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照度 lx 計算ツール|JIS Z 9110の推奨照度・光束・距離・LED換算

照度(ルクス lx)を、光束lm・距離・光源W・作業内容から算出。JIS Z 9110「照明基準総則」のオフィス750lx・書斎500lx・リビング150lx・工場300lxをはじめとする推奨照度、フットキャンドル(fc)換算、労働安全衛生規則の作業別最低照度、LEDワット数から必要光束の逆算まで対応。読書・在宅ワーク・工場・店舗の照明設計に不可欠な国際指標を、JIS・CIE・IES規格に照らして解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

照度 lx 計算機

計算式と単位の定義

基本式

照度 E [lx] = 光束 F [lm] ÷ 面積 A [m²]

点光源の照度 E = I / r² (I:光度cd、r:距離m)

1 fc = 10.764 lx(1 lx = 0.0929 fc)

照度(Illuminance)は、単位面積あたりに入射する光束の量で、単位はルクス(lx)またはフットキャンドル(fc)。光束(Luminous Flux)は光源から放出される光の総量でルーメン(lm)、光度(Luminous Intensity)は特定方向への光の強さでカンデラ(cd)です。1 lx = 1 lm / m² と定義され、点光源では距離の2乗に反比例して照度が減衰します(逆二乗則)。

SI単位系との位置づけ

照度・光束・光度はすべてSI組立単位。基本単位のカンデラ(cd)から導出され、国際度量衡総会(CGPM)の定義により2019年に「555nm単色光の分光放射効率683 lm/W」を基準に固定されました(BIPM SI手引き参照)。

lx ⇔ fc 単位換算

米国・英連邦ではフットキャンドル(fc)が広く使われます。日本・EUのlx表記と相互換算が必要です。

ルクス lxフットキャンドル fc目安環境
504.6薄暗い廊下・玄関
15013.9リビング全般
30027.9ダイニング・団らん
50046.5読書・勉強・書斎
75069.7オフィス事務室
1,00092.9製図・電子部品検査
1,500139.4手術補助・精密検査
10,000929.0晴天日陰の屋外
100,0009,290.3真夏正午の直射日光

JIS Z 9110「照明基準総則」推奨照度

日本産業規格 JIS Z 9110(2010改正)は、住宅・オフィス・工場・商業施設等の推奨照度を規定。労働安全衛生規則の最低基準と併せて設計の根拠となります。

用途推奨照度 lx備考
玄関・廊下75〜100夜間の移動
リビング全般150〜300くつろぎ時間
リビング読書500〜750読書時は局所照明を追加
ダイニング150〜300食事の団らん
キッチン作業300〜500調理台の局所照明必須
寝室(就寝前)10〜30低照度+色温度低め推奨
子供部屋・勉強500〜750デスクは1000lx推奨
書斎・在宅ワーク500〜1000PC作業750lx以上
オフィス(事務)750JIS Z 9110事務所A
会議室500〜750調光対応が理想
製図・製版1,500局所照明併用
電子部品検査1,500〜3,000色温度5000K以上
手術室1,000(無影灯5万〜10万)専用医療照明
倉庫・物流100〜200ピッキング時500lx
店舗一般500〜750商品陳列は1000lx以上
ショーウィンドウ2,000〜5,000屋外周辺光との対比
学校教室300〜500黒板面500lx
体育館300〜500公式競技は750lx以上
駅ホーム75〜150階段は100lx以上

労働安全衛生規則の最低照度

労働安全衛生規則第604条は、作業場の最低照度を作業の内容ごとに規定しています。JIS推奨値は「快適に働ける水準」、規則の値は「これを下回ってはならない法定最低」です。

作業区分最低照度該当例
精密作業300 lx以上組立・検査・電子部品
普通作業150 lx以上事務・機械操作
粗な作業70 lx以上荷役・倉庫・清掃

2022年12月の改正で、これまでの「精密300/普通150/粗70」の3区分が2024年12月から見直され、事務所照明の推奨値が引き上げられました(労働安全衛生規則第604条・事務所衛生基準規則第10条)。事務室は300 lx以上が最低ラインで、JIS Z 9110推奨750lxに合わせる設計が主流です。

光源別 光束・ワット数換算

電球選定の際は「W」ではなく「lm」で選ぶのが基本です。LEDと白熱電球のW→lm変換効率は約6〜10倍違います。

光源種類発光効率 lm/W60W白熱球相当の消費電力
白熱電球10〜1560W(810lm)
ハロゲン電球15〜25約40W
電球型蛍光灯50〜70約13W
LED電球(一般)80〜110約8W
LED電球(高効率)120〜150約6W
LED直管(オフィス)130〜170

