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受水槽容量計算機|建物用途・人数別の必要容量とSHASE-S 206準拠の設計判断

受水槽の必要容量を、建物用途・人数から瞬時に算出する無料電卓。戸建・マンション・オフィス・学校・病院・ホテル・工場の1人1日使用水量プリセットに対応。空気調和・衛生工学会規格 SHASE-S 206「給排水衛生設備規準」および建築設備設計基準(国土交通省)で示される1日使用水量の40-60%を貯留する設計原則、水道法・簡易専用水道としての年1回法定検査、清掃・水質検査までを設計者・ビル管理者向けに整理します。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

受水槽容量ツール

計算式と設計原則

基本式

1日使用水量 = 1人1日使用水量 × 給水人員
受水槽有効容量 = 1日使用水量 × 0.4〜0.6

受水槽有効容量は「オーバーフロー管の下端」から「揚水ポンプの吸込みレベル(LWL)」までの体積を指します。

これは設計上の給水源として活用可能な水量で、槽の物理的な内容積そのものではありません。

国土交通省「建築設備設計基準」および空気調和・衛生工学会 SHASE-S 206では、1日使用水量の40〜60%(概ね1/2)を目安に貯留するとされています。

高置水槽がある場合はさらに1日使用水量の10%程度を高置側で確保し、受水槽側は40〜50%に減らす設計も一般的です。

なぜ「使用量の半分」なのか

受水槽を大きくしすぎると滞留時間が長くなり残留塩素が消失し、水質基準(水道法4条・水質基準に関する省令)を割り込むリスクが高まります。

逆に小さすぎると断水時のバッファがなくなり、給水ポンプの発停頻度が上がって寿命を縮めます。

滞留時間の目安は12時間以内で、これを超える設計は水質面から避けるのが原則。

夏場・停電時のバックアップとして半日分を持つのが実務上の落としどころとなります。

ポンプ直送方式との使い分け

近年は受水槽なしのポンプ直送方式(増圧直結給水)水道直結方式も普及し、水質・省スペースの観点で採用が増えています。

ただし、災害時の断水耐性・使用量ピーク吸収・非常用飲料水確保の観点から、50戸以上の集合住宅、病院、学校、ホテル、大規模オフィスでは受水槽方式が今も主流です。

選定時は水道事業者との事前協議、建物用途、想定される災害シナリオまで含めて総合判断が必要です。

本ページのポイント

受水槽容量の設計原則は「1日使用水量の40〜60%」で、10㎥超は簡易専用水道として年1回法定検査が義務化されます。用途別1人1日使用水量・設計事例・ライフサイクルコスト・水質基準まで実務目線でまとめました。

建物用途別 1人1日使用水量

設計計算に用いる1人1日平均使用水量の目安は、SHASE-S 206および建築設備設計基準に示されています。

実務では以下の表をベースに、施主ヒアリング・類似物件の実測データで補正することが標準的な進め方となります。

実測ベースの値も含めて整理します。

建物用途1人1日使用水量備考
戸建住宅200〜400 L/人4人家族で1,000L前後(東京都水道局公表値)
集合住宅(マンション)200〜350 L/人標準250L、ファミリー層は300L目安
事務所ビル60〜100 L/人執務時間8時間、飲料・洗面・便所主体
ホテル(宿泊)350〜450 L/人浴室・厨房用水込み
ホテル(客層別)500L/客室ビジネスホテル基準
病院500〜1,000 L/床透析・検査室ある場合は増量
診療所200〜400 L/床
小学校70〜100 L/人プール除く
中・高等学校80〜100 L/人
大学60〜100 L/人研究室ある場合増量
レストラン55〜130 L/食厨房用水込み
スーパー・百貨店15〜30 L/㎡売場面積基準
工場60〜100 L/人+工程用水製造プロセスにより大きく変動
老人ホーム250〜400 L/人入浴・洗濯多い

