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空き家管理費|延床面積と距離から月額・年額を計算

空き家の管理代行にかかる費用を計算する無料電卓。延床面積と物件までの距離から、月額の目安を算出します。管理費以外にかかる固定費や、放置した場合に税負担が変わる条件もあわせて解説します。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

空き家管理費ツール

計算式と前提

月額 = 延床面積(㎡)× 100円 + 訪問費
訪問費 = 近隣なら8,000円/遠方なら20,000円

既定値の「延床100㎡・近隣」では、作業分が10,000円、訪問費が8,000円で、月額18,000円になります。年額に直すと216,000円です。面積に比例させているのは、通風・通水・簡易清掃・室内点検といった作業量が床面積とおおむね比例するためで、訪問費は往復の交通費と移動時間に相当します。月1回の訪問を前提とした概算で、除草や庭木の手入れ、修繕の立会い、緊急時の駆けつけは含みません。固定資産税や火災保険料も別途かかります。

早見表

延床面積・距離別の月額(計算機の出力)

延床面積近隣(月額)遠方(月額)近隣(年額)遠方(年額)
30㎡11,000円23,000円132,000円276,000円
50㎡13,000円25,000円156,000円300,000円
100㎡(既定値)18,000円30,000円216,000円360,000円
150㎡23,000円35,000円276,000円420,000円
200㎡28,000円40,000円336,000円480,000円

年額は月額を12倍したもので、計算機には表示されません。距離を近隣から遠方に変えると、面積にかかわらず月12,000円・年144,000円ふえます。

この計算機の金額をどう読むか

作業の範囲計算機での近い設定読み方
月1回の巡回・通風・通水・郵便物の確認30〜50㎡・近隣(月11,000〜13,000円)もっとも基本的なプランの水準に近い
上記に簡易清掃と室内点検を加えたもの100㎡・近隣(月18,000円)事業者が公表するプランの上限寄り
遠方の物件、広い敷地、除草を含むもの遠方設定(月23,000〜40,000円)実費の上限、または自分で通う場合の時間コスト相当
自分で巡回する場合この金額を、外注するかどうかの判断基準として使う

管理代行は民間サービスで公定価格がないため、実際の契約前には作業項目と回数を明記した見積りを複数社から取り、この金額は比較の出発点として使ってください。

詳しい解説

既定値で出る月18,000円は、作業量に相当する10,000円と、訪問1回分の8,000円の合計です。この計算機は面積に比例する作業分を大きめに見積もる構造になっているため、事業者が公表している巡回代行のプランと比べると上限寄りの金額が出ます。除草や庭木の手入れ、郵便物の転送、修繕時の立会いまで含めたフルサービスの見積り、あるいは自分で毎月通う場合の交通費と時間を金額に換算した上限値として読むのが妥当です。

実務で判断が分かれるのは、管理を続けるか、売る・貸す・解体するかです。管理代行を続けると年20万円前後の固定支出になり、10年で200万円を超えます。一方、家屋を解体すると土地に対する住宅用地特例が外れて固定資産税の課税標準が上がり、更地になっても除草の手間は残ります。分かれ目は、建物に貸せる・売れる価値が残っているかどうかです。残っているなら管理を続けながら早く売却するのが総額では安く、残っていないなら管理費を払い続けるより解体や譲渡を急ぐほうが合理的な場合が多くなります。ただし譲渡益への課税や特別控除には期限と要件があるため、最終的な判断は税理士にご相談ください。

見落とされやすいのは、管理費以外の固定費です。固定資産税と都市計画税、火災保険、水道と電気の基本料金、地域によっては町内会費が毎年かかります。火災保険は特に注意が必要で、人が住んでいない建物は住宅用の契約から外れて一般物件として扱われ、保険料が上がるか、引き受けを断られることがあります。制度面では、空き家に関する法律の改正により、著しく傷んだ状態に至る前の段階でも「管理不全空家等」として扱われる仕組みが設けられました。勧告を受けると住宅用地特例が外れ、土地の課税標準は最大で6倍相当まで上がります。

条件による差も見ておいてください。距離を遠方にすると月12,000円上がるのは、往復の交通費と移動時間を織り込むためで、年間では144,000円の差になります。積雪地では冬季の除雪、雨の多い地域では雨漏りと湿気の点検、住宅が密集した市街地では防犯上の見回りが重くなります。建物の状態でも変わり、築年数の古い木造は通気を確保しないと傷みが早く進むため、訪問頻度を落とすと後の修繕費で跳ね返ります。

この計算機は月1回の訪問を前提にした概算で、訪問頻度の変更、除草の有無、修繕の立会い、緊急対応は含んでいません。税額や登記の要否、特別控除の適用可否といった個別の判断は、税理士・司法書士など専門家にご確認ください。