日本電球工業会「電球形LEDランプ性能表示のガイドライン」により、LED電球パッケージには「白熱球◯W相当」のlm換算値が明記されます(40W形485lm/60W形810lm/100W形1520lm等)。

部屋広さ別 必要光束早見表(メイン照明で目標照度を確保)

目標照度×床面積×補正係数(天井反射・器具効率考慮の実用係数1.5〜2.0)で必要光束を算出します。

部屋広さ150lx(リビング)500lx(書斎)750lx(オフィス)
4.5畳(約7.4m²)約2,200 lm約7,400 lm約11,100 lm
6畳(約9.9m²)約3,000 lm約9,900 lm約14,900 lm
8畳(約13.2m²)約4,000 lm約13,200 lm約19,800 lm
10畳(約16.5m²)約5,000 lm約16,500 lm約24,800 lm
12畳(約19.8m²)約5,900 lm約19,800 lm約29,700 lm
14畳(約23.1m²)約6,900 lm約23,100 lm約34,700 lm

1畳=1.65m²で計算。日本照明工業会「住宅用LED照明器具の適用畳数表示ガイドライン」では、6畳用シーリングライトは2,700〜3,700 lmと規定されており、書斎レベルの照度がほしい場合は8〜10畳用相当を選定するのが目安です。

色温度と照度の組み合わせ設計

照度lxに加えて色温度K(電球色〜昼光色)と演色性Ra(自然光との近さ)を組み合わせることで、目的に応じた最適な照明環境を実現できます。

用途色温度照度演色性Ra
就寝前寝室2500〜2700K(電球色)10〜30lxRa80以上
リビングくつろぎ2700〜3000K(電球色)150〜300lxRa80以上
ダイニング3000〜3500K(温白色)300〜500lxRa90以上(食品色)
キッチン4000〜5000K(白色〜昼白色)500〜1000lxRa90以上
書斎・在宅ワーク5000K(昼白色)500〜1000lxRa85以上
オフィス事務5000〜6500K(昼白色〜昼光色)750lx以上Ra80以上
製図・検査5000〜6500K(昼白色〜昼光色)1500lx以上Ra95以上
手術室4500〜5000K1000lx(無影灯5万)Ra95以上
絵画鑑賞・美術館3000〜3500K75〜150lxRa95以上
店舗商品陳列3000〜4000K(商品による)750〜2000lxRa90以上

演色性Ra100が理想の自然光。Ra80以下は「色が正確に見えない」レベルで、食品売り場・美術館・手術室には不適格です。JIS Z 9112で色温度分類、JIS Z 8726で演色性評価が規定されています。

こんな人に役立つ

在宅ワーカー・フリーランス

PC作業は目の疲れを避けるため500〜750lxが推奨。天井照明だけでは足りず、デスクライト(局所照明)を併用するのが基本。厚労省「情報機器作業の労働衛生管理」も参照。

受験生の親

デスク上1000lx、部屋全体500lxの2灯構成が推奨。文部科学省「学校施設の照明環境」でも指示光と反射光の均斉度を重視。

店舗オーナー

商品ディスプレイ・レジ・バックヤードの照度差設計。JIS Z 9110の店舗基準に基づき、視認性と省エネのバランス調整。

工場・倉庫の安全衛生担当

労働安全衛生規則の最低照度を満たすためのlx測定と照明選定。事務所衛生基準規則の300lx以上に対応した設計。

高齢者宅の照明見直し

加齢に伴い必要照度は増加。60歳以上は同じ視作業で20代の2倍の照度が必要(CIE報告)。転倒防止のため玄関・廊下・階段の照度確保が重要。

写真・動画撮影者

被写体照度で露出決定。物撮り500〜1000lx、人物撮影500〜1500lx、商品撮影のカラーマッチングでは高演色(Ra90以上)を選定。

よくある間違い・注意点

  • 「W数だけで明るさを判断」 — 白熱球60Wは810lm、LED8Wでも810lmで同じ明るさ。電球はlmで比較しないと8倍の消費電力差になります。
  • 畳数表示を信じすぎる — 「6畳用」の照明でも設置環境(天井高・壁反射・家具色)で実測lxは大きく変わります。300lx目標なら実測で確認してください。
  • 「明るいほど良い」誤解 — 過剰照度はグレア(まぶしさ)・目の疲労・電力浪費の原因。特に寝室・リビングは低め+局所照明のほうが快適。
  • 色温度と照度の混同 — 色温度K(3000K/5000K)は光の色合い、照度lxは明るさで別概念。同じlxでも色温度が高いほうが見た目には明るく感じます。
  • 逆二乗則の無視 — 点光源では距離2倍で照度1/4に。デスクライトは光源と手元の距離30〜50cmが基本。
  • 作業面と床面照度の混同 — JIS推奨照度は「作業面(机上0.85m高)」の値。床面照度ではないため測定位置に注意。
  • 労働安全衛生規則の改正見落とし — 2024年12月から事務所は300lx以上が最低。旧基準の150lx設計は違反リスク。

