

緩和ケア費用ツール

計算式と前提

医療費の総額 = 1日あたりの点数 × 日数 × 10円
緩和ケア病棟 = 30日以内 5,277点/31〜60日 4,724点/61日以上 3,515点
在宅 = 1,495点/日
3割負担 = 総額 × 0.3

既定値の「緩和ケア病棟・30日」では、5,277点×30日=158,310点、総額1,583,100円となり、3割負担は 474,930円 と表示されます。ただしこの金額をそのまま払うことはほとんどなく、高額療養費を当てはめた目安として 98,771円 が併記されます。点数は令和8年度診療報酬の緩和ケア病棟入院料1と在宅がん医療総合診療料に合わせており、1点は10円です。

日数別の費用早見表

本ツールに同じ条件を入力したときに表示される金額です。右の列は、70歳未満・年収約370〜770万円の区分で高額療養費を当てはめた目安で、30日を1か月とみなして計算しています。

日数緩和ケア病棟 3割負担同 高額療養費後の目安在宅 3割負担同 高額療養費後の目安
7日110,817円86,634円31,395円31,395円
14日221,634円90,328円62,790円62,790円
30日(既定値)474,930円98,771円134,550円87,425円
60日900,090円195,883円269,100円174,850円
90日1,216,440円289,368円403,650円262,275円
180日2,165,490円418,112円807,300円395,475円

高額療養費の自己負担限度額(70歳未満・令和8年8月から)

所得区分(年収の目安)1か月の上限額4回目以降
ア(約1,160万円以上)270,300円+(医療費−901,000円)×1%140,100円
イ(約770万〜1,160万円)179,100円+(医療費−597,000円)×1%93,000円
ウ(約370万〜770万円)85,800円+(医療費−286,000円)×1%44,400円
エ(約370万円以下)61,500円44,400円
オ(住民税非課税世帯)36,900円24,600円

本ツールが併記している目安は、このうち区分ウを使い、直近12か月に3回上限に達した後の4回目以降は44,400円として計算したものです。

緩和ケアの費用の詳しい解説

緩和ケア病棟の1日あたりの点数が5,000点台と高いのは、この入院料が包括払いだからです。検査、投薬、注射、処置といった日々の医療が原則としてこの中に含まれており、一般病棟のように出来高で積み上がりません。日数が進むと5,277点、4,724点、3,515点と下がる設計になっているのは、症状の緩和が中心となる時期に手厚い体制を置きつつ、長期の滞在が漫然と続くことを避ける狙いによるものです。在宅側の在宅がん医療総合診療料も同じ包括払いで、週4日以上の訪問診療と訪問看護を組み合わせて提供する体制に対して1日単位で算定されます。どちらも「その日にいくらかかったか」ではなく「その体制を用意していること」に値段がついています。

実務で判断が分かれるのは、病棟と在宅のどちらを選ぶかです。数字の上では在宅のほうが医療費は少なく見えますが、比べるべきものは医療費だけではありません。在宅では家族が担う介護の時間、夜間に急変したときの連絡と対応、介護保険で借りるベッドや訪問介護の費用が別に乗ります。病棟では24時間の看護体制があり家族の負担は軽い一方、面会や暮らしの自由度は下がります。どこで最期の時間を過ごしたいかという本人の希望と、支える側が現実に続けられるかどうかを突き合わせて決める問題であり、費用は判断材料のひとつにすぎません。

見落とされやすいのは、保険の外にある費用と、高額療養費が暦月単位で計算されるという点です。緩和ケア病棟は個室の割合が高く、本人や家族の希望で個室に入れば差額ベッド代がかかります。これは全額自己負担で、高額療養費の対象にもなりません。入院中の食事にも定額の負担があり、寝衣やおむつなどの日用品が別に請求される施設もあります。また上限額は1日から末日までの暦月ごとに判定されるため、月末に入院して月初にまたがれば、同じ30日でも上限額が2か月分必要になります。本ツールは30日を1か月とみなした概算なので、実際の負担はこのずれの分だけ変わります。

