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ベンダーV幅板金曲げ加工

ベンダーのV幅選定と最小フランジ計算

材質・板厚・曲げ長さ・曲げ角度から、推奨V幅・内側曲げ半径・最小フランジ・必要加圧力を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ベンダーのV幅選定と最小フランジ計算ツール

V幅は板厚の8倍を基本に、標準寸法へ丸めます。板厚2.0mmなら16mmとなり、内側曲げ半径はV幅の0.16倍で2.56mm、最小フランジはV幅の0.65倍で10.4mmです。必要加圧力は 1.33×引張強さ×板厚の2乗÷V幅で、軟鋼400N/mm2では1.33×400×4÷16=133kN/m。曲げ長さ1,000mmでは133kNとなり、トン換算で13.6トンです。能力80トンの機械に対して17.0%で、十分な余裕があります。

板厚とV幅・加圧力(軟鋼・90度・1m)

板厚推奨V幅内側R加圧力
1.0 mm8 mm1.28 mm6.8 トン
1.6 mm12 mm1.92 mm11.6 トン
2.0 mm16 mm2.56 mm13.6 トン
3.2 mm25 mm4.00 mm22.2 トン
4.5 mm35 mm5.60 mm31.4 トン

材質による違い

材質引張強さの目安内側Rの係数スプリングバック
軟鋼 SPCC400 N/mm2V幅の0.16倍小さい
熱延鋼板 SPHC400 N/mm2V幅の0.16倍小さい
ステンレス SUS304650 N/mm2V幅の0.18倍大きい
アルミ A5052250 N/mm2V幅の0.14倍中くらい

※参考計算です。規格・工具メーカーの推奨値・機械の仕様によって適正値は変わるため、実機の取扱説明書と最新のJISで確認してください。

ベンダーのV幅選定と最小フランジ計算の詳しい解説

V幅を板厚の8倍に取るのが標準とされるのは、この比率で曲げ半径と加圧力の釣り合いが最も良くなるためです。V幅を狭くすると内側の曲げ半径は小さくなりますが、必要な加圧力はV幅に反比例して急に増え、ダイの肩に食い込み傷が出ます。広くすれば加圧力は下がるものの、曲げ半径が大きくなり、最小フランジも長くなって狭い部分が曲げられません。板厚が薄いほど倍率を大きく取るのは、狭いV幅では板がダイの溝に落ち込みすぎるためです。

判断が分かれるのは内側曲げ半径の指定です。図面にRの指示があると、パンチ先端Rを合わせれば良いと考えがちですが、エアベンディングでは実際の内側RはほぼダイのV幅で決まり、パンチ先端Rはそれより小さければ結果に大きく影響しません。パンチ先端RがV幅から決まる自然なRより大きい場合にだけ、パンチ側が支配的になります。Rを小さくしたいときはV幅を狭めるか、底突き曲げやコイニングに切り替えることになりますが、加圧力は数倍に跳ね上がります。

見落とされやすいのは最小フランジです。V幅の0.65倍程度がダイの肩に乗る限界で、それより短いフランジは曲げの途中で溝に落ち、寸法が出ません。曲げ順序を組むときに、短いフランジ側を先に曲げておく、あるいは捨て代を付けて後で切り落とすといった工夫が要ります。突き当てとの干渉、既に曲げた部分とパンチの干渉も、V幅を決めた段階で確認しておかないと、加工の直前に段取りをやり直すことになります。

材質による差も設計に効きます。ステンレスは引張強さが軟鋼の1.6倍程度で、同じ板厚でも加圧力がそれだけ増え、スプリングバックも2倍以上になります。アルミは加圧力が小さい代わりに、曲げ半径を小さく取ると外側に割れが出やすく、圧延方向に対して直角に曲げる配慮が要ります。熱延鋼板は表面の黒皮がダイに移って傷の原因になります。スプリングバックの量は同じ材質でもロットで変わるため、最終的には試し曲げで補正角を確認する手順が欠かせません。金型の摩耗も無視できません。長く使ったダイは肩が丸くなり、同じV幅でも実際の曲げ半径が大きくなって角度が浅く出ます。定期的に金型の状態を確認し、寸法が安定しない場合は摩耗を疑ってください。

業界・現場での使い方

板金加工の段取り

板厚と材質から使うV幅を決め、金型の交換手順を計画します。

加工可否の判断

必要加圧力と機械能力を比べ、長尺の曲げを分割するかを検討します。

設計段階の確認

最小フランジ寸法から、図面の曲げ形状が加工可能かを事前に判断します。

展開図の作成

内側曲げ半径の目安から伸び代を求め、展開寸法に反映します。

よくある間違い・注意点

  • パンチ先端Rで内側Rが決まると考える — エアベンディングでは内側RはほぼダイのV幅で決まります。
  • 最小フランジを確認せずに設計する — V幅の0.65倍より短いフランジは溝に落ち、寸法が出ません。
  • 曲げ長さを掛け忘れて加圧力を判断する — 線圧に曲げ長さを掛けないと、長尺の曲げで能力不足を見落とします。
  • 材質を変えても同じ条件で曲げる — ステンレスは加圧力が1.6倍、スプリングバックは2倍以上になります。
  • 鋭角の曲げで加圧力を90度基準のまま見る — 角度が鋭いほど加圧力は増え、金型と機械への負担が大きくなります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

板厚2.0mmの軟鋼ではどのV幅を使いますか?

板厚の8倍にあたるV16が標準です。内側Rは2.56mm前後になります。

必要な加圧力はどう求めますか?

1.33×引張強さ×板厚の2乗÷V幅で線圧を出し、曲げ長さを掛けます。2.0mm・1mで約13.6トンです。

内側Rを小さくしたい場合はどうしますか?

V幅を狭めるか、底突き曲げやコイニングに切り替えます。ただし加圧力は数倍になります。

最小フランジはどのくらいですか?

V幅の0.65倍が目安です。V16なら10.4mm程度が限界になります。

ステンレスでは何が変わりますか?

引張強さが高いため加圧力が1.6倍前後になり、スプリングバックも大きく出ます。

スプリングバックの補正はどうしますか?

目安の角度分だけ余分に曲げます。ロットで変わるため、試し曲げでの確認が前提です。

機械能力を超える場合の対処は?

曲げ長さを分割する、V幅を広げる、板厚の薄い材料に変更するといった方法があります。

薄板でV幅を大きく取るのはなぜですか?

狭いV幅では板が溝に落ち込みすぎて角度が安定しないためです。