団体旅行割引
団体旅行の割引率を人数から概算する無料電卓。人数別の早見表と、受注型企画旅行の取消料・契約責任者(幹事)の立場・貸切バスの運賃制度までまとめています。
団体旅行割引ツール
計算式と前提
割引率(%) = 30人以上→20/15〜29人→15/8〜14人→10/それ未満→5
既定値は10人で、割引率は10%と出ます。この4段階の数値は本ツールが置いた前提値で、特定の運送機関の運賃表や旅行会社の料金表から取ったものではありません。人数が増えるほど率が上がる形にしているのは、貸切のバスやガイドのように「1台いくら」「1人いくら」で決まる固定費を頭割りできるからです。逆に航空券や入場料のように1人ずつかかる費目は人数が増えても単価が下がりません。入力できる人数は4〜100人です。
人数別の割引率 早見表
| 人数 | 割引率(計算機の出力) | 10万円の旅行なら1人あたり | 同じく団体全体の差額 |
|---|---|---|---|
| 4人 | 5% | 95,000円 | 20,000円 |
| 7人 | 5% | 95,000円 | 35,000円 |
| 8人 | 10% | 90,000円 | 80,000円 |
| 14人 | 10% | 90,000円 | 140,000円 |
| 15人 | 15% | 85,000円 | 225,000円 |
| 29人 | 15% | 85,000円 | 435,000円 |
| 30人 | 20% | 80,000円 | 600,000円 |
| 50人 | 20% | 80,000円 | 1,000,000円 |
| 100人(入力の上限) | 20% | 80,000円 | 2,000,000円 |
「割引率」の列は計算機に同じ人数を入れたときの出力と同じ値です。右の2列は、定価10万円の旅行に同じ率を当てはめた場合の参考値で、計算機は出力しません。
受注型企画旅行(国内旅行)の取消料の上限
| 解除の時期 | 取消料の上限 |
|---|---|
| 契約書面に企画料金の金額が明示されている場合の、下記より前の解除 | 企画料金に相当する金額 |
| 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日目(日帰り旅行は10日目)以降 | 旅行代金の20%以内 |
| 同じく7日目以降 | 旅行代金の30%以内 |
| 旅行開始日の前日 | 旅行代金の40%以内 |
| 旅行開始当日 | 旅行代金の50%以内 |
| 旅行開始後の解除または無連絡不参加 | 旅行代金の100%以内 |
観光庁「標準旅行業約款」受注型企画旅行契約の部 別表第一(国内旅行)より。団体旅行は依頼を受けて旅行会社が計画をつくる受注型にあたることが多く、この表が目安になります。船舶を利用する場合は当該船舶の取消料の規定によります。実際の金額は契約書面に明示されます。
詳しい解説
団体になると1人あたりの負担が下がるのは、値引きというより費用の構造によるものです。旅行の費用は、人数に比例して増える部分と、人数が変わってもほとんど動かない部分に分かれます。前者は航空券、入場料、食事、宿泊の人数分です。後者は貸切バス1台、ガイド1人、会場や宴会場1室といった単位で発生する費用で、これは参加者が何人いても総額がほぼ同じなので、頭割りの分母が大きくなるほど1人あたりが下がります。人数が増えるほど率が上がる階段状の設定になっているのは、この固定費の比率が人数とともに小さくなる動きをざっくり表したものです。したがって固定費の少ない旅程では、人数を集めても1人あたりはあまり下がりません。
実務で判断が分かれるのは、旅行会社に企画から一括で頼むか、交通と宿を自分たちで個別に押さえるかという点です。前者は依頼を受けて計画をつくる受注型企画旅行にあたり、旅程管理や変更が生じたときの対応が契約に含まれる代わりに企画料金がかかります。後者は手配旅行になり、単価は下がりやすいものの、遅延や欠員が出たときの調整は幹事が背負います。参加者が高齢の場合や行程が複雑な場合は前者、行程が単純で参加者が慣れている場合は後者、というように旅程の難易度で決めるほうが、価格だけで決めるより結果が安定します。
見落とされやすいのが、取消料の起点と幹事の立場です。標準旅行業約款の受注型企画旅行契約の部では、契約書面に企画料金の金額が明示されている場合、旅行開始日の20日前より前に解除しても企画料金に相当する金額が取消料になると定められています。日帰り旅行は10日前が起点です。また団体・グループ契約では、代表者である契約責任者が構成者の契約締結に関する一切の代理権を有しているとみなされ、旅行会社が定める日までに構成者の名簿を提出する義務を負います。旅行会社は、契約責任者が構成者に対して負う債務や義務については責任を負わないとされているため、参加費を集めきれなかったときの穴は幹事に残ります。
交通手段によっても事情が違います。貸切バスは平成26年4月1日から新しい運賃・料金制度が実施されており、各地方運輸局が公示する範囲内で運賃・料金が定められます。安全に関わる費用を反映させる趣旨の制度なので、極端に安い見積もりが出てきたときは中身を確かめる必要があります。国土交通省は不適正な運賃・料金に関する通報窓口を設けています。人数の集め方にも注意が必要で、当日の欠員が出ても貸切の費用は減らないため、頭割りの単価は事前に想定した人数より高くなります。参加費を決めるときは、欠員が数名出ても赤字にならない人数で計算しておくと安全です。
