フライトCO2
飛行機に乗ったときのCO2排出量を試算する無料電卓。片道距離・座席クラスから、乗客1人あたりの排出量(kg)を算出します。
フライトCO2ツール
計算式
CO2排出量(kg)= 片道距離(km)× 0.15kg ×クラス係数
クラス係数:エコノミー1.0/プレミアムエコノミー1.6/ビジネス2.9/ファースト4.0
既定値は「1,000km・エコノミー」なので、1,000×0.15×1.0=150kgです。同じ距離をビジネスで飛ぶと2.9倍の435kg、ファーストなら4.0倍の600kgになります。表示は片道あたりの値なので、往復なら2倍してください。
クラス係数は、英国政府(エネルギー安全保障・ネットゼロ省)が公表する2024年版の温室効果ガス換算係数の比率に合わせています。同資料の国際線(英国以外の発着)ではエコノミー0.13465に対し、プレミアムエコノミー0.21542(1.6倍)、ビジネス0.39044(2.9倍)、ファースト0.53854(4.0倍)と定められています。座席が広いほど1人あたりが占める床面積が大きく、同じ機体の排出量をより少ない人数で分け合うことになるためです。
早見表
片道距離と座席クラス別のCO2排出量(片道1人あたり・kg)
| 片道距離 | エコノミー | プレミアムエコノミー | ビジネス | ファースト |
|---|---|---|---|---|
| 500km | 75kg | 120kg | 218kg | 300kg |
| 1,000km | 150kg | 240kg | 435kg | 600kg |
| 2,000km | 300kg | 480kg | 870kg | 1,200kg |
| 5,000km | 750kg | 1,200kg | 2,175kg | 3,000kg |
| 10,000km | 1,500kg | 2,400kg | 4,350kg | 6,000kg |
1,000kmを移動したときの交通手段別の排出量
| 交通手段 | 排出原単位 | 1,000kmあたり |
|---|---|---|
| 本ツールの前提(エコノミー) | 150 g/人km | 150kg |
| 自家用乗用車 | 125 g/人km | 125kg |
| 航空(国内旅客の平均) | 91 g/人km | 91kg |
| バス | 57 g/人km | 57kg |
| 鉄道 | 17 g/人km | 17kg |
航空・自家用乗用車・バス・鉄道の原単位は、国土交通省が公表している2024年度の「輸送量当たりの二酸化炭素の排出量(旅客)」の値です。鉄道は航空のおよそ5分の1にあたります。
本ツールの前提と、公表されている換算係数の比較(kg-CO2e/人km)
| 区分 | エコノミー | プレミアムエコノミー | ビジネス | ファースト |
|---|---|---|---|---|
| 本ツールの前提 | 0.150 | 0.240 | 0.435 | 0.600 |
| 長距離国際線・英国発着(非CO2効果を含む) | 0.20011 | 0.32015 | 0.58028 | 0.80040 |
| 国際線・英国以外の発着(非CO2効果を含む) | 0.13465 | 0.21542 | 0.39044 | 0.53854 |
| 長距離国際線・英国発着(非CO2効果を除く) | 0.11812 | 0.18897 | 0.34252 | 0.47246 |
本ツールのエコノミー150g/人kmは、非CO2効果を含めた値と含めない値のあいだに位置します。企業の温室効果ガス報告など、根拠を示す必要がある用途では、この表の公表値をそのまま使うか、自社が採用している算定基準の係数を使ってください。
詳しい解説
飛行機の排出量が距離への比例で近似できるのは、巡航中の燃料消費が飛行時間にほぼ比例するからです。ただし現実の1kmあたりの排出量は一定ではありません。離陸と上昇では巡航中の何倍もの推力が要り、この分は距離が短いほど全体に占める割合が大きくなります。国土交通省が公表している2024年度の値では、国内旅客航空の平均は91g/人kmで、自家用乗用車の125g、バスの57g、鉄道の17gと並びます。本ツールが置いている150gはこれより大きい数字ですが、これは国際線を含む長距離の水準と、座席クラスによる差を織り込んだ前提値だからです。
実務で最も判断が分かれるのが、非CO2効果を計算に入れるかどうかです。航空機は高高度で排出するため、二酸化炭素そのもの以外に、水蒸気や窒素酸化物、飛行機雲による温暖化への寄与があるとされています。英国政府が公表している換算係数は、この効果を含めた値と含めない値の両方を並べており、長距離国際線のエコノミーでは0.20011と0.11812、およそ1.7倍の開きがあります。本ツールの0.150は両者のあいだにあたります。
見落とされやすいのは、座席クラスの係数が「機内での快適さ」ではなく「1人が占める床面積」で決まっている点です。同じ機体が飛べば排出量は変わりませんが、その量を何人で分け合うかが席の広さで変わります。ビジネスクラスの2.9倍は、おおむね2.9人ぶんの空間を1人で使うという意味です。同じ理屈で、搭乗率が低い便ほど1人あたりの数字は悪くなります。さらに、本ツールの表示は片道です。往復なら2倍、乗り継ぎがあるなら区間ごとに足し合わせてください。
