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健康腎臓検査値CKD

eGFR 腎機能計算ツール|クレアチニン・年齢・性別からCKDステージを自動判定

健康診断や採血結果に必ず出てくるeGFR(推算糸球体濾過量)は、腎臓が1分間に濾過できる血液量の推定値で、慢性腎臓病(CKD)の重症度判定に用いる中核指標です。本ツールは血清クレアチニン値・年齢・性別を入力するだけで、日本腎臓学会が推奨する日本人向けGFR推算式(Matsuo et al. 2009)を用いてeGFRを算出し、CKDステージG1(正常)〜G5(末期腎不全)まで自動判定します。日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」および厚生労働省の腎疾患対策検討会報告書に準拠。健診でeGFR60未満と言われた方、糖尿病・高血圧で腎機能を継続的にチェックする方、透析導入の基準を知りたい方に向けて、生活上の注意・薬剤リスク・食事療法までワンストップで解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

eGFR・CKDステージ 計算機

eGFR推算式(日本人向け)

日本腎臓学会は、日本人成人男女763名を対象にした検証データから、以下の推算式を推奨しています(Matsuo S, et al. Am J Kidney Dis 2009)。

eGFR(mL/min/1.73m²) = 194 × Cr-1.094 × 年齢-0.287(男性)

eGFR(mL/min/1.73m²) = 194 × Cr-1.094 × 年齢-0.287 × 0.739(女性)

Crは血清クレアチニン(mg/dL)、年齢は満年齢(歳)。単位は「1分間に体表面積1.73m²あたり何mLの血液を濾過できるか」を表し、若年成人の平均値100を基準に、腎機能の残存割合を推定します。米国由来のMDRD式・CKD-EPI式に対して、日本人特有のクレアチニン産生量・筋肉量を反映した係数(0.808倍)を組み込んだのが本式の特徴で、日本国内の健診・臨床では本式が事実上の標準となっています。

なお、筋肉量が極端に多い/少ない方、妊婦、四肢切断者、寝たきりの高齢者、急性腎障害の疑いがある方では推定値が実測値と大きく乖離することがあり、その場合はシスタチンC(Cys-C)ベースのeGFRcys式や24時間畜尿によるクレアチニンクリアランス(CCr)実測が推奨されます。

CGA分類(原疾患・GFR・蛋白尿の3軸)

日本腎臓学会は2018年から、単純なGFRステージ分類だけでなく、Cause(原疾患)-GFR-Albuminuria(蛋白尿)の3軸によるCGA分類を推奨しています。

区分臨床的意味
C(原疾患)糖尿病/高血圧/腎炎/多発性嚢胞腎/移植腎/他治療方針の決定
G(GFR)G1〜G5(本ツール算出)腎機能残存度
A(蛋白尿)A1(<30)/A2(30〜299)/A3(≥300mg/gCr)進行速度・心血管リスク

同じG3aでもA1(蛋白尿なし)は経過観察でよいことが多い一方、A3(顕性蛋白尿)は末期腎不全・心血管死亡リスクが5〜10倍。CGA分類による層別化が、専門医紹介の必要性や治療強度の判断根拠となります。

CKDステージ分類(G1〜G5)

日本腎臓学会「CKD診療ガイドライン2023」および国際腎臓学会KDIGO 2012ガイドラインでは、eGFR値により以下のようにステージ分類します。

ステージeGFR腎機能臨床対応
G1≥90正常または高値腎障害マーカー(蛋白尿・血尿等)がなければ経過観察
G260-89正常または軽度低下腎障害マーカーがあればCKDとして管理
G3a45-59軽度〜中等度低下生活習慣の見直し・原疾患治療・薬剤選択に注意
G3b30-44中等度〜高度低下腎臓専門医へ紹介推奨・貧血/骨代謝異常の管理
G415-29高度低下専門医管理必須・腎代替療法(透析/移植)の準備開始
G5<15末期腎不全透析導入・腎移植の検討

