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南極ツアー

日数を入れると南極クルーズのおおよその総額を出します。費用の内訳のほか、日本人が南極へ行くときに必要な法律上の手続と、上陸人数の上限まで整理します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

南極ツアーツール

計算式と前提

合計 = 日数 × 100,000円 + 500,000円

既定値の10日では、100,000円×10日=1,000,000円に南米往復の航空券分500,000円を足して、1,500,000円と表示されます。日数を1日増やすごとに100,000円ずつ増える単純な形です。

日額の10万円は、耐氷仕様の船で少人数を運ぶ探検クルーズの船賃と船内の食事・上陸活動をまとめた目安、固定の50万円は日本から南米のゲートウェイ都市までの往復航空券の目安として置いています。船室の等級、シーズンの時期、円と外貨の相場で実際の見積もりは上下します。前後泊の宿、防寒装備、旅行保険、船内で頼む有料の活動、乗務員へのチップは含みません。

早見表

日数別の合計(本ツールの出力)

日数船・現地分(日数×10万円)航空券分合計
7日700,000円500,000円1,200,000円
8日800,000円500,000円1,300,000円
10日1,000,000円500,000円1,500,000円
12日1,200,000円500,000円1,700,000円
14日1,400,000円500,000円1,900,000円
18日1,800,000円500,000円2,300,000円
21日2,100,000円500,000円2,600,000円
24日2,400,000円500,000円2,900,000円
30日3,000,000円500,000円3,500,000円

南極観光のルールと手続

項目内容根拠
上陸できない船乗客500人を超える船は乗客を上陸させないIAATO会則
同時に上陸できる人数1か所につき同時に100人までIAATO会則
引率スタッフの比率上陸中は訪問者20人に対しスタッフ1人以上IAATO会則
対象となる区域南緯60度以南の陸域と海域南極環境保護法第3条
日本人に必要な手続南極地域活動計画について環境大臣の確認。締約国の許可を受けて行う活動の場合は、あらかじめ環境大臣へ届出同法第5条
届出をしないで立ち入った場合50万円以下の罰金同法第31条
禁止されている行為南極哺乳類・南極鳥類の捕獲や殺傷、鳥類の卵の採取、生きている生物の持込み、南極史跡記念物の除去・損傷、鉱物資源活動同法第13条・第14条・第20条
違反した場合1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金同法第29条
シーズン南半球の夏にあたる10月から4月。航海の大半は南極半島南極条約事務局

詳しい解説

南極クルーズの費用は、動かせない固定費と日数に比例する変動費に分かれます。固定費の中心は日本から南米のゲートウェイ都市までの往復航空券で、日数を削っても減りません。変動費は船賃で、探検クルーズは耐氷仕様の船を少人数で運航し、燃料と食料を積んだうえで南米から南極まで自力で往復します。定員が少なく航海距離が長いという二重の条件があるため、1人1日あたりの単価は一般的なクルーズよりかなり高くなります。本ツールが日額10万円という置き方をしているのはこのためで、10日なら船・現地分が100万円、これに航空券分50万円を足して150万円という組み立てです。

実務で判断が分かれるのは、船の大きさをどう選ぶかです。単価だけを見れば乗客数の多い船が有利ですが、IAATOの会則は「乗客500人を超える船を運航する事業者は上陸を行わない」「上陸する場合は1か所に同時に100人を超えて上陸させない」「上陸中は訪問者20人に対して引率スタッフ1人以上を保つ」と定めています。つまり大きな船を選ぶと、上陸できないか、できても交代制になって1人あたりの上陸時間が短くなります。南極まで行って船の上から眺めるだけで良いのか、実際に足を着けたいのかで、選ぶべき船の規模が変わるということです。日数についても、南米と南極半島の往復に相当な時間を取られるため、総日数を削ると現地で過ごせる時間の割合が先に削られます。

見落とされやすいのが法律上の手続です。南極地域の環境の保護に関する法律は日本国民と日本の法人に適用され、観光も「南極地域活動」に含まれます。同法第5条第1項は、環境大臣の確認を受けた南極地域活動計画に含まれる活動以外を南極地域で行ってはならないと定めています。締約国の相当法令にもとづく許可を受けて行う活動、たとえば外国のツアー事業者が自国で許可を取って実施する航海に参加する場合は同条第2項で適用除外になりますが、その場合でも第3項により、あらかじめ環境大臣へ届け出なければなりません。この届出をしないまま立ち入ると、第31条により50万円以下の罰金の対象になります。事業者が案内してくれることも多い手続ですが、義務を負うのは参加する本人です。申込みの段階で、日本の届出をどちらが行うのかを確認しておいてください。

