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有給休暇 残日数 計算ツール|付与・取得・繰越から残日数を自動算出・年5日取得義務チェック

有給休暇の残日数・繰越上限・取得義務(年5日)の進捗を自動計算。労働基準法39条に基づく付与日数(フルタイム10〜20日/パート比例付与)を勤続年数から算出し、時季指定義務・買取禁止・時効2年など、労務担当者と労働者双方が知っておくべき実務ポイントを網羅します。厚生労働省・労働基準監督署の公式資料に基づく解説つき。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

有給休暇 残日数 計算機

未消化分の繰越(時効2年で消滅)

労基法上の付与日数

労働基準法39条により、 雇用主は要件を満たす労働者に有給休暇を付与しなければなりません。 付与要件は「雇入れの日から6ヶ月継続勤務」かつ 「全労働日の8割以上出勤」です。 週の労働時間・日数が短いパートタイム労働者にも、 所定日数に応じた比例付与が義務付けられており、 「うちはパートだから有給がない」は明確な違法状態です。

フルタイム(週30時間以上 OR 週5日以上)

勤続年数付与日数
6ヶ月10日
1年6ヶ月11日
2年6ヶ月12日
3年6ヶ月14日
4年6ヶ月16日
5年6ヶ月18日
6年6ヶ月以降20日(上限)

これは法定最低基準であり、就業規則や労働協約でこれを上回る日数を付与することは可能です(例:入社日即日10日付与、上限25日など)。

パートタイム比例付与

週の所定労働日数が4日以下かつ週30時間未満の労働者には、日数に応じた「比例付与」が適用されます。

週所定日数6ヶ月1年半2年半3年半4年半5年半6年半以降
4日78910121315
3日566891011
2日3445667
1日1222333

週30時間以上働くパートタイマーはフルタイムと同じ付与日数となります。派遣社員も同様の基準で付与されますが、派遣元との雇用契約に基づき管理されます。

年5日取得義務(2019年〜)

2019年4月施行の働き方改革関連法により、年10日以上の有給が付与される労働者に対し、年5日の取得が使用者の義務となりました(労基法39条7項)。

制度の要点

  • 対象:年10日以上付与される全ての労働者(フルタイム、週4日以上のパート含む)。
  • 期間:付与日から1年以内に5日以上取得させる必要。
  • 方法:労働者の希望取得、時季指定、計画年休の3方法を組み合わせて達成。
  • 違反罰則:1人につき最大30万円以下の罰金(労基法120条)。企業単位ではなく労働者数分の罰金が累積。
  • 記録義務:有給休暇管理簿の作成・3年間保存(労基則24条の7)。

使用者が時季指定する場合は、労働者の意見を聴取したうえで指定します。ブラック企業の温床だった「有給取れない」問題への実効的対策として運用されており、労働基準監督署の是正勧告事例も多数発生しています。

繰越と時効2年

有給休暇は付与された日から2年で時効消滅します(労基法115条)。前年度未消化分は今年度に繰り越せますが、繰越から1年経つと消滅します。

繰越の実務例

年度付与取得次年度繰越消滅(時効)
1年目(10日付与)10日3日7日0日
2年目(11日付与+繰越7日=18日)11日8日11日以内※1年目繰越の未使用分
3年目(12日付与+繰越11日=23日)12日10日12日以内2年目繰越の未使用分

※取得順は原則「古いものから消化」のルールで処理する企業が多く、時効消滅を防ぎます。就業規則で明記される項目です。

買取の可否

原則として有給休暇の買取は労基法違反です(有給取得の抑制につながるため)。ただし例外的に、①退職時の未消化分、②時効で消滅する日数、③法定を超える付与分(例:付与25日のうち法定20日を超える5日)については、労使合意で買取可能とされています。

有給休暇の賃金計算

有給休暇取得日の賃金は、 就業規則で以下のいずれかを選択します。 一度定めた方式は労働者ごとに変更できず、 就業規則の変更手続きを経る必要があります。

  1. 通常賃金:通常出勤した場合の賃金額。月給制企業で最も一般的。
  2. 平均賃金:直近3ヶ月の賃金総額÷総日数。日給・時給制で使用。
  3. 健康保険法の標準報酬日額:労使協定が必要。実務ではまれ。