実際のCKD診断・重症度評価は、eGFRのカテゴリ(G1〜G5)と蛋白尿区分(A1: 正常、A2: 微量アルブミン尿、A3: 顕性蛋白尿)を組み合わせたヒートマップで行います。同じG3aでもA1(蛋白尿なし)とA3(顕性蛋白尿あり)では末期腎不全・心血管死亡リスクが大きく異なるため、必ず尿検査結果も併せて評価してください。

eGFRの見方と再検査

健診でeGFR60未満と言われたら

まず慌てず、3か月以内に医療機関で再検査を受けてください。CKDの定義は「3か月以上持続する腎障害または腎機能低下」のため、一時的な脱水・激しい運動・食事内容(赤肉大量摂取)などでクレアチニン値は上下します。再検査で60未満が持続していれば、原因検索(糖尿病性腎症/高血圧性腎症/慢性糸球体腎炎/薬剤性腎障害など)と生活・薬物療法を開始します。

年齢による生理的低下

eGFRは加齢とともに年約1mL/min/1.73m²ずつ低下します。80歳では健常者でも70前後まで下がるのが自然経過。年齢を考慮した相対評価が重要で、同じeGFR55でも40歳と80歳では意味が異なります。

糖尿病・高血圧患者は年2回以上

2型糖尿病・高血圧・脂質異常症の患者は、CKD発症・進展リスクが2〜4倍。年2回以上のeGFRと尿蛋白の同時測定が日本腎臓学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会の合同推奨事項です。

シスタチンCで再評価

筋肉量が少ない高齢者・寝たきり・栄養状態不良の方はクレアチニンが低めに出て、eGFRが実際より高く見えます。シスタチンC(Cys-C)は筋肉量の影響を受けにくい指標で、両方併用したeGFRcr-cys式が最も精度が高いとされます。

腎機能低下時の生活・食事

塩分制限

CKD G3以降では1日6g未満が推奨(日本腎臓学会「CKDのための食事療法基準2014」)。日本人平均摂取量10g前後の約6割まで減らす必要があり、加工食品・外食・味噌汁の頻度を大幅に見直す必要があります。血圧管理・浮腫予防・蛋白尿抑制の全てに直結する最重要項目。

タンパク質制限

G3a: 標準〜軽度制限(0.8〜1.0g/kg/日)、G3b以降: 中等度制限(0.6〜0.8g/kg/日)。ただし高齢者ではサルコペニア(筋肉減少)リスクを考慮し、過度な制限は避ける個別対応が必要。管理栄養士との相談を強く推奨します。

カリウム・リン制限(G4以降)

果物・野菜・海藻・乳製品・肉魚などに含まれるカリウム/リンが体内に蓄積し、高カリウム血症(心停止リスク)・血管石灰化・骨代謝異常を招きます。生野菜のゆでこぼし、加工食品の回避が基本。

禁煙・節酒・適正体重

喫煙はCKD進展・心血管死亡の独立危険因子。BMI25以上の肥満、内臓脂肪蓄積も腎障害を悪化させます。運動は禁忌ではなく、むしろ中等度の有酸素運動(週150分)が推奨されます。

腎機能と薬剤の注意

eGFRが低下すると、腎排泄型薬剤の血中濃度が上昇し、副作用リスクが増大します。以下は特に注意が必要な代表的薬剤です。

  • NSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン等の解熱鎮痛薬) ― 腎血流を低下させ急性腎障害の引き金に。CKD患者は市販薬でも自己判断で連用しない。
  • 造影剤(CT・カテーテル検査) ― 造影剤腎症のリスク。eGFR<45では検査前後の輸液プロトコル、代替検査(MRI/超音波)の検討が必要。
  • ビグアナイド系(メトホルミン) ― eGFR<30で禁忌、30〜45は減量。乳酸アシドーシスリスク。
  • 抗菌薬(バンコマイシン・アミノグリコシド・ST合剤) ― 腎排泄が主で、腎機能に応じた用量調整が必須。
  • ジゴキシン・リチウム ― 治療域が狭く、腎機能低下で中毒域に容易に達する。血中濃度モニタリング必須。

市販薬・サプリメント・漢方薬(甘草・アリストロキア酸含有生薬など)にも腎障害を起こすものがあります。CKDと診断されたら、受診時にお薬手帳と併せて全ての服用薬・サプリを申告してください。