実際の設計では、施主ヒアリング・類似物件の実測データ・上水道局への協議で数値を確定します。

日最大時使用水量は日平均の1.5〜2.0倍を、時間最大使用水量は日平均の2.0〜4.0倍を見込むのが一般的です。

これらのピーク係数は建物用途で大きく変わり、ホテル・病院では時間最大が3.0倍、事務所では2.5倍程度が実測値として報告されています。

設計時にこれらの係数を軽視すると、朝夕のピーク時に水圧低下・断水が発生するトラブルの原因となります。

簡易専用水道の法定検査

水道事業者から供給を受け、受水槽の有効容量が10㎥(10,000L)を超える施設は、水道法第3条第7項に基づく「簡易専用水道」に該当します。

これはマンション・オフィスビル・学校・病院等の中規模以上の建物のほとんどが対象となり、日本の給水設備管理の中核を占める制度です。

設置者には次の管理義務が課せられます。

年1回以上の清掃

受水槽内部の清掃を、厚生労働大臣の登録を受けた「貯水槽清掃業者」に委託。水槽内のスラッジ除去・内壁洗浄・消毒(次亜塩素酸ナトリウム50〜100mg/L)が標準工程。清掃記録は3年間保存が義務。

年1回の法定検査

「簡易専用水道の管理に係る検査」を、厚生労働大臣登録の検査機関に依頼。水質検査(色・濁り・臭い・味・残留塩素)、施設検査(水槽・給水栓・配管状態)、書類検査の3項目。検査料は3〜5万円が相場。

水質異常時の対応

色・濁り・臭味等の異常を認めたときは直ちに水質検査を実施。健康被害の恐れがある場合は給水を停止し利用者に周知する義務。所轄の保健所への報告も必要。

10㎥以下の小規模貯水槽水道

有効容量10㎥以下は「小規模貯水槽水道」として、都道府県・政令市の条例で管理指導される(法定検査対象外)。ただし多くの自治体で年1回清掃・自主検査を推奨。マンション管理組合が清掃を怠り水質事故を起こした裁判例もあり、実務では法定検査対象と同等の管理が望ましい。

受水槽の設計上の注意点

①「六面点検」のスペース確保

建築基準法施行令および建設省告示第1597号により、受水槽の周囲・上部・底面には点検スペースが必須

具体的には周囲・上部は60cm以上、底面は60cm以上、上部は100cm以上のクリアランスを確保する必要があります。

ピット埋設型でもこの基準は同じで、点検口・照明・換気を必ず設けます。

建築確認申請時にこの寸法が満たされていないと再設計を求められる、致命的な設計エラーです。

② 材質選定

FRP(ガラス繊維強化プラスチック)製が主流で、耐食性・軽量・水質保持性のバランスが良好。

ステンレス(SUS444等)製は高価だが長寿命で30〜40年使えます。

コンクリート製は大型施設向けだが水質面で不利になりやすい傾向。

飲料水用受水槽はJIS G 3454(配管用炭素鋼鋼管)等ではなくFRP・SUS444・ライニング鋼板を選択します。

③ オーバーフロー・通気管の防虫網

オーバーフロー管・通気管の管端は下向き+防虫網設置が義務。

虫・ネズミの侵入は水質事故の主因で、網目は16メッシュ以上が推奨されます。

定期点検で目詰まりチェックし、破損時は速やかに交換します。

④ 二槽式(併列2槽)の推奨

清掃時に給水停止しないため、2槽式(片側清掃中も片側で給水)が病院・ホテルで採用されています。

中間仕切りで完全分離し、バルブで切替可能な設計とします。

単槽式でも清掃時の代替給水(給水車手配・仮設タンク設置)は事前計画が必要です。

水質基準と検査項目

水道法第4条および水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)で、水道水の水質は51項目の基準が定められています。受水槽で水質劣化させないための重要指標を整理します。

検査項目基準値受水槽での留意点
一般細菌100個/mL以下清掃不良で急増
大腸菌不検出検出=汚染確定、給水停止
残留塩素0.1mg/L以上(給水栓)滞留時間過大で消失
色度5度以下錆・スラッジ混入
濁度2度以下清掃直後・水槽劣化で悪化
臭気異常でない藻類・カビ臭に注意
異常でない塩素・金属味
pH値5.8以上8.6以下

簡易専用水道の法定検査で実施される「給水栓の水質検査」は5項目(残留塩素・色・濁り・臭い・味)のみで、上記全項目ではありません。より詳細な検査を望む場合は、水道法20条登録機関に別途依頼可能(費用2〜5万円)です。

ポンプ・配管の設計

受水槽と組み合わせるポンプ設備は、給水方式ごとに構成が異なります。

高置水槽方式(従来型)

