副業手取り
副業手取りは、副業の売上から経費と税金を引いた手取り額を試算する無料の計算ツールです。
副業手取りツール
計算式と前提
所得 = 売上 ×(1 − 経費率)
手取り = 所得 − 所得 ×(所得税率 + 住民税率10%)
売上から経費を引いた所得に、入力した所得税率と住民税の所得割10%を掛けて差し引きます。既定の売上100万円・経費率30%・所得税率20%なら、所得は70万円、税は70×0.30=21万円、手取りは49.0万円です。入力する所得税率は、本業の給与と合算した課税所得に適用される段の税率、つまり限界税率を指します。住民税の10%は自動で足されるため、ここに含めないでください。復興特別所得税、個人事業税、消費税、各種の所得控除は反映していないので、出てくるのは手取りのおおまかな上限だと考えてください。
早見表
売上100万円・経費率30%(所得70万円)で固定し、所得税率だけを変えたときの出力です。
| 所得税率 | 住民税を含む負担率 | 税額 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 5% | 15% | 10.5万円 | 59.5万円 |
| 10% | 20% | 14.0万円 | 56.0万円 |
| 20% | 30% | 21.0万円 | 49.0万円 |
| 23% | 33% | 23.1万円 | 46.9万円 |
| 33% | 43% | 30.1万円 | 39.9万円 |
| 45% | 55% | 38.5万円 | 31.5万円 |
売上100万円・所得税率20%で固定し、経費率だけを変えたときの出力です。
| 経費率 | 所得 | 税額 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 0% | 100万円 | 30.0万円 | 70.0万円 |
| 20% | 80万円 | 24.0万円 | 56.0万円 |
| 30% | 70万円 | 21.0万円 | 49.0万円 |
| 50% | 50万円 | 15.0万円 | 35.0万円 |
| 70% | 30万円 | 9.0万円 | 21.0万円 |
副業の手取りの詳しい解説
副業の手取りが本業の年収で変わるのは、所得税が累進だからです。副業の所得は本業の給与所得と合算されたうえで税率が決まるため、副業に実際にかかるのは一番上の段の税率、つまり限界税率です。本業の課税所得が330万円を超えている人なら副業の1万円には20%、900万円を超えていれば33%が乗ります。この計算機で所得税率を自分で入れる形にしているのはそのためです。住民税の所得割は原則10%の一律です。会社員の副業であれば、健康保険と厚生年金の保険料は本業の給与で決まるため、副業の所得が増えても原則として増えません。これが自営業との大きな違いです。
判断が分かれるのは、その副業の所得を事業所得とするか雑所得とするかです。帳簿書類を作って保存しているかどうかが基本の軸で、記帳と保存があれば事業所得として扱われやすくなります。事業所得なら青色申告特別控除、赤字が出たときの給与所得との損益通算、家族への専従者給与といった仕組みが使えますが、雑所得ではいずれも使えません。もう一つ割れるのが経費の線引きです。自宅で作業する場合の家賃、通信費、電気代は家事関連費にあたり、業務に使った割合で按分します。
見落とされやすいのは、20万円ルールの読み違えです。給与を1か所から受けている人で、それ以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、これは所得税だけの話で、住民税の申告は別に必要です。また、この計算機は所得に一律の率を掛ける概算なので、復興特別所得税、個人事業税、消費税は含みません。住民税の徴収方法も実務上の論点で、特別徴収のままだと勤務先に通知される住民税額が増えます。申告時に普通徴収を選べる場合もあるため、勤務先の規定とあわせて確認してください。
立場によって注意すべき点も変わります。配偶者の扶養に入りながら副業をしている場合は、社会保険の被扶養者の要件が別に効きます。年収106万円や130万円という基準は社会保険の話で、所得税の改正とは別の枠組みです。所得税の側では、2026年分は基礎控除が104万円(合計所得金額489万円以下の場合で、これを超えると67万円、さらに超えると62万円)、給与所得控除の最低保障が74万円となり、給与収入だけなら年収178万円までは所得税がかかりません。副業の所得はこの給与の枠とは別に合算されるので、壁の手前かどうかは合計で判断します。この計算機は経費率と税率を自分で入力する前提の概算で、基礎控除も社会保険料控除も一切考慮していません。所得区分や経費の判断に迷う場合は、税務署または税理士にご相談ください。
