計算ツール
LUFSラウドネス配信マスタリング

配信の音圧ノーマライズ計算

元のLUFSとターゲット、トゥルーピークから、必要なゲイン調整と調整後のピーク、クリップの可否を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

配信の音圧ノーマライズ計算ツール

必要なゲイン調整はターゲットのLUFS−元のLUFSです。既定値では−14−(−8)=−6.0dB。ピークも同じだけ下がるため、調整後のトゥルーピークは−0.3−6.0=−6.30dBTPとなり、基準の−1.0dBTPまで5.30dBの余裕が生まれます。この条件ではピーク基準に収まります。アルバム内の想定音量差は、曲間差2.5LUに曲数10の広がりを加えて3.63LUという見込みです。

配信・放送のラウドネス基準の目安

用途ラウドネスピークの上限
主要な音楽配信−14 LUFS前後−1.0 dBTP
動画共有サービス−14 LUFS前後−1.0 dBTP
ポッドキャスト−16 LUFS前後−1.0 dBTP
テレビ放送−24 LUFS前後−1.0 dBTP
劇場・映画基準が異なります個別の規定によります

元のLUFSと必要なゲイン(ターゲット−14 LUFS)

元のLUFS必要な調整ピーク−0.3dBTPの場合
−6 LUFS−8.0 dB−8.30 dBTP
−8 LUFS−6.0 dB−6.30 dBTP
−10 LUFS−4.0 dB−4.30 dBTP
−14 LUFS0.0 dB−0.30 dBTP
−18 LUFS+4.0 dB+3.70 dBTP

※参考計算です。機材の仕様・気象条件・料金体系によって結果は変わるため、実機の表示や販売店の案内で確認してください。

配信の音圧ノーマライズ計算の詳しい解説

配信サービスの音量そろえは、曲ごとの平均的な音の大きさを測り、基準との差だけ音量を上下させる仕組みです。基準より大きい曲は下げられるため、制作時に音圧を上げても再生時には打ち消されます。上げた分だけダイナミクスは失われているので、押し込むほど痩せた音のまま音量だけ下げられる結果になります。−8LUFSの音源が−14LUFSの基準では6dB下げられる、という関係がその実例です。

判断が分かれるのは、基準に合わせて作るか従来どおり音圧を上げるかです。配信だけを想定するなら基準に寄せたほうが素直に鳴りますが、その音源をそのまま物理メディアや現場の再生に使うと、音量そろえのない環境では小さく聞こえます。用途ごとに書き出しを分ける方法が確実で、配信用は基準寄り、それ以外は従来の水準という二本立てが取られます。

見落とされやすいのは、基準より小さい音源が上げられる場合です。−18LUFSの音源は基準まで4dB持ち上げられ、その分ピークも上がります。元のピークが−0.3dBTPなら調整後は基準を超え、再生側で歪みが生じます。上げる方向の処理を行うサービスでは、ピークの上限を守るために自動で抑え込みが入り、意図しない音の変化が起こります。トゥルーピークを−1dBTP以下に抑えておく理由はここにあります。

アルバム単位では曲間の差も設計の対象です。曲ごとに音量そろえが働く再生では曲間の差が失われ、意図した起伏が平らになります。アルバム単位で処理する設定を持つサービスもあるため、どちらで聞かれても破綻しない範囲に差を収めるのが実務的です。曲数が多いほど最も大きい曲と小さい曲の開きは広がります。

測定は曲全体を通した値で行い、部分的な測定では判断を誤ります。静かな導入から大きな終盤へ進む曲では、盛り上がる部分だけを測ると全体の値より数LU大きく出て、必要なゲインを読み違えます。

基準の数値はサービスごとに異なり、改定もされます。−14LUFS前後という水準は主要な音楽配信で共通していますが、放送は−24LUFS前後、ポッドキャストは−16LUFS前後と用途で開きがあります。複数の配信先へ同じ音源を出す場合は、最も厳しいピークの上限に合わせておくと、書き出しを一本化できます。最終的な仕様は各サービスの公開資料で確認してください。

業界・現場での使い方

配信用のマスタリング

基準との差から必要なゲインを求め、書き出し前に調整します。

アルバムの曲順の設計

曲間の音量差を数値で把握し、聞こえ方の起伏を整えます。

動画・ポッドキャストの制作

用途ごとの基準に合わせた調整量を確認します。

納品前の確認

トゥルーピークが基準を超えないかを事前に判定します。

よくある間違い・注意点

  • 音圧を上げれば大きく聞こえると考える — 基準を超えた分は再生時に下げられるため、ダイナミクスを失うだけの結果になります。
  • ピークの上限を0dBTPぎりぎりにする — 変換の過程でピークが上振れし、再生側で歪みます。−1dBTP以下が目安です。
  • 小さい音源のピーク上昇を見落とす — 基準より小さい音源は持ち上げられ、ピークも同じだけ上がります。
  • 曲単位でしか確認しない — アルバムで聞かれる場合は曲間の差が問題になり、起伏が意図と変わります。
  • 部分的な測定で判断する — ラウドネスは曲全体を通して測る値で、一部分では実際と離れます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

−8LUFSの音源を−14LUFSに合わせるとどうなりますか?

−6.0dB下げられ、トゥルーピークは−6.30dBTPになります。

トゥルーピークはどこまで抑えるべきですか?

−1.0dBTP以下が目安です。厳しめの環境を想定するなら−2.0dBTPまで下げます。

音圧を上げる意味はなくなったのですか?

再生時に下げられるため大きさの競争としては意味を失いましたが、質感を作る手段としての圧縮は残ります。

小さい音源は持ち上げられますか?

サービスによります。持ち上げる場合はピークも上がるため、上限を超えないよう抑え込みが入ります。

アルバムの曲間の差はどのくらいが適切ですか?

2〜3LU程度に収めると、曲単位とアルバム単位のどちらの再生でも破綻しにくくなります。

ポッドキャストの基準は音楽と違いますか?

−16LUFS前後が目安とされ、音楽より小さめの基準が使われます。

測定はどのタイミングで行いますか?

最終的な書き出しの状態で、曲全体を通して測ります。部分的な測定では判断を誤ります。

リミッターの設定はどうしますか?

アウトシーリングを配信先の基準に合わせ、ゲイン調整量を踏まえて過度な抑え込みを避けます。