条件による違いも大きく出ます。国内線は距離が短く離着陸の比重が高いため、1kmあたりでは長距離国際線より不利になります。逆に長距離便は、巡航時間が長いぶん1kmあたりの効率がよくなります。代替手段との比較では、鉄道が航空のおよそ5分の1という関係が目安になり、国内の中距離移動では選択の余地があります。ただし所要時間や運賃、そもそも路線があるかどうかという条件と切り離しては考えられません。
最後に、カーボンオフセットの位置づけです。オフセットは、他の場所での削減量や吸収量を購入して自分の排出を埋め合わせる仕組みで、排出そのものが無くなるわけではありません。国際的には、国際民間航空機関が国際線を対象とする枠組みを運用しています。購入する場合は、どの基準で認証されたクレジットかを確認してください。順序としては、便を減らす、直行便を選ぶ、クラスを上げないといった削減が先で、残った分をオフセットするという考え方が一般的です。
よくある間違い・注意点
- 片道の値を往復と勘違いする。本ツールの表示は片道1人あたりです。往復なら2倍、乗り継ぎがあるなら区間ごとに距離を足して計算してください。
- 前提の違う数字どうしを比べる。非CO2効果を含めるかどうかで、長距離国際線のエコノミーは0.20011と0.11812、約1.7倍の差が出ます。他のサイトの結果と食い違うときは、まず前提を確認してください。
- 国内線に長距離の係数を当てる。国土交通省の2024年度の値では、国内旅客航空の平均は91g/人kmです。本ツールの150gは国際線とクラス差を織り込んだ前提値なので、国内線だけを見たいときは大きめに出ます。
- ビジネスクラスの係数を機内サービスの差だと考える。係数は座席が占める床面積の比です。同じ機体の排出量を少ない人数で分け合うため、1人あたりが増えます。
- オフセットで排出が消えると考える。オフセットは他の場所の削減量を購入する仕組みで、排出そのものは残ります。まず減らし、残った分を埋め合わせるという順序で考えてください。
参考資料
- 国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」(輸送量当たりの排出量・2024年度:自家用乗用車125/航空91/バス57/鉄道17 g-CO2/人km)
- 国土交通省(航空輸送統計)
- 環境省(温室効果ガス排出量の算定と公表)
- 環境省「温室効果ガス排出量及び吸収量等の算定と報告」(算定・報告・公表制度)
- 国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス(日本の温室効果ガス排出量データ)
- 英国政府 温室効果ガス換算係数 2024年版(座席クラス別・非CO2効果を含む/含まない係数)
- 国際民間航空機関(ICAO)(国際線を対象とする排出量の枠組みと算定手法)
- 資源エネルギー庁(エネルギー消費と排出係数)
- 気象庁(温室効果ガス濃度の観測)
- 経済産業省(カーボンクレジットに関する制度)
よくある質問(FAQ)
この150g/人kmという数字はどこから来ていますか?
国際線を含む長距離の水準と座席クラスの差を織り込んだ前提値です。国土交通省が公表する2024年度の国内旅客航空の平均は91g/人km、英国政府の2024年版換算係数では長距離国際線エコノミーが非CO2効果込みで0.20011kg、除いて0.11812kgです。本ツールの0.150はこれらのあいだに位置します。
座席クラスで排出量が変わるのはなぜですか?
1人が占める床面積が違うためです。同じ機体が飛べば排出量は同じですが、それを何人で分け合うかが席の広さで変わります。英国政府の2024年版換算係数では、エコノミー1.0に対しプレミアムエコノミー1.6、ビジネス2.9、ファースト4.0と定められており、本ツールもこの比率を使っています。
往復の排出量はどう計算しますか?
表示は片道1人あたりなので2倍してください。乗り継ぎがある場合は、区間ごとの距離を足し合わせて入力します。直行便より遠回りになるぶん、実際の飛行距離は地図上の直線距離より長くなります。
新幹線や車と比べるとどれくらい違いますか?
国土交通省の2024年度の値では、鉄道17g/人km、バス57g、自家用乗用車125g、航空91gです。鉄道は航空のおよそ5分の1にあたります。1,000kmの移動なら鉄道17kg、バス57kg、自家用車125kg、航空91kgという計算になります。
カーボンオフセットの相場はどれくらいですか?
クレジットの種類と認証基準によって幅が大きく、一律の相場を示すことはできません。購入する場合は、どの基準で認証されたものか、二重計上を防ぐ仕組みがあるかを確認してください。オフセットは他の場所の削減量を購入する仕組みで、自分の排出が消えるわけではありません。
航空会社によって差はありますか?
機材の世代と座席配置、搭乗率で差が出ます。新しい機材ほど燃費がよく、座席を詰めた配置ほど1人あたりは小さくなります。搭乗率が低い便では1人あたりの数字が悪くなります。本ツールは平均的な前提で計算しているため、便ごとの差までは反映していません。
非CO2効果とは何ですか?
高高度で排出することで生じる、二酸化炭素以外の温暖化への寄与です。水蒸気や窒素酸化物、飛行機雲などが挙げられます。英国政府の換算係数はこれを含めた値と含めない値の両方を公表しており、長距離国際線エコノミーでは約1.7倍の開きがあります。どちらの前提かで結論が変わります。
企業の排出量報告にこの数字を使えますか?
そのままの使用はおすすめしません。本ツールは前提を単純化した概算です。報告用途では、自社が採用している算定基準の係数か、公表されている換算係数をそのまま使ってください。制度上の取り扱いについては、環境省の算定・報告・公表制度の案内や、担当の専門家にご確認ください。