賃金計算での注意点

  • 通勤手当:通常賃金方式では通常通り支給。平均賃金方式では算入されるが取得日の実支給とはならない。
  • 残業手当:有給取得日は所定労働時間として扱われ、残業なしの賃金となる。
  • 皆勤手当:有給取得を欠勤扱いにする皆勤手当のカットは違法とされる判例が多数。
  • 賞与(ボーナス):有給取得を欠勤扱いにする査定は労基法附則136条に反する不利益取扱い。

ボーナス(賞与)は有給取得日を欠勤扱いで減額することは違法とされ、 皆勤手当のカットも判例で認められない傾向です。 賃金体系の設計・見直しの際は、 社会保険労務士等の専門家と就業規則の整合性を確認するのが安全です。

取得率の国際比較と国内推移

厚労省「就労条件総合調査」によれば、日本の年次有給休暇の取得率は長らく50%前後で推移していましたが、2019年の年5日取得義務化以降上昇し、直近では60%台前半に到達しています。

取得日数(平均)取得率制度背景
2015年8.8日47.6%働き方改革議論開始
2018年9.4日52.4%働き方改革関連法成立
2019年10.1日56.3%年5日取得義務化施行
2020年10.1日56.6%コロナ禍・テレワーク拡大
2022年10.9日58.3%取得率上昇継続
2023年11.0日62.1%過去最高水準

Expedia「有給休暇国際比較調査」では、日本の取得率は他国と比べて依然低水準。欧州諸国(フランス・ドイツ)はほぼ100%、米国・台湾・韓国も日本より高い水準です。取得への「罪悪感」文化の解消が今後の課題とされています。

実務での使いどころ

💼 労務担当者・人事

有給休暇管理簿の作成・更新、年5日取得義務の進捗チェック、時季指定の対象者ピックアップに使用。労基署の立入調査で必ずチェックされる項目のため、四半期ごとの進捗管理が定着しつつあります。

👨‍💼 中間管理職・チームリーダー

部下の有給取得状況把握、業務ローテーション計画、繁忙期前後の休暇集中対策に活用。年5日未達メンバーには時季指定で消化を促す運用が一般的です。

👤 労働者本人

残日数の把握、時効消滅を防ぐ計画的取得、退職時の一括消化計画に使用。特に退職時は残日数×日給での買取ではなく、退職前の連続取得で消化するのが一般的です。

🏢 パート・アルバイトの管理

週の勤務日数変更(週4→週3など)があった場合、次回付与時から新しい比例付与日数が適用されます。飲食・小売の店舗マネージャーは特に管理が必要です。

👥 派遣・出向社員

派遣社員は派遣元との雇用契約で付与されます。派遣先が変わっても継続勤務が認められれば付与日数はリセットされません。出向者は出向元・出向先の取り決めで運用されます。

📝 就業規則の策定

法定を上回る付与、計画年休制度、時間単位年休(年5日まで)の導入検討時に、現行の消化状況をシミュレーションできます。労使協定と就業規則の改定に活用してください。

よくある誤解・違反事例

  • 「うちは有給なし」の口約束 — 労基法39条は強行法規で、就業規則や個別合意で有給を無くすことは違法です。中小企業・個人事業主でも要件を満たす労働者には付与義務があります。
  • 入社6ヶ月未満は絶対付与不要と誤解 — 法定最低基準は6ヶ月ですが、就業規則で入社日即日付与を定める企業も存在します。会社の就業規則の確認が優先されます。
  • 年5日取得義務の対象を狭く解釈 — 年10日以上付与される全労働者が対象。週4日パートで年10日以上付与される勤続年数(3年6ヶ月以上)の労働者も含まれます。
  • 時効消滅を放置 — 労働者側で意識せず時効消滅すると2年前付与分が消えます。企業側も年5日義務違反リスクがあるため、時季指定での消化促進が実務標準となっています。
  • ボーナス減額・皆勤手当カット — 有給取得を理由とする不利益取扱いは労基法附則136条で禁止。判例でも無効とされる傾向にあり、労働審判・訴訟の対象となります。
  • 買取を軽々しく行う — 原則違法。退職時の未消化分、時効消滅分、法定超過分に限られ、それ以外の買取は「有給取得を抑制した」として労基法違反となる可能性があります。