現地での行為にも制限があります。南極哺乳類や南極鳥類を捕獲・殺傷すること、鳥類の卵を採取すること、食用の菌類や植物など一部の例外を除いて生きている生物を持ち込むこと、南極史跡記念物を除去・損傷することはいずれも禁じられ、違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。鉱物資源の探鉱・採鉱も原則禁止です。加えて、費用の面では本ツールの金額に含めていない項目が実際には積み上がります。南米での前後泊、防寒具や長靴などの装備、緊急搬送を含む旅行保険、船内で追加料金のかかる活動、乗務員へのチップなどです。船上には常設の医療施設が限られ、天候によっては搬送に日数がかかります。持病がある場合や高齢の場合は、申込み前に主治医へ相談し、加入する保険の補償範囲も確認してください。

よくある間違い・注意点

  • 表示額を「これだけあれば行ける総額」と読む。本ツールは船・現地分と航空券分だけです。南米での前後泊、防寒装備、旅行保険、チップ、船内の有料活動は別に見込んでください。
  • 法律上の手続を事業者任せにする。南極環境保護法は日本国民に適用され、外国の事業者の航海に参加する場合でも環境大臣への事前の届出が必要です。怠ると50万円以下の罰金の対象になります。
  • 大きな船のほうが割安で得だと考える。IAATOの会則では乗客500人を超える船は上陸を行いません。上陸も1か所同時100人までなので、船が大きいほど1人あたりの上陸時間は短くなります。
  • 日数を削れば比例して安くなると考える。南米までの往復航空券は日数を減らしても変わらず、南極半島までの往復航海に必要な日数も削れません。短い日程ほど「移動の割合」が高くなります。
  • 野生動物に近づく、記念に何かを持ち帰る。南極哺乳類・南極鳥類の捕獲や殺傷、卵の採取、生きている生物の持込みは法律で禁じられ、罰則があります。石や骨、史跡の一部を持ち帰ることも認められません。

参考資料

よくある質問(FAQ)

どこの港から出発しますか?

IAATOの案内では、多くのクルーズが南米南部のゲートウェイ港、たとえばアルゼンチンのウシュアイア、チリのプンタアレナス、ウルグアイのモンテビデオから出ています。ロス海側へ向かう航海は数が限られ、オーストラリアのホバートやニュージーランドのリトルトン、ブラフから出発します。

シーズンはいつですか?

南極条約事務局は、観光航海のおよそ98%が南極半島で、10月から4月までの南半球の夏の7か月間に行われるとしています。日程は年ごとに前後するため、実際の運航期間は事業者の案内で確認してください。

どのくらいの大きさの船で行きますか?

IAATOの会則は、乗客500人を超える船を運航する事業者は上陸を行わないと定めています。上陸できるのは1か所につき同時に100人までで、上陸中は訪問者20人に対し引率スタッフ1人以上が必要です。上陸を重視するなら小さめの船が向きます。

日本人が南極へ行くのに手続は必要ですか?

必要です。南極地域の環境の保護に関する法律は日本国民に適用され、観光も南極地域活動に含まれます。環境大臣の確認を受けた計画に含まれる活動以外は行えず、締約国の許可にもとづく航海に参加する場合でも、あらかじめ環境大臣へ届け出る必要があります。

届出をしないで行くとどうなりますか?

同法第31条により50万円以下の罰金の対象になります。手続を事業者が代行してくれる場合もありますが、義務を負うのは参加者本人なので、申込み時にどちらが行うのかを確認してください。

現地で禁止されている行為はありますか?

南極哺乳類・南極鳥類の捕獲や殺傷、鳥類の卵の採取、一部の例外を除く生きている生物の持込み、南極史跡記念物の除去・損傷、鉱物資源活動が禁じられています。違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。

本ツールの金額に含まれていない費用は何ですか?

南米での前後泊、防寒具や長靴などの装備、旅行保険、船内で追加料金がかかる活動、乗務員へのチップ、燃油に関する追加費用などです。船賃と日本から南米への往復航空券に相当する部分だけを見込んだ数字だと考えてください。

健康面で気を付けることはありますか?

船上の医療設備には限りがあり、天候によっては搬送に日数がかかります。持病がある場合や高齢の場合は申込み前に主治医へ相談し、緊急搬送を含む補償が付いた保険に加入しているかを確認してください。