透析導入の基準

日本透析医学会「維持血液透析ガイドライン」では、透析導入基準として以下の総合判定を推奨しています。

項目導入検討絶対導入
eGFR<15<8
尿毒症症状倦怠感・食思不振意識障害・心不全
体液貯留浮腫・胸水肺水腫・利尿薬無効
電解質異常高カリウム(6.0〜)治療抵抗性高K血症
栄養状態体重減少高度な低栄養

eGFR単独で決めるのではなく、症状・体液・電解質・栄養・生活背景を総合的に判断します。腎代替療法には血液透析(HD)・腹膜透析(PD)・腎移植(生体/献腎)の選択肢があり、それぞれの適応・生活への影響について、透析導入前の1年程度をかけて情報提供を受けることが日本腎臓学会の推奨事項です。

食事療法の実践ポイント

CKDの食事療法は、日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」に基づき、ステージと個別状況で調整します。厳格すぎる制限は逆に低栄養・サルコペニアを招くため、管理栄養士と協働することが原則です。

減塩の実践

目標1日6g未満。日本人平均10gから4g減が必要で、味噌汁は1日1杯まで、麺類の汁は残す、加工食品(ハム・練り物・漬物)を見直す、外食は1日1回まで、酢・レモン・スパイス・出汁を効かせる、が実践のコツ。血圧・浮腫・蛋白尿抑制の全てに直結する最重要項目です。

タンパク質の質と量

制限が必要な場合も、動物性たんぱく質(アミノ酸スコア100)を中心に、質を落とさず量を調整。低たんぱくご飯・低たんぱくパン等の治療用食品も活用可能。管理栄養士監修のもとで進めれば、必要な栄養素を維持しながら制限できます。

カリウム対策(G4以降)

生野菜のゆでこぼしで50〜70%減、果物は缶詰を選ぶ、乾物は使用量を減らす、干し柿・バナナ・アボカド・トマトジュースは高カリウムで要注意。血清カリウム6.0を超えると心停止リスクが上昇します。

リン対策(G4以降)

加工食品(ハム・ソーセージ・インスタント麺・練り物)の無機リン添加物が最大の敵。乳製品・魚卵・レバー・ナッツも要制限。リン吸着薬(炭酸カルシウム・セベラマー等)の併用が標準治療です。

エネルギー確保

タンパク質を減らす分、糖質・脂質でエネルギーを補います。中鎖脂肪酸(MCTオイル)、砂糖・でんぷん系(粉飴・マルトデキストリン)などの活用で低栄養を防ぎます。1日1,800〜2,200kcalが標準目安。

水分バランス

浮腫・心不全合併時は水分制限(1日1,000〜1,500mL)、透析患者は前日体重差+500mLの厳格管理。逆に脱水も腎機能悪化因子で、症状(浮腫・呼吸苦・尿量)を見ながら主治医が個別に指示します。

健診結果別の対応フロー

健診結果次のアクションタイミング
eGFR 60以上・蛋白尿(-)年1回の健診で経過観察1年後
eGFR 60以上・蛋白尿(+)内科受診・尿沈渣・血尿確認1〜2か月以内
eGFR 45〜59・蛋白尿(-)内科でCKD原因検索3か月以内に再検
eGFR 45〜59・蛋白尿(+)腎臓専門医紹介検討1か月以内
eGFR 30〜44腎臓専門医紹介1か月以内
eGFR 30未満腎臓専門医管理・入院検討速やかに
急激な低下(3か月で25%減)急性腎障害(AKI)として緊急対応即日〜数日以内

とくに糖尿病・高血圧・膠原病・多発性嚢胞腎の家族歴・NSAIDs常用のいずれかがある方は、eGFRの経時的変化を追うことが重要です。年1回だけでなく、原疾患管理の一環として3〜6か月ごとの評価が推奨されます。