関連する規格・法令

  • JIS Z 9110 ― 照明基準総則。住宅・オフィス・工場・商業施設・屋外の推奨照度・均斉度・不快グレア基準を規定。
  • JIS Z 9125 ― 屋内作業場の照明基準。ISO 8995相当。
  • JIS C 7801 ― 一般照明用光源の測光方法。
  • 労働安全衛生規則 第604条 ― 作業場の最低照度(精密300/普通150/粗70)。
  • 事務所衛生基準規則 第10条 ― 事務所の照度基準(2024年12月改正で300lx以上)。
  • 学校保健安全法 学校環境衛生基準 ― 教室・黒板面300〜500lx、書見面300lx以上。
  • CIE 015 ― 国際照明委員会の測色標準。
  • IES Lighting Handbook ― 北米照明学会。米国におけるlx/fc設計の実務標準。
  • 省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律) ― 照明機器のトップランナー制度対象。

参考文献・公的資料

※本ページの計算結果および照度データは概算値です。実際の照明設計・法定検査に用いる場合は、上記公的機関の最新の一次資料および校正済み照度計(JIS C 1609-1準拠)による実測結果を優先してください。労働安全衛生法・事務所衛生基準規則の適用が必要な事業場では、安全衛生管理者・産業医の判断を仰いでください。

よくある質問(FAQ)

lxとfcはどちらが正式?

SI単位はlx(ルクス)で、日本・EU・国際規格の標準です。fc(フットキャンドル)は主に米国・英連邦で使用。1 fc = 10.764 lxで相互換算可能。海外資料や輸入器具のスペックシートを読む際は必ず単位を確認してください。

読書に必要な照度は?

JIS Z 9110推奨は500〜750lx。ただし加齢とともに必要照度は増え、60歳以上は同じ視作業で20代の2倍程度必要(CIE報告)。デスクライトを併用し手元1000lxを目指すのが理想です。

60W白熱球と何lmのLED電球が同等?

60W白熱球=810lm。LED電球パッケージの「60W形相当」の目安は日本電球工業会ガイドラインで810lm以上と規定されています。40W形は485lm、100W形は1520lmが目安。

オフィス照明の法定最低は?

2024年12月改正の事務所衛生基準規則第10条により、事務所の照度は300lx以上が最低ライン。JIS Z 9110推奨750lxに合わせる設計が主流で、労働生産性・目の疲労軽減の観点でも750lxが推奨されます。

直射日光は何lx?

真夏正午の直射日光は約100,000lx、晴天の日陰10,000lx、曇天2,000〜10,000lx。屋内で自然光を活用する場合、南向きの窓辺は500〜2,000lxで書斎に十分な明るさが得られます。

寝室は暗いほうがいい?

就寝1時間前は10〜30lx、色温度2700K以下の電球色が推奨。強い光(特に青系5000K)はメラトニン分泌を抑制し睡眠質が低下します(厚労省「健康づくりのための睡眠指針」)。

畳数表示だけで大丈夫?

日本照明工業会ガイドラインの畳数表示は「約150lx確保」を前提。書斎・在宅ワークで500lx以上ほしい場合は表示畳数より1〜2ランク大きい器具を選ぶか、局所照明を追加してください。

照度と輝度の違いは?

照度lxは「面が受ける光の量」、輝度cd/m²は「面が発する(反射する)光の強さ」。同じ照度でも壁の色(反射率)で見た目の明るさ(輝度)は変わります。学校・オフィスは反射率50%以上の壁色が推奨。

ルクスメーターは何を買えばいい?

JIS C 1609-1準拠、V(λ)フィルタ搭載の一般型で3,000〜10,000円。5,000円クラスで実測±10%程度の精度。スマホアプリはカメラのISO/シャッター推定で±30%の誤差があり、法定検査には使えません。

色温度と照度、どちらが重要?

目的に応じて両方重要。作業(3500〜5000K・500lx以上)、リラックス(2700〜3000K・150lx以下)、集中(5000K以上・750lx以上)と組み合わせて設計します。

間接照明でも照度は確保できる?

間接照明は天井・壁の反射光を利用するため直接照明の40〜60%の効率。同じ照度を得るには1.5〜2倍の光束が必要ですが、グレアが少なく作業性・美観に優れます。

屋外照明の基準は?

JIS Z 9111(道路照明基準)、JIS Z 9127(歩行者道路の照明)で規定。駐車場20〜50lx、歩道5〜20lx、公園入口3〜10lxが目安。防犯効果は5lx以上で顔識別が可能とされます。