受水槽→揚水ポンプ→屋上高置水槽→重力給水。停電時も高置水槽の残量分は給水可能。維持メンテ簡単、水質面で滞留時間長いのがデメリット。既存中高層マンションで主流。

ポンプ直送方式(加圧給水)

受水槽→加圧ポンプ→各戸直接給水。高置水槽不要でデザイン自由、水質良好。停電時給水停止、非常用電源設備との連携必要。近年の新築マンションで主流。

圧力タンク方式

受水槽→圧力タンク付きポンプユニット→各戸給水。小規模建物向け、ポンプ発停頻度を抑制。戸建・小規模共同住宅で採用。

直結増圧方式(受水槽レス)

水道本管→増圧ポンプ→各戸直接給水。受水槽なしで水質・省スペース最良。ただし水道事業者ごとに階数・戸数制限あり(東京都水道局で概ね10階以下・50戸以下)。近年の低〜中層マンションで急増。

現場での応用

マンション設計・管理

50戸のファミリーマンション(150人想定)で1人250L/日なら1日37,500L、受水槽有効容量は50%の18,750L≒20㎥。10㎥超のため簡易専用水道扱い、年1回の清掃・法定検査を管理組合予算に組み込む。管理会社の見積書チェックにも本ツールが有効。

オフィスビル設備設計

ワンフロア100人、10フロアで1,000人・1人80L/日なら日80㎥、受水槽40㎥前後。テナント業種(コールセンター等はトイレ利用増)で20%割増を検討。屋上に高置水槽10㎥、地下ピットに受水槽30㎥の2段構成が典型例。

病院・診療所

300床病院で1床800L/日想定なら日240㎥、受水槽120㎥級。透析室があるさらに増量。災害時の給水確保のため3日分の飲料水(1人3L×職員患者数)備蓄も別途必要(災害拠点病院要件)。

学校施設のプール併用

プール授業がある小学校では、プール容量分(25m×13m×1.2m=390㎥)の初期充填と週次補給水を別枠計算。受水槽そのものはプール水を貯めず、プール槽で独立管理するが、給水配管容量は考慮必要。

工場の製造用水

飲料・生活用途と製造プロセス用途の受水槽を分離するのが原則。プロセス用水は水道水以外に井戸水・工水を併用することも多く、クロスコネクション(水道水と非水道水の混合)防止のためバキュームブレーカー・逆止弁を配管設計に組み込む。

災害時の飲料水確保

受水槽は災害時の非常用飲料水源として「災害時協力井戸」制度と並ぶ資源。マンション管理組合では、災害時取出し用蛇口を受水槽に設置し、住民に周知する取組が広がっている(東京都水道局・地方自治体推奨)。

建物用途別 設計事例

ケース1: ファミリーマンション(50戸・150人)

1人1日250Lで日37,500L。受水槽有効容量は50%目安で18,750Lとなり、既製FRP20㎥タンクを採用。10㎥を超えるため簡易専用水道扱いで、年1回清掃・法定検査が義務化されます。管理費予算に清掃6万円/年・法定検査4万円/年を組み込みます。長期修繕計画では15年目にポンプ更新(80万円)、25〜30年目に受水槽本体更新(400〜700万円)を計上します。

ケース2: 大規模オフィスビル(10フロア・1,000人)

1人1日80Lで日80,000L。受水槽有効容量40%(32㎥)を地下ピットに、高置水槽10㎥を屋上に配置する2段構成が典型。テナントがコールセンター等でトイレ頻度高い場合は20%割増を検討。ビル管法(3,000㎡超)対象で、給水設備の維持管理記録が特定建築物として保健所査察対象になります。

ケース3: 300床急性期病院

1床800Lで日240,000L。受水槽120㎥級を分割2槽(片側清掃時も給水維持)で設計。透析室(1回400L×20席×3クール=24,000L/日)は上乗せ計算。災害拠点病院要件として3日分の飲料水備蓄(1人3L×職員500人×患者300人=2,400L/日×3日=7,200L)を別区画で確保する必要があります。

ケース4: 小学校(児童600人+教職員40人)

1人1日80Lで日51,200L。受水槽25㎥級で対応、プール(25m×13m×1.2m=390㎥)は別系統で管理。夏休み期間は使用量が1/10以下に低下するため、滞留時間管理として夏休み前半に一部排水し新水入替する運用が水質保持に有効です。

ケース5: 中規模ホテル(150室・稼働平均70%)