よくある間違い・注意点

  • eGFR一回だけで判断する ― 脱水・激運動・食事内容で±10〜20%変動します。CKD診断は「3か月以上持続」が要件。
  • クレアチニン正常=腎機能正常 ― 高齢女性・るい痩例ではクレアチニンが低くeGFRは低下していることがあります。必ずeGFRで評価。
  • 年齢を考慮しない ― 80歳でeGFR60前後は正常経過。若年者との単純比較は無意味。
  • 蛋白尿を無視する ― 蛋白尿A3陽性はG1でも高リスク。eGFR単独では判定できない。
  • 市販薬の自己判断服用 ― ロキソニン等の連用で急性腎障害を起こすCKD患者は少なくない。
  • 低タンパク食を無理に強行 ― 高齢CKD患者ではサルコペニア進行のリスク。個別対応が原則。

参考文献・公的資料(発リンク)

より正確な情報や最新のCKD診療動向を確認したい場合は、以下の公的機関・学会の資料を参照してください。

※本ページの計算結果はスクリーニング目的の参考値であり、医学的診断ではありません。eGFRが基準を下回った場合、透析・移植の検討が必要な場合、薬剤調整が必要な場合、および長期的な腎疾患管理を要する場合は、必ずかかりつけ医または腎臓専門医の診察を受け、その指示に従ってください。特に糖尿病・高血圧・膠原病を合併する方、妊娠中の方、高齢で筋肉量が少ない方は、個別の医学的判断が必要です。市販薬・サプリメント・漢方薬の使用も、必ず医師・薬剤師にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

eGFR60未満は必ずCKDですか?

3か月以上持続する場合にCKDと診断されます。一時的な脱水・激しい運動後・食事(赤肉大量摂取)などでもクレアチニンが上昇しeGFRが低下することがあるため、初回60未満なら3か月以内の再検査が推奨されます。同時に尿検査(蛋白尿・血尿)の評価も重要で、蛋白尿があればG1〜G2でもCKDです。

透析導入の基準は?

日本透析医学会ガイドラインでは、eGFR<15を目安に、尿毒症症状(倦怠感・食欲不振・悪心)、体液貯留(浮腫・肺水腫)、電解質異常(高K血症)、栄養状態の総合判断で導入時期を決定します。eGFR単独ではなく、症状と全身状態を踏まえた個別判断が原則。透析導入前の1年程度で情報提供と準備を行うのが標準です。

腎機能を改善する方法は?

すでに失われたネフロン(腎単位)は再生しないため、「改善」より「進行抑制」が現実的な目標です。有効な介入は塩分制限(1日6g未満)・血圧管理(130/80未満)・血糖管理(HbA1c 7未満)・禁煙・適正体重・NSAIDs回避。原疾患(糖尿病・高血圧・糸球体腎炎)の治療がベースです。急性増悪(脱水・薬剤性)からの回復は可能な場合があります。

eGFRと年齢の関係は?

健常者でもeGFRは30歳以降、年約1mL/min/1.73m²ずつ生理的に低下します。80歳では70前後が一般的で、この年齢層の60〜70をすべてCKDとするのは臨床的に妥当ではありません。年齢に応じた解釈と、他の腎障害マーカー(蛋白尿・画像所見)との併せ技が重要。

クレアチニンが低い=腎機能良好?

必ずしもそうではありません。クレアチニンは筋肉から産生されるため、筋肉量が少ない女性・高齢者・寝たきりの方では低く出やすく、実際の腎機能はもっと低下している可能性があります。この場合はシスタチンC(Cys-C)ベースのeGFRcys、または24時間畜尿による実測クレアチニンクリアランスでの再評価が推奨されます。

タンパク質はどのくらい制限すべき?

G1〜G2は通常量(0.8〜1.0g/kg/日)、G3a: 標準〜軽度制限、G3b以降: 中等度制限(0.6〜0.8g/kg/日)が日本腎臓学会の基準。ただし高齢者はサルコペニアリスクを考慮し個別対応。管理栄養士の栄養指導(保険適用)を受けるのが安全です。自己判断での極端な制限は逆効果になり得ます。

妊娠中もこの計算式で良いですか?

妊娠中は循環血液量増加・GFR生理的上昇があり、通常のeGFR推算式は適用外です。産科・腎臓内科での実測(24時間畜尿クレアチニンクリアランス、シスタチンC)による評価が必要。妊娠高血圧腎症(HELLP症候群含む)の診断は総合判断で行われます。

市販の鎮痛薬は飲めますか?

