V/A/W/Ω変換ツール|オームの法則で電圧・電流・電力・抵抗を相互計算
電圧V・電流A・電力W・抵抗Ωを、オームの法則(V=IR)と電力の式(P=VI, P=I²R, P=V²/R)で相互計算する無料電卓。家庭のブレーカ選定・エアコン容量・IHコンロ・電子レンジの電力管理、電気代の概算、電気事業法・電気設備の技術基準に対応した実用ツールです。
V/A/W/Ω 変換ツール
オームの法則と電力の式
オームの法則(1827年 G.S.Ohm)
V = I × R
I = V ÷ R
R = V ÷ I
電圧V(Volt)は電気を押し出す圧力、電流I(Ampere)は流れる電気の量、抵抗R(Ohm)は流れにくさ。この3量の関係は、水道の水圧・流量・パイプ抵抗のアナロジーで理解できます。
電力の式
P = V × I = I² × R = V² ÷ R
電力P(Watt)は単位時間に消費されるエネルギー。100V × 10A = 1,000W = 1kWのように、電圧と電流の積で表されます。抵抗が既知なら、電流の2乗×抵抗、あるいは電圧の2乗÷抵抗でも算出できます。
電力量(電気代の基礎)
電力量 = 電力 × 時間 → kWh(キロワット時)
電気料金はkWh単位で請求されます。従量電灯B(東京電力エリア)で1kWh約31円(2026年目安)。エアコン1kW(1,000W)を1時間使うと約31円。
V・A・W・Ωの単位定義
| 単位 | 意味 | 定義 | 身近な例 |
|---|---|---|---|
| V(ボルト) | 電圧 | 1Ωの抵抗に1Aの電流を流す電位差 | 乾電池1.5V、コンセント100V、モバイル充電器5V |
| A(アンペア) | 電流 | 1秒間に1クーロンの電荷が流れる量 | スマホ充電1A、ドライヤー10A、IH20A |
| W(ワット) | 電力 | 1秒間に1ジュールのエネルギー変換 | LED電球5W、蛍光灯20W、電子レンジ1500W |
| Ω(オーム) | 抵抗 | 1Vで1Aの電流が流れる抵抗値 | 抵抗器10Ω、電熱線100Ω、絶縁体10⁶Ω以上 |
| kWh | 電力量 | 1kWの機器を1時間使ったエネルギー量 | 電気代の請求単位、家庭年間3,000〜4,500kWh |
| Hz(ヘルツ) | 周波数 | 1秒間の振動回数 | 東日本50Hz、西日本60Hz |
家庭内配電と電圧
日本の配電方式
日本の一般家庭は単相2線式100V(旧型)または単相3線式100V/200V(新型)が主流。電力会社から柱上変圧器で100V/200Vに変圧して各家庭に供給されます。契約アンペアで基本料金が決まります。
周波数の東西境界
東日本50Hz、西日本60Hzで、糸魚川-静岡構造線が境界。周波数が違うと一部家電(モーター系)の性能が変わります。周波数フリー家電は両対応ですが、古い家電は要確認。
契約アンペア
| 契約A | 同時使用電力 | 目安世帯 |
|---|---|---|
| 10A | 1,000W | 単身・照明のみ |
| 15A | 1,500W | 単身・小家電 |
| 20A | 2,000W | 単身・エアコン1台 |
| 30A | 3,000W | 2〜3人・標準家庭 |
| 40A | 4,000W | 4人家族・IHあり |
| 50A | 5,000W | 4人家族・オール電化 |
| 60A | 6,000W | 大家族・オール電化 |
家電製品の消費電力早見
各家電のワット数の目安です。ブレーカ・延長コード選定の参考にどうぞ。
| 家電 | 消費電力 (W) | 電流@100V (A) |
|---|---|---|
| LED電球 | 5〜10 | 0.05〜0.1 |
| ノートPC | 30〜90 | 0.3〜0.9 |
| デスクトップPC | 150〜300 | 1.5〜3.0 |
| 液晶テレビ32型 | 50〜80 | 0.5〜0.8 |
| 冷蔵庫(大型) | 150〜250(平均) | 1.5〜2.5 |
| 洗濯機(乾燥なし) | 200〜500 | 2〜5 |
| 掃除機 | 500〜1,200 | 5〜12 |
| 電子レンジ(500W) | 1,300 | 13 |
| 電子レンジ(1500W) | 1,500 | 15 |
| 電気ポット(保温) | 800 | 8 |
| 電気ポット(沸騰) | 1,300 | 13 |
| ドライヤー | 1,200 | 12 |
| アイロン | 1,400 | 14 |
| ホットプレート | 1,300 | 13 |