1室500L/日で日52,500L(満室基準)、実質稼働35,000L/日。受水槽有効容量25㎥級。ピーク時(宴会・団体客対応)の日最大使用量は1.8〜2.0倍まで見込み、時間最大使用量への追従性を高めるため加圧ポンプはインバータ制御・複数台並列運転を採用します。

コスト・ライフサイクル

受水槽方式のコストは初期投資と維持管理費に分かれます。長期修繕計画で総所有コスト(TCO)を評価する視点が重要です。

項目10㎥級50㎥級100㎥級
本体価格(FRP製)60〜100万円200〜350万円400〜700万円
設置工事費40〜80万円100〜200万円200〜400万円
ポンプ・配管50〜100万円100〜200万円200〜400万円
年1回清掃4〜8万円/年10〜20万円/年20〜40万円/年
法定検査(10㎥超)4〜5万円/年4〜5万円/年5〜7万円/年
ポンプ更新(10年)30〜50万円60〜100万円100〜200万円
受水槽更新(25〜30年)150〜250万円400〜700万円800〜1,500万円

マンション管理組合の長期修繕計画では、25〜30年目の受水槽更新費用を修繕積立金に計上することが実務の要点。ポンプの中間更新(10〜15年目)、給水配管の部分更新(20〜25年目)も同時計画すると効率的です。

よくある間違い・注意点

  • 受水槽容量=1日使用水量と誤解 — 40〜60%が設計原則。100%貯めると滞留時間が2倍化し、残留塩素消失で水質基準を下回るリスクが高まる。
  • 10㎥ちょうどで設計して法定検査対象外を狙う — 10㎥「超」から法定対象だが、9.9㎥設計は実容量誤差でオーバーしやすく、また上下水道条例で9㎥以下でも報告義務のある自治体も存在する。実運用は法定検査相当の管理を推奨。
  • 1人1日使用水量を戸建基準(300L)でオフィス設計 — オフィス80L・戸建300Lの4倍差。過大設計になり水質悪化・イニシャルコスト増を招く。
  • 六面点検スペース未確保でピット施工 — 建築確認申請段階で指摘される致命的NG。給水停止して工事し直しになる。
  • オーバーフロー管が排水管と直結 — 排水管の逆流で受水槽汚染。必ず間接排水(大気間隙50mm以上)を確保。
  • 清掃業者の登録確認忘れ — 厚生労働大臣「登録貯水槽清掃業者」以外への発注は法令違反。委託前に登録番号を確認。
  • 年1回法定検査を「水質検査だけ」で済ませる — 施設検査(設備状態)・書類検査(清掃記録3年分等)が含まれる。1万円台の水質検査だけでは法定検査要件を満たさない。

関連規格・法令

  • 水道法(昭和32年法律第177号) ― 第3条第7項で「簡易専用水道」を定義(有効容量10㎥超)。第34条の2で管理基準・年1回検査を規定。
  • 水道法施行規則 第55〜56条 ― 簡易専用水道の管理基準(年1回清掃、水質異常時の対応、法定検査の受検義務)を詳細規定。
  • 水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号) ― 51項目の水質基準。給水栓での残留塩素0.1mg/L以上維持義務。
  • 建築基準法施行令第129条の2の5 ― 給水管の逆流防止・クロスコネクション禁止。
  • 建設省告示第1597号(建築設備に関する告示) ― 給水タンクの構造基準(六面点検・オーバーフロー・通気管等)。
  • SHASE-S 206「給排水衛生設備規準・同解説」 ― 空気調和・衛生工学会規格。1人1日使用水量・受水槽容量の設計基準の実務標準。
  • 国土交通省「建築設備設計基準」 ― 公共建築物設計の標準。用途別1日使用水量表を掲載。
  • 厚生労働省 水道課通知 ― 貯水槽水道の維持管理指針、小規模貯水槽水道への指導内容。
  • 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法) ― 特定建築物(3,000㎡超のオフィス等)の給水設備管理義務。

参考文献・公的資料

※本ページの計算結果は概算値です。実際の受水槽容量の決定にあたっては、所轄水道事業者との事前協議、給水装置工事主任技術者・建築設備士による設計・確認、および建築確認申請時の指摘対応が必要です。特に病院・ホテル・工場等の用途では用途別ピーク係数・災害時備蓄水量・防災設備との連携を含めて総合的に判断してください。

よくある質問(FAQ)

受水槽が小さすぎるとどうなりますか?