関連法令・通達

  • 労働基準法 第39条 ― 有給休暇の付与要件・日数・時季指定権・年5日取得義務。有給制度の中核条文。
  • 労働基準法 第115条 ― 賃金請求権および有給休暇の時効2年。
  • 労働基準法 第120条 ― 年5日取得義務違反時の罰則(30万円以下の罰金)。
  • 労働基準法附則 第136条 ― 有給取得を理由とする不利益取扱いの禁止。
  • 労働基準法施行規則 第24条の3〜7 ― 比例付与、時間単位年休、有給管理簿の詳細規定。
  • 平成30年基発0907第1号(厚労省通達) ― 年5日取得義務の詳細解釈。時季指定の運用ルール。
  • 労働契約法 第7条 ― 就業規則の労働条件への効力。
  • 働き方改革関連法(2019年4月施行) ― 年5日取得義務、月60時間超残業割増、勤務間インターバル努力義務等を一括改正。

参考文献・公的資料

正確な情報や書式・様式は以下の公的機関の一次資料を参照してください。

※本ツールの計算は労基法39条の標準規定に基づく参考値です。実際の付与日数は貴社の就業規則(法定を上回る付与、独自の付与ルール、時間単位年休制度など)により異なる場合があります。有給休暇の管理・時季指定・買取など具体的な労務判断は、就業規則および社会保険労務士・弁護士の助言に基づいて行ってください。労基法違反が疑われる場合は、所轄の労働基準監督署または労働組合に相談することができます。

よくある質問(FAQ)

有給休暇はいつから付与されますか?

労基法39条により、雇用の日から6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10日付与されます。以降、勤続年数に応じて11〜20日と増加し、6年6ヶ月以降は上限20日です。就業規則で入社日即日付与を定める企業もあります。

年5日取得義務とは何ですか?

2019年4月施行の労基法改正で、年10日以上有給が付与される労働者に年5日以上の取得が使用者の義務となりました。違反時は1人につき30万円以下の罰金。労働者の希望・時季指定・計画年休のいずれかで達成します。

パートやアルバイトにも有給はありますか?

あります。週30時間以上または週5日以上のパートはフルタイムと同じ付与、それ以下は比例付与(労基則24条の3)。例えば週4日パートは6ヶ月経過で7日、6年6ヶ月以降で15日付与されます。

有給の繰越と時効はどうなりますか?

付与から2年で時効消滅します(労基法115条)。前年度未消化分は翌年度に繰り越せますが、繰越から1年経つと消滅。一般に古い分から消化するルールが就業規則に定められています。

退職時に有給を消化できますか?

できます。退職前の連続取得で消化するのが一般的で、企業が拒否することは原則できません。ただし業務引継ぎとの調整で日程調整の余地はあります。買取制度がある企業では未消化分を金銭精算するケースもあります。

有給休暇の買取は違法ですか?

原則違法です(有給取得の抑制につながるため)。例外として①退職時の未消化分、②時効消滅分、③法定超過分(例:25日付与のうち20日を超える5日)は労使合意で買取可能とされています。

有給取得日の給料はどう計算されますか?

就業規則で①通常賃金、②平均賃金、③健保標準報酬日額のいずれかを選択します。月給制企業は通常賃金が最も一般的。日給・時給制では平均賃金(直近3ヶ月の賃金÷総日数)が使われます。

有給取得を理由にボーナスを減額されました。合法?

労基法附則136条で不利益取扱いは禁止されています。判例でもボーナス減額・皆勤手当カットは無効とされる傾向。労働基準監督署への申告、労働審判・訴訟で是正を求めることができます。

時間単位年休とは何ですか?

1日単位ではなく1時間単位で有給を取得できる制度。労使協定の締結で導入可能、年5日分が上限(労基則24条の4)。通院・子どもの学校行事・役所手続などに使えるため、育児中の労働者に人気です。

入社時に「うちは有給なし」と言われました

労基法39条は強行法規で、口約束や個別合意で有給を無くすことはできません。要件を満たせば必ず付与されます。労働基準監督署に相談することで是正勧告を出してもらえる可能性があります。

計画年休制度とは何ですか?

労使協定で「事業所全体・部署・個人ごとに有給取得日を予め定める」制度(労基法39条6項)。夏季・年末年始の一斉休業に活用されることが多く、5日分を超える部分について適用可能です。

有給を取得したいのに拒否されました

使用者には「時季変更権」しか認められておらず、繁忙期の変更依頼は可能ですが取得自体の拒否はできません。事業運営に真に必要不可欠な場合を除き、労働者の希望日での取得が原則です。労基署に相談を推奨します。