ロキソプロフェン・イブプロフェン等のNSAIDsは腎血流を低下させ、CKD患者では急性腎障害の引き金になります。連用は避け、必要時はアセトアミノフェンを選択、可能な限り医師・薬剤師に相談を。かぜ薬・湿布薬にもNSAIDsは含まれるため、成分表示の確認が必要です。

造影剤検査は受けても大丈夫?

eGFR<45では造影剤腎症のリスクが上がるため、検査前後の輸液プロトコル、代替検査(単純CT、MRI、超音波)の検討が必要です。緊急性がある場合(急性心筋梗塞のカテーテル治療等)は、リスクを承知の上で実施することもあります。放射線科医・主治医と相談を。

eGFRは家庭で測れますか?

血清クレアチニン測定は採血が必要なため、家庭では直接測れません。ただし体組成計や血圧計と組み合わせて、健診結果を本ツールに入力し、経時変化を記録するのは有効です。クラウド医療サービス・電子健康記録(EHR)でも自動計算されるケースが増えています。

糖尿病の人が特に注意する点は?

糖尿病性腎症はCKDと末期腎不全(透析導入)の原因1位です。血糖管理(HbA1c 7未満)・血圧管理(130/80未満)・SGLT2阻害薬/GLP-1受容体作動薬による腎保護療法・ACE阻害薬/ARBによる蛋白尿抑制が標準。年2回以上のeGFRと尿アルブミンの評価が日本糖尿病学会推奨事項です。

子どもや若年者のeGFRの見方は?

本ツールは18歳以上の成人を対象としています。小児(18歳未満)は身長・血清クレアチニンから小児用Schwartz式など別の計算式を使用します。小児腎臓病は原因も臨床経過も成人と異なるため、必ず小児科・小児腎臓専門医の評価を受けてください。

eGFRとGFRは何が違う?

GFR(糸球体濾過量)は腎機能を表す真の指標で、実測にはイヌリンクリアランス等の煩雑な検査が必要です。eGFR(estimated GFR: 推算GFR)は血清クレアチニン等の簡便な採血データからGFRを推定した値で、日常臨床・健診で広く使われます。推算式には日本人向けMatsuo式、欧米人向けCKD-EPI・MDRD式などがあり、目的や対象集団で使い分けます。

血尿と蛋白尿、どちらが重要?

どちらもCKDの重要なマーカーですが、蛋白尿のほうが予後との関連が強いとされます。血尿単独(顕微鏡的血尿)は約2〜3%の成人に見られ、経過観察でよいことも多いですが、蛋白尿+血尿の組合せは糸球体腎炎の可能性が高く、腎生検を含む詳細検査が必要になります。健診で両方陽性なら1か月以内の受診を推奨します。

透析回避のためにできることは?

1. 血圧を130/80未満に維持(RAS阻害薬使用)、2. 血糖HbA1c 7%未満、3. 塩分1日6g未満、4. 禁煙、5. 適正体重、6. NSAIDs回避、7. 感染症・脱水の早期対応、8. SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬による腎保護療法、9. 尿酸管理(6.0mg/dL未満)、10. 貧血・骨代謝異常の適切な管理。これらの総合的介入でCKD進行を50%以上遅延できる報告があり、腎臓専門医との定期フォローが鍵です。

CKD予防のための生活習慣

CKD発症・進行の主な危険因子は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満・喫煙・過度な塩分摂取・NSAIDs常用・脱水・慢性尿路感染です。健常者でも以下の生活習慣を維持することで、生涯CKDリスクを大きく下げられます。

  • 塩分1日6g未満を目安に、加工食品・外食頻度を管理
  • 1日1.5〜2Lの水分を意識的に摂取(心不全・腎不全診断後は主治医指示に従う)
  • BMI 25未満を維持、内臓脂肪型肥満を予防
  • 禁煙・節酒(男性1日20g、女性10gのエタノール以下)
  • 週150分の中強度運動(WHO推奨、日本腎臓学会も支持)
  • 市販NSAIDsの連用回避、必要時はアセトアミノフェンを選択
  • 年1回以上の健康診断で尿検査・血清クレアチニン・血圧・血糖チェック
  • 家族歴のある方(多発性嚢胞腎・Alport症候群等)は遺伝カウンセリング