条件による違いも大きく出ます。上限額は所得区分で5段階に分かれ、70歳以上ではさらに別の表が使われます。同じ世帯で同じ月に複数の医療費がかかっていれば合算できますし、介護保険のサービスも使っている場合は高額医療・高額介護合算療養費という制度もあります。40歳以上65歳未満の方でも、がんで一定の状態にあると医師が判断すれば介護保険の要介護認定を受けられます。制度の当てはめは個々の状況で変わりますので、費用の見通しは病院の医療相談室やソーシャルワーカー、加入先の保険者に相談して確かめてください。

よくある間違い・注意点

  • 3割負担の金額をそのまま払うと思い込む — 入院が長引けば必ず高額療養費の上限に達します。限度額適用認定証やマイナンバーカードの保険証利用を使えば、窓口での支払いを最初から上限までに抑えられます。
  • 差額ベッド代を保険の枠内で考える — 特別療養環境室の料金は全額自己負担で、高額療養費の対象外です。緩和ケア病棟は個室が多いため、金額の差はここで大きく開きます。
  • 月をまたぐことを計算に入れない — 上限額は暦月ごとに判定されます。月末から入院すると、同じ日数でも上限額を2か月分負担することになります。
  • 在宅は医療費が安いから総額も安いと考える — 介護保険のサービス、住まいの改修、家族が仕事を休む影響が別に乗ります。医療費だけを比べると判断を誤ります。
  • 費用だけで場所を決めてしまう — 本人が望む過ごし方、支える家族の体力、夜間の対応力が実際には大きく効きます。医療相談室に早めに相談しておくと選択肢が広がります。

参考資料・公的情報

※本ツールは公表されている点数と限度額から費用を概算する参考計算です。療養場所の選択や制度の適用は、主治医・医療相談室・加入先の保険者にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

緩和ケアには保険が使えますか?

使えます。緩和ケア病棟への入院も、在宅で受ける緩和ケアも保険診療で、窓口では加入する制度の負担割合どおりに支払います。ただし個室を希望した場合の差額ベッド代、入院中の食事、日用品などは保険の外にあり、別に負担が生じます。

高額療養費は使えますか?

使えます。1か月の窓口負担が所得区分ごとの上限を超えた分は払い戻されます。あらかじめ限度額適用認定証を用意するか、マイナンバーカードを保険証として使えば、窓口での支払い自体を上限までに抑えられます。直近12か月に3回上限に達していれば、4回目からはさらに低い額になります。

費用のほかに受けられる支援はありますか?

病院にはがん相談支援センターや医療相談室が置かれており、費用、制度の申請、在宅への移行、家族の相談をまとめて扱っています。亡くなった後の家族に向けた遺族ケアや、同じ立場の人が集まる会を用意している施設もあります。利用に費用がかからないことが多いので、早い段階で声をかけておくと選択肢が広がります。

緩和ケア病棟に入るには何が必要ですか?

多くの施設で、主治医の紹介状と面談が必要です。希望してすぐに入れるとは限らず、待機が生じることもあるため、必要になってから探すのではなく、早めに情報を集めて登録しておく施設が一般的です。受け入れの条件は施設ごとに異なりますので、主治医または医療相談室に相談してください。

在宅と入院ではどちらが安くなりますか?

医療費だけを比べれば在宅のほうが少なくなります。本ツールの30日の例では、緩和ケア病棟の3割負担が474,930円、在宅が134,550円です。ただし在宅では介護保険のサービス、家族が費やす時間、住まいの調整が別にかかります。金額の差だけで決められるものではありません。

月をまたぐと負担はどうなりますか?

高額療養費の上限額は1日から末日までの暦月ごとに判定されます。月末に入院して翌月にまたがれば、同じ入院でも上限額を2か月分負担することになります。本ツールは30日を1か月とみなした概算のため、実際の請求とはこのずれの分だけ差が出ます。

介護保険は使えますか?

65歳以上であれば要介護認定を受けて居宅サービスを利用できます。40歳以上65歳未満の方でも、がんで一定の状態にあると医師が判断した場合は介護保険の対象となり、訪問介護や福祉用具の貸与が使えます。医療保険と介護保険の両方で負担が重なる場合は、合算して払い戻しを受ける制度もありますので、市区町村の窓口に確認してください。