よくある間違い・注意点

  • 管理代行の費用だけで維持コストを比較する ― 固定資産税・都市計画税、火災保険料、水道と電気の基本料金が別途かかります。年間の保有コストで比べないと、売却や解体との比較を誤ります。
  • 火災保険がそのまま続くと思い込む ― 人が住まなくなると住宅用の契約から外れ、一般物件として保険料が上がるか、引き受けを断られることがあります。空き家になった時点で契約内容の確認が必要です。
  • 「解体すれば安くなる」と単純に考える ― 建物がなくなると土地の住宅用地特例が外れ、固定資産税の課税標準が上がります。解体費と、その後の税負担の増加を合わせて比較してください。
  • 管理を止めて放置する ― 管理が行き届かない状態が続くと、行政から助言・指導・勧告を受け、勧告の段階で住宅用地特例が外れます。年20万円の管理費を惜しんだ結果、税負担が増える構図になり得ます。
  • 相続登記を後回しにする ― 相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記申請が義務化されています。正当な理由なく怠ると過料の対象になり得るため、管理の手配と同時に進めてください。

関連する制度・法令

  • 空家等対策の推進に関する特別措置法 ― 「特定空家等」に加えて「管理不全空家等」の類型が設けられ、勧告を受けると住宅用地特例の対象から外れます。行政による助言・指導・勧告・命令・代執行の手順もこの法律が定めます。
  • 地方税法(住宅用地特例) ― 住宅の敷地は、200㎡以下の部分が固定資産税の課税標準6分の1、それを超える部分が3分の1に軽減されます。この特例が外れることが「最大6倍」と言われる根拠です。
  • 不動産登記法(相続登記の申請義務化) ― 相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があり、正当な理由なく怠ると過料の対象になります。
  • 租税特別措置法(被相続人の居住用財産の特別控除) ― 一定の要件を満たす空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。相続人が3人以上の場合の控除額や、耐震改修・除却の要件、適用期限が定められています。
  • 空家等管理活用支援法人 ― 法改正により、市町村が指定した法人が所有者の相談対応や活用の橋渡しを行う仕組みが設けられました。
  • 建築基準法 ― 著しく保安上危険な建築物に対する行政の措置を定めます。
  • 民法(共有物の管理) ― 相続で共有になった空き家は、管理や処分に共有者の同意が必要です。誰が費用を負担するかも共有関係に基づいて決まります。

参考資料

管理代行の料金は民間サービスであり公定価格はありません。本ページの金額は目安であり、実際の契約額は作業項目・訪問頻度・地域で変わります。税額の判定や特別控除の適用可否は税理士、登記の手続きは司法書士、行政の指導に関する対応は市区町村の担当窓口へご相談ください。

よくある質問(FAQ)

放置するとどうなりますか?

管理が行き届かない状態が続くと、市区町村から助言・指導を受け、改善されない場合は勧告に進みます。勧告を受けた時点で土地の住宅用地特例が外れ、固定資産税の課税標準が上がります。住宅の敷地は200㎡以下の部分が6分の1に軽減されているため、これが外れると税額は最大で6倍相当まで増えます。負担調整の仕組みがあるため必ずしも6倍ちょうどにはなりませんが、負担は大きく変わります。

解体費はいくらかかりますか?

木造住宅で100万円から300万円程度が目安です。構造、延床面積、前面道路の広さ、重機を入れられるかどうかで大きく変わり、狭い道路にしか面していない場合や鉄筋コンクリート造では上振れします。解体後は住宅用地特例が外れて土地の税負担が上がる点も含めて比較してください。

売却時の譲渡所得の特別控除はありますか?

一定の要件を満たす相続した空き家を売った場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。建築時期、相続からの経過期間、譲渡対価の上限、耐震改修または取り壊しなど要件が細かく定められ、相続人の人数によって控除額が変わる場合もあります。適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。

この計算機の金額は相場と比べてどうですか?

上限寄りに出ます。この計算機は延床面積に比例する作業分を大きめに置いているため、月1回の巡回と通水・換気だけを頼む基本的なプランでは、実際の契約額はこれより下がることが多くなります。除草や修繕の立会いまで含めたフルサービスの見積り、または自分で通う場合の時間コストの上限として読んでください。契約前には複数社の見積りで実額を確認してください。

火災保険はそのまま続けられますか?

人が住まなくなると住宅用の契約から外れ、一般物件として扱われるのが一般的です。保険料が上がるほか、状態によっては引き受けを断られることもあります。空き家になった時点で保険会社へ用途の変更を伝え、契約内容を確認してください。伝えないまま事故が起きると、支払いに影響が出る場合があります。

電気や水道は止めてよいですか?

通水と換気のために契約を残す運用が一般的です。水道を止めると排水口の封水が切れて臭気や虫の侵入につながり、電気を止めると換気や照明が使えなくなります。基本料金は毎月かかるため、この計算機の金額に加えて年間で数万円を見込んでください。

相続した空き家の登記はいつまでに必要ですか?

相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると過料の対象になり得ます。共有名義のまま放置すると、売却や解体の意思決定にも支障が出るため、管理の手配と同時に進めてください。手続きは司法書士にご相談ください。