| エアコン(6畳・冷房) | 600 | 6 |
| エアコン(10畳・冷房) | 800 | 8 |
| エアコン(14畳・暖房) | 1,500 | 15 |
| エアコン(200V・20畳) | 2,500 | 12.5(200V換算) |
| IHクッキングヒーター1口 | 1,400〜3,000 | 200V専用 |
| 電気自動車充電(普通) | 3,000(200V) | 15(200V) |
ブレーカ・電線の選び方
コンセント1回路の許容電流
家庭用コンセント1回路は15A(1,500W)が標準。同じ回路のコンセント合計で15Aを超えるとブレーカが落ちます。電子レンジ13A+ドライヤー12A=25Aで即断です。
電線の許容電流(VVFケーブル)
| 電線サイズ | 許容電流 | 用途 |
|---|---|---|
| 1.6mm | 19A | 一般照明・コンセント回路 |
| 2.0mm | 27A | エアコン・電気ヒーター専用 |
| 2.6mm | 48A | IH・エコキュート専用 |
| 3.2mm | 62A | 電気自動車200V充電 |
専用回路が必要な家電
電子レンジ(15A)、エアコン(15A・20A)、IH(30A/200V)、エコキュート(30A/200V)、電気自動車充電(15A/200V)は専用回路を推奨。他の家電と共用すると頻繁にブレーカが落ちます。
直流・交流の違いと三相
直流(DC)と交流(AC)
直流は電流の向きが一定。乾電池・USB・自動車バッテリー・LED。交流は周期的に向きが変わる(日本は50/60Hz)。コンセント・家電はほぼ全て交流。ACアダプタは交流を直流に変換する装置。
単相と三相
家庭用は単相(100V/200V)、業務用は三相200Vが主流。三相は3本の電線で位相の異なる交流を送り、モーター動力に最適。工場・エレベーター・大型エアコン・業務用IH等で使用。
三相電力の計算式
三相電力 P = √3 × V × I × cosφ (cosφは力率)
三相200V × 10A × 力率0.85 = 2,944W。工場の動力用モーター選定・電気設備設計で必須の式です。
業界別の応用
家庭・電気工事
ブレーカ選定、延長コード容量、太陽光パネルの発電計算。100V/200V配電の変更、EV充電器設置、蓄電池選定に必須。第二種電気工事士の資格範囲。
電気工事士試験
第二種電気工事士・第一種電気工事士の筆記試験でオームの法則・電力計算は頻出。ケーブルの許容電流、内線規程、電気設備技術基準の理解が必要。
電子工作・DIY
LED・抵抗器の選定(限流抵抗計算)、モータードライバ、Arduino/Raspberry Pi回路。V=IRで正しい抵抗値を選ばないと素子焼損。
自動車・EV
12V車載電源、EVの400V/800V駆動系。バッテリーAh容量から走行距離推定、充電時間計算。ハイブリッド車の高圧回路設計。
再生可能エネルギー
太陽光パネル出力(W/㎡)、パワーコンディショナー選定、蓄電池容量(kWh)計算。FIT売電単価との経済性シミュレーション。
データセンター・サーバ
UPS容量、PDU(電源分配ユニット)、冷却設備。1ラック5kW〜20kWの電源設計。省エネ法・電力使用の見える化。
よくある間違い・注意点
- W = V × A の暗算で桁ミス — 100V × 10A = 1,000W。単位を確認して電卓で検算。
- 直流用のA計算を交流に流用 — 交流はピーク値・実効値の区別、力率cosφの補正が必要。単純にV×AにならないケースあC。
- 並列・直列抵抗の計算ミス — 直列は単純加算、並列は逆数の和の逆数。電池の直並列でも同じ規則。
- ワット数と電気代の混同 — 「100W機器を10時間使うと10円」は誤り。100W×10h=1kWh=約31円が正解。
- ブレーカの容量計算漏れ — 同じ回路のコンセント合計で15A超過は即断。IH・エアコンは専用回路が必須。
- 単相と三相の力率考慮忘れ — 業務用機器の三相200V計算は必ず√3と力率を入れる。
- USB・スマホ充電器の過剰負荷 — 5V/2Aの充電器に3A負荷は発熱・故障原因。定格を守る。
- 延長コードで容量オーバー — 延長コードの定格1,500Wを超えると発火リスク。掃除機と電子レンジ同時使用等に注意。
関連規格・法令
- 電気事業法 ― 電気の安定供給・保安規制の基本法。契約アンペア・電力量の法定基準。
- 電気設備技術基準(電技解釈) ― 電気設備の技術基準を定める省令。ブレーカ・電線・接地の詳細規定。