水切れ・給水ポンプ頻発発停・受水槽内水位変動による水質悪化のリスクがあります。時間最大使用水量に追従できず、朝夕のピーク時に断水・水圧低下が発生。ポンプ寿命も短くなり、メンテコスト増加の要因になります。

受水槽が大きすぎるとどうなりますか?

滞留時間が長くなり残留塩素が消失し水質基準(給水栓で0.1mg/L以上)を下回るリスクがあります。夏場は水温上昇で細菌繁殖の恐れも。設計滞留時間は12時間以内が目安で、1日使用量の40〜60%が実務標準です。

10㎥(10,000L)超で何が変わりますか?

水道法上の「簡易専用水道」に該当し、設置者に年1回の清掃・年1回の厚生労働大臣登録検査機関による法定検査・水質異常時の対応義務が課されます。違反すると水道法に基づく罰則(100万円以下の罰金等)の対象となり、公表される場合もあります。

受水槽と高置水槽の違いは?

受水槽は水道本管から直接受け入れる貯留槽で、地上・地下ピットに設置。高置水槽は建物屋上に設置し、揚水ポンプで受水槽から汲み上げて重力給水します。中高層建物では両方を組み合わせ、給水安定性と省エネを両立します。

ポンプ直送方式なら受水槽不要?

増圧直結給水(水道直結ブースター方式)なら受水槽なしで済みますが、水道事業者ごとに階数・戸数の制限があり(例:東京都水道局で概ね10階以下・50戸以下)、災害時の断水耐性は劣ります。病院・ホテル等の重要施設は受水槽併用が原則です。

清掃はいくらかかりますか?

10〜30㎥級のマンション受水槽で4〜10万円/回が相場。100㎥超のオフィス・ホテル級で20万円超も。厚生労働大臣登録の「貯水槽清掃業者」以外に発注すると法令違反となるため、業者選定時は登録番号確認が必須です。

法定検査の費用は?

簡易専用水道の法定検査は3〜5万円/回が相場。水質検査(給水栓で5項目)+施設検査+書類検査が含まれます。安価な水質検査単独では法定検査要件を満たさないため注意。

受水槽の寿命はどのくらい?

FRP製で25〜30年、SUS444製で30〜40年が目安。20年を超えたら劣化診断(内部目視・肉厚測定・漏水試験)を実施し、更新計画を立てます。長期修繕計画では受水槽更新費用(100㎥級で500万〜1,000万円)の計上が必要です。

マンション住民として気をつけるべきことは?

管理組合の総会資料で「受水槽清掃報告書」「法定検査結果」が毎年提示されているか確認。水道水に色・臭い・濁りを感じたら管理会社経由で保健所連絡を。飲料用ペットボトル備蓄も併用推奨(1人1日3L×3日分=家族4人で36L)。

災害時、受水槽の水は飲めますか?

受水槽内の水は本来は水道水として飲用可能ですが、震災で配管損傷・水質悪化が生じている可能性があります。色・臭い・濁りをチェックし、可能なら煮沸してから飲用を。管理組合が事前に災害時取出し用蛇口を設置している場合はそれを活用します。

受水槽と直結給水はどちらが水質が良い?

厳密には直結給水(水道直圧・増圧直結)のほうが滞留時間ゼロで残留塩素が保たれ水質良好とされます。ただし受水槽方式も年1回清掃・法定検査が適切に行われていれば水質基準を満たします。近年新築マンションでは直結増圧方式が主流に、既存建物ではリニューアル時に切替検討する例も増えています。

受水槽の材質はどれを選ぶべき?

FRP製が最も普及しており、耐食性・軽量・水質保持性・コストのバランスが最良。SUS444製は耐久性で優れ30〜40年の長寿命、初期コストは1.5〜2倍。コンクリート製は大型施設向けだが水質面で不利になりやすい。飲料水用に鋼板ライニング製品を選ぶ場合はJWWA規格適合品を確認しましょう。

クロスコネクションとは何ですか?

水道水と非水道水(井戸水・工水・雑用水・給湯配管等)が誤って接続される事故のこと。バキュームブレーカー・逆止弁の設置、色分け配管、系統別のバルブハンドル形状統一等で防止します。建築基準法施行令第129条の2の5で禁止規定があり、発覚時は改修命令の対象になります。