よくある間違い・注意点
- この割引率を実際の運賃制度だと思う — 4段階の数値は本ツールが置いた前提値で、特定の運送機関の運賃表や旅行会社の料金表に基づくものではありません。人数と1人あたり負担の関係をつかむための道具として使ってください。
- 人数を集めれば必ず安くなると考える — 安くなるのは貸切バスやガイドのように頭割りできる費目だけです。航空券や入場料は人数分そのまま増えるため、固定費の少ない旅程では人数を増やしても1人あたりはあまり下がりません。
- 直前まで無料でキャンセルできると考える — 受注型企画旅行では、契約書面に企画料金が明示されていれば20日前より前の解除でも企画料金相当額がかかります(日帰りは10日前が起点)。実際の金額は契約書面に明示されます。
- 幹事が個人で立て替える — 団体・グループ契約では契約責任者が構成者を代理する立場になり、旅行会社は契約責任者と構成者の間の債務には責任を負いません。集金の時期と方法を先に決めておく必要があります。
- 見積もりの安さだけで貸切バスを選ぶ — 貸切バスの運賃・料金は各地方運輸局の公示の範囲内で定めることになっています。極端に安い見積もりは内訳を確認してください。国土交通省に通報窓口があります。
参考資料・出典
- 観光庁 標準旅行業約款(告示) ― 受注型企画旅行契約の部 第21〜22条(団体・グループ契約)、別表第一(取消料)
- 観光庁 旅行業法及び省令等 ― 旅行業法・施行規則・告示・通達の一覧
- e-Gov法令検索 旅行業法 ― 第2条(旅行業の定義)、第8条(営業保証金)、第48条(弁済業務保証金の還付)
- 国土交通省 貸切バスの運賃・料金に関する通報窓口 ― 平成26年4月1日からの運賃・料金制度と、各運輸局の公示に関する案内
- 観光庁 旅行・観光消費動向調査 ― 第14表。2025年確報の宿泊旅行1人1回当たり旅行支出は個人旅行69,128円、パック・団体旅行112,560円
- 日本旅行業協会 ― 旅行業に関する相談窓口と業界情報
- 全国旅行業協会 ― 旅行業に関する相談窓口と業界情報
- 国民生活センター ― 団体旅行の解約や集金をめぐる相談事例
- 観光庁 ― 旅行業の登録制度と旅行者保護の枠組み
- 国土交通省 航空 ― 航空輸送に関する制度の情報
よくある質問(FAQ)
この割引率はどこから来た数字ですか?
本ツールが置いた前提値で、特定の運送機関の運賃表や旅行会社の料金表に基づくものではありません。人数が増えると頭割りできる費目の比率が下がる、という関係を階段状に表しただけの目安です。実際の見積もりは依頼先に確認してください。
何人から団体扱いになりますか?
運送機関や宿泊施設ごとに定めが違うため、全国共通の人数の線はありません。この計算機は8人以上で率が一段上がる設定にしていますが、これも前提値です。旅行会社に依頼する場合は、団体・グループ契約として代表者(契約責任者)を立てる形になります。
団体旅行のほうが個人旅行より安いのですか?
一概には言えません。観光庁の旅行・観光消費動向調査(2025年確報 第14表)では、宿泊旅行の1人1回当たり旅行支出は個人旅行69,128円に対しパック・団体旅行112,560円です。これは割引の有無ではなく、パッケージに交通・宿泊・食事などがまとめて含まれることによる違いで、旅行の中身そのものが異なります。
キャンセルするといくらかかりますか?
観光庁の標準旅行業約款(受注型企画旅行契約の部・国内旅行)では、旅行開始日の前日から起算して20日目(日帰り旅行は10日目)以降で旅行代金の20%以内、7日目以降で30%以内、前日で40%以内、当日で50%以内、旅行開始後は100%以内が上限です。契約書面に企画料金が明示されている場合は、これより前の解除でも企画料金相当額がかかります。
幹事は何をすることになりますか?
団体・グループ契約では、代表者が契約責任者となり、構成者の契約締結に関する一切の代理権を有しているとみなされます。旅行会社が定める日までに構成者の名簿を提出する義務があり、旅行会社は契約責任者が構成者に対して負う債務には責任を負いません。集金の期限と方法を先に決めておくと安全です。
貸切バスの見積もりが会社によって大きく違うのはなぜですか?
貸切バスは平成26年4月1日から新しい運賃・料金制度が実施されており、各地方運輸局が公示する範囲内で運賃・料金を定めることになっています。時間や走行距離、季節によって額が変わります。極端に安い見積もりは内訳を確認してください。国土交通省に通報窓口があります。
当日に欠員が出たら1人あたりの負担はどうなりますか?
貸切バスや会場のように1台・1室単位でかかる費用は欠員が出ても減りません。頭割りの分母だけが小さくなるので、1人あたりの負担は上がります。参加費を決めるときは、数名の欠員が出ても赤字にならない人数で計算しておくと安全です。
学校行事や社員旅行でも同じ考え方でよいですか?
費用の構造は同じですが、契約の形が異なることがあります。学校や企業が主催する場合は受注型企画旅行として旅行会社に計画から依頼する形が一般的で、旅程管理や変更時の対応が契約に含まれる代わりに企画料金がかかります。契約条件は書面で確認してください。