- 内線規程 ― 屋内配線工事の民間標準。JEAC 8001。実務の指針。
- 電気工事士法 ― 電気工事の有資格者制度。第一種・第二種電気工事士の業務範囲。
- 電気用品安全法(PSE法) ― 家電製品の安全基準。PSEマーク表示義務。
- 省エネルギー法(省エネ法) ― 電力使用の効率化義務。トップランナー方式。
- JIS C 8303 ― 配線用差込接続器(コンセント)。定格電流・電圧の規格。
- JIS C 8305 ― 鋼製電線管。屋内配線工事の規格。
参考文献・公的資料
電気設備の設計・工事・保守は法令に基づく厳格な管理が必要です。以下の公的機関の資料を参照してください。
- 経済産業省 電気保安 ― 電気事業法・電気設備技術基準の公式情報。
- 資源エネルギー庁 ― 電気料金・省エネ政策・再生可能エネルギーの一次資料。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS C 8303等の電気関連日本産業規格。
- 日本電気技術規格委員会(JESC) ― 電気事業法に基づく民間規格。
- 電気学会 ― 電気工学の学術団体。標準・研究資料。
- 日本電気工事士協会 ― 電気工事の業界団体。内線規程の解説。
- 東京電力パワーグリッド ― 関東の一般送配電事業者。電気工事申込・技術資料。
- 関西電力送配電 ― 関西の一般送配電事業者。電気工事関連情報。
よくある質問(FAQ)
100Vと200Vのメリット・デメリットは?
同じ電力なら200Vは電流が半分で済み、電線が細くて済む・電圧降下が少ない。エアコン・IH・EV充電の大電力機器に有利。デメリットは感電時のリスクがやや高いこと、機器価格が若干高いこと。日本の家庭は単相3線式で100V/200V両方使える。
ブレーカが落ちる理由は?
1つの回路で15Aを超過が主な原因。電子レンジ13A+ドライヤー12Aの同時使用等。契約アンペアを超えるとメインブレーカ(アンペアブレーカ)が落ちる。短絡・漏電の場合は漏電ブレーカが作動。
W=V×Aで正しい?
直流と交流の抵抗負荷(電熱・白熱電球)はこれでOK。交流の誘導負荷(モーター・蛍光灯・エアコン)は力率cosφが入り、有効電力P=VI×cosφとなる。皮相電力S=VI(VA)と区別。
1kWhは何円?
東京電力エリア(従量電灯B第2段階)で約31円/kWh(2026年目安)。関西電力は約26円、九州電力は約25円。時間帯別プランでは深夜16円、日中35円のプランも。
電気代の計算方法は?
電気代 = 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電気単価(円/kWh)。エアコン1kW(1,000W)を1時間で31円、24時間で744円。1ヶ月30日で22,320円という計算になる(実際は温度制御で節電)。
IHとガスコンロ、どっちが安い?
1食あたりのエネルギー費用でIHが約30〜40円、ガス(LP)が40〜60円、ガス(都市)が20〜30円。都市ガスが最安、IHは中位、LPガスが高い。初期投資と光熱費のバランスで決定。
直流と交流の違いは?
直流は電流の向きが一定(乾電池・USB・LED)、交流は50/60Hzで向きが周期的に変わる(コンセント・家電)。ACアダプタは交流→直流変換装置。日本の送電網は交流。
三相200Vと単相200Vはどう違う?
単相は2本の電線で1つの波形、三相は3本で位相120度ずれた波形。三相はモーター動力に最適で工場・業務用エアコン・EVで採用。一般家庭は原則単相のみ。
延長コードの容量を超えるとどうなる?
コードが発熱→絶縁被覆が溶ける→短絡・火災の危険。15A/1,500Wが一般的な定格。ドライヤー+電子レンジの同時使用は超過。定格表示を確認し、複数の高電力機器は別コンセントを使う。
USBの電圧・電流は?
USB 2.0:5V/0.5A(2.5W)、USB 3.0:5V/0.9A(4.5W)、USB Power Delivery:5〜20V/最大5A(100W)。急速充電規格はスマホ側と充電器側の両対応が必要。
抵抗の並列接続の計算は?
並列は合成抵抗R = 1 / (1/R1 + 1/R2 + …)。2本の10Ωを並列接続なら合成5Ω。並列にすると合成抵抗は最小抵抗より小さくなる。電池の並列接続では電流容量が増える。
家庭で契約すべきアンペア数の目安は?
2〜3人世帯で30A、4人家族で40A、オール電化なら50〜60Aが目安。基本料金は10A増えるごとに約280円/月アップ(東京電力)。同時使用する機器のW合計で判断。