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木造座屈めり込み

木造柱の必要断面寸法計算

樹種・柱の位置・横架材間の距離・負担面積から、木造柱の負担軸力と必要断面積、推奨する柱寸法を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

木造柱の必要断面寸法計算ツール

柱の負担軸力は負担面積×(屋根+積雪+各階の床荷重)で求めます。既定値では6m2×(1,300+0+1,900)=19,200N=19.2 kN。法令上の最小小径は横架材間の垂直距離2,800mmを重い屋根・その他の階の割合28で割って100.0mmです。105mm角なら細長比92.4から座屈低減係数0.376が得られ、許容圧縮応力度は2.44 N/mm2、耐力は26.9kNとなって軸力を上回ります。圧縮応力度は1.74 N/mm2、土台へのめり込み検定比は79.16%です。

無等級材の基準強度(圧縮とめり込み)

樹種圧縮 Fcめり込み Fcv長期の許容圧縮
スギ17.7 N/mm26.0 N/mm26.49 N/mm2
ヒノキ20.7 N/mm27.8 N/mm27.59 N/mm2
ベイマツ22.2 N/mm29.0 N/mm28.14 N/mm2
カラマツ20.7 N/mm27.8 N/mm27.59 N/mm2

柱の小径に対する法令上の割合(一般の住宅)

屋根の重さ最上階・平屋その他の階
瓦など重い屋根1/301/28
金属板など軽い屋根1/331/30
土蔵造など特に重い建築物1/251/22
柱の間隔10m以上・学校等1/25〜1/301/22〜1/25

※参考計算です。規準・示方書・製品仕様は改定されるため、実施設計では最新の告示と材料メーカーの技術資料で確認してください。

木造柱の必要断面寸法計算の詳しい解説

木造柱の寸法が構造計算だけで決まらないのは、法令が横架材間の垂直距離に対する小径の割合を別に定めているためです。実際の住宅では軸力に対する余裕が大きく、圧縮応力度で決まることはまれで、階高と屋根の重さから導かれる最小小径が寸法を支配します。階高を上げると必要な小径も比例して大きくなるため、天井を高くする計画では柱を太くするか横架材を増やす判断が必要になります。

判断が分かれるのは負担面積の取り方です。柱の間隔の半分ずつを受け持つと考える方法が基本ですが、床の張り方向や梁の掛け方によって実際の負担は偏ります。通し柱と管柱でも扱いが変わり、隅角部の通し柱は二方向の梁からねじれを受けます。壁の直下にある柱と開口部脇の柱では、上部から伝わる荷重の集中度がまったく違います。伏図で梁のかかり方を確認せずに面積だけで割ると、特定の柱で不足します。

見落とされやすいのが土台へのめり込みです。柱は圧縮で余裕があっても、直交する土台の繊維に対して垂直に力を加えるため、許容応力度が圧縮の3分の1程度しかありません。負担軸力が大きい柱では、柱の断面ではなく土台のめり込みで寸法が決まります。柱脚金物やめり込み防止のプレートを入れる、土台の樹種をヒノキに替えるといった対策が実務では採られます。柱の座屈も、間柱や筋かいで面外に押さえられているかで実質の座屈長さが変わります。

条件による違いも大きく現れます。多雪区域では長期の荷重に積雪の7割を加えるため、同じ間取りでも一般地域より軸力が2割以上増えます。瓦屋根と金属屋根では屋根荷重が1.5倍以上違い、法令上の割合も1段階変わります。3階建てになると許容応力度計算が義務づけられ、この簡易な確認だけでは足りません。最終的な断面は伏図と構造計算に基づき、設計者の判断で決定してください。

実務の進め方としては、伏図で梁の掛け方を確認して負担面積を拾い、階高と屋根仕様から法令上の最小小径を出し、その寸法で軸力とめり込みを確かめる順になります。柱の本数を増やして1本あたりの負担を下げるほうが、断面を大きくするより材料費が下がることもあります。プレカット工場の標準寸法に合わせておくと、加工の手間と納期の面でも有利です。

業界・現場での使い方

木造住宅のプラン検討

階高と屋根仕様を変えたときに柱寸法がどう変わるかを比較します。

リフォームでの柱抜き検討

残す柱の負担面積が増えたときに、現状の寸法で成立するかを確認します。

プレカット前の断面確認

伏図から拾った負担面積で、105角と120角の使い分けを判断します。

既存住宅の耐震診断

柱の小径と階高から法令上の割合を満たしているかを点検します。

よくある間違い・注意点

  • 圧縮応力度だけで判断する — 住宅規模では法令上の最小小径が支配することが多く、計算値だけでは不足します。
  • 土台のめり込みを検討しない — めり込みの許容応力度は圧縮の3分の1程度で、こちらが先に効くことがあります。
  • 負担面積を単純な等分で拾う — 梁の掛け方と床の張り方向で偏るため、特定の柱に荷重が集中します。
  • 多雪区域で積雪を加えない — 長期荷重に積雪の7割が加わり、軸力が2割以上増えます。
  • 座屈長さを柱の実長と決めつける — 間柱や筋かいで面外を押さえていれば短くでき、なければ実長のままです。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

負担面積6m2の2階建1階柱には何mm角が必要ですか?

スギ・瓦屋根・階高2,800mmの条件で最小小径100.0mm、耐力も満たすため105mm角となります。

105角と120角はどう使い分けますか?

階高が高い、屋根が重い、負担面積が大きい場合に120角以上を選びます。通し柱は120角以上とするのが一般的です。

法令上の割合はどこで定められていますか?

建築基準法施行令第43条の表に、屋根の重さと階の位置ごとの割合が定められています。

めり込みの検定比が100%を超えたらどうしますか?

柱の断面を大きくするか、土台をヒノキなど硬い樹種に替えるか、めり込み防止の金物を用います。

通し柱の断面はどう考えますか?

梁のほぞ穴による断面欠損があるため、実断面で検定します。120角以上とし、金物工法で欠損を抑える方法もあります。

集成材を使う場合の基準強度は?

等級区分ごとに基準強度が定められており、無等級材より高い値を採れます。製品の証明書で確認してください。

3階建てでもこの計算で足りますか?

3階建ての木造は許容応力度計算が義務づけられます。この結果は初期検討の目安として使ってください。

積雪1mの多雪区域ではどう変わりますか?

長期に加える積雪荷重として約1,400 N/m2が加算され、負担軸力が2割以上増えます。