よくある間違い・注意点
- 所得税率の欄に住民税を足して入れる — この計算機は住民税10%を自動で加算します。30%と入れると合計40%で計算されるので、所得税の税率だけを入れてください。
- 20万円ルールを売上で判定する — 基準になるのは売上から経費を引いた所得です。また所得税の申告が不要でも、住民税の申告は必要になります。
- 本業と同じ税率で考える — 副業に実際にかかるのは合算後の課税所得に適用される限界税率です。本業の年収が上がるほど、同じ売上でも手取りは減ります。
- 青色申告特別控除を当然に使えると考える — 事業所得と認められることが前提で、雑所得では使えません。記帳と帳簿の保存、期限内の申請と申告が要件になります。
- 家事関連費を全額経費にする — 自宅の家賃や電気代は業務に使った割合で按分します。面積や使用時間など説明できる基準を決め、毎年同じ考え方で計算してください。
参考資料・関連する公的情報
- 国税庁 — 確定申告、事業所得と雑所得の区分、必要経費の取扱い
- e-Gov 法令検索 — 所得税法、地方税法、消費税法
- 総務省 — 個人住民税の仕組みと徴収方法
- 財務省 — 所得税の税率構造、税制改正の資料
- 厚生労働省 — 副業・兼業の促進に関するガイドライン、社会保険の適用
- 日本年金機構 — 被扶養者の認定、厚生年金の適用
- 中小企業庁 — 個人事業者向けの制度案内
- 日本税理士会連合会 — 無料税務相談の窓口
- 国民生活センター — 副業に関する勧誘トラブルの相談事例
※本ツールは入力値に基づく概算です。所得区分の判定、必要経費の範囲、申告の要否は税務署または税理士にご確認ください。就業規則上の副業の可否は勤務先の規定に従ってください。
よくある質問(FAQ)
所得税率の欄には何を入れればよいですか?
本業の給与と合算した課税所得に適用される段の税率を入れます。副業の所得は給与所得と合算してから税率が決まるため、いちばん上の段の税率が副業に乗ります。住民税の10%はこの計算機が自動で足すので、含めないでください。
副業の所得が20万円以下なら何もしなくてよいですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。20万円ルールは所得税に限った取扱いで、住民税には同じ免除がありません。判定するのは売上ではなく、売上から必要経費を引いた所得の額です。
会社員の副業で社会保険料は増えますか?
雑所得や事業所得として得ている限り、原則として増えません。健康保険料と厚生年金保険料は本業の給与をもとに決まるためです。ただし副業先でも雇用されて一定の要件を満たすと、そちらでも社会保険の加入対象になる場合があります。
事業所得と雑所得はどう分かれますか?
帳簿書類を作成して保存しているかどうかが基本の軸です。記帳と保存があれば事業所得として扱われやすくなりますが、収入が僅少であったり営利目的の継続性が乏しいと判断されると雑所得とされることがあります。判断に迷う場合は税務署または税理士にご確認ください。
青色申告特別控除は副業でも使えますか?
事業所得と認められる場合に使えます。雑所得では使えません。開業届と青色申告承認申請書を期限内に出し、複式簿記で記帳して期限内に申告することが要件です。電子申告などの条件を満たすと控除額が大きくなります。
経費率はどのくらいで見ておけばよいですか?
業種によって幅が大きいため、実際にかかった額から逆算してください。仕入れのある物販は高く、知識やスキルを提供する仕事は低くなります。自宅の家賃や通信費は業務に使った割合で按分し、その基準を説明できるようにしておいてください。
この計算機に含まれていない負担はありますか?
復興特別所得税、個人事業税、消費税は含まれていません。復興特別所得税は所得税額に2.1%を乗じた額が加算されます。個人事業税は法定の業種に該当する場合に事業主控除を差し引いた所得へ課され、消費税は基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると納税義務が生じます。表示される手取りは、これらを引く前の金額です。