障害者控除計算機|本人・配偶者・扶養親族の所得控除
障害者控除を計算する無料電卓。 障害区分・対象者から、所得税27〜75万円・住民税26〜53万円の控除を瞬時算出。 要介護認定者でも「障害者控除対象者認定書」で適用できるケースがあり、 申告漏れの多い控除としても知られます。 年末調整で漏れた場合でも過去5年間なら更正の請求で還付を受けられます。
障害者控除ツール
障害者控除とは
障害者控除は本人・配偶者・扶養親族が障害者の場合の所得控除。 所得税で27〜75万円・住民税で26〜53万円となります。 一般障害者・特別障害者・同居特別障害者の3区分があり、 特別障害者(身体障害1・2級、精神障害1級等)は控除が大きく、 さらに同居なら追加加算されます。 申告漏れが多い控除で、要介護認定者でも適用可能なケースがあります。 年末調整の扶養控除等申告書の障害者欄、 確定申告書第一表・第二表の障害者控除欄で申告します。
計算式と考え方
障害者控除額:
一般障害者:所得税27万、住民税26万
特別障害者:所得税40万、住民税30万
同居特別障害者:所得税75万、住民税53万
判定は12月31日時点の状態で行います。 要介護認定者で「障害者控除対象者認定書」を市町村から受ければ適用可能(手帳がなくても可)です。 控除は所得金額から差し引く「所得控除」のため、 実際の節税額は控除額 × 適用税率で計算されます。 課税所得330万円以下なら所得税10%区分、 課税所得695万円以下なら所得税20%区分の税率が適用されます。
計算例
- 一般障害者・課税所得300万円 → 所得税27万・住民税26万→所得税27万×10%+住民税26万×10%=約5.3万円節税
- 特別障害者・課税所得500万円 → 所得税40万×20%+住民税30万×10%=約11万円節税
- 同居特別障害者・課税所得700万円 → 所得税75万×23%+住民税53万×10%=約22.6万円節税
- 特別障害者・扶養親族2人 → 40万×2=80万所得税控除、60万住民税控除
3区分の詳細と該当例
一般障害者(所得税27万・住民税26万)
- 身体障害者手帳3〜6級
- 精神障害者保健福祉手帳2〜3級
- 療育手帳B(軽度・中度)
- 戦傷病者手帳の一定区分
- 65歳以上で市町村長認定を受け「障害者」に準ずる方
特別障害者(所得税40万・住民税30万)
- 身体障害者手帳1・2級
- 精神障害者保健福祉手帳1級
- 療育手帳A(重度)
- 成年被後見人
- 常に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方
- いつも寝たきりで複雑な介護を要する方
- 原爆被爆者で厚労大臣認定を受けた方
同居特別障害者(所得税75万・住民税53万)
特別障害者に該当する扶養親族または控除対象配偶者で、 納税者・その配偶者・生計を一にする親族のいずれかと同居している場合が対象です。 特別障害者本人の控除40万+同居加算35万=合計75万円となります。 老人扶養親族の同居老親等加算とも併用できる強力な控除枠です。 税額ベースでは所得税20%区分なら年15万円、 住民税10%と合わせて年20.3万円の節税効果となります。
早見表・基準値
| 区分 | 所得税 | 住民税 | 該当例 |
|---|---|---|---|
| 一般 | 27万 | 26万 | 身障3-6級・精神3級・療育B |
| 特別 | 40万 | 30万 | 身障1・2級・精神1級・療育A |
| 同居特別 | 75万 | 53万 | 上記+同居 |
要介護認定者と「障害者控除対象者認定書」
手帳がなくても控除を受けられる制度
65歳以上で要介護・要支援認定を受けている方は、市区町村長から「障害者控除対象者認定書」を交付されれば、身体障害者手帳・療育手帳がなくても障害者控除を受けられます。所得税法施行令第10条・地方税法施行令第7条の15の6が根拠です。
認定書取得の流れ
- 市区町村の福祉課(介護保険課)で申請書を入手
- 本人確認書類・介護保険被保険者証を添付して申請
- 市区町村がADL(日常生活動作)や認知機能で判定
- 認定書交付(一般障害者相当/特別障害者相当が明記)
- 年末調整・確定申告時に添付または提示
認定基準の目安(自治体により差あり)
| 要介護度 | 目安判定 | 控除額 |
|---|---|---|
| 要支援1・2 | 非該当が多い | — |
| 要介護1・2 | 一般障害者相当 | 27万 |
| 要介護3 | 一般〜特別 | 27〜40万 |
| 要介護4・5 | 特別障害者相当 | 40万 |
| 寝たきり | 特別+同居加算 | 最大75万 |
※認知症の高齢者の日常生活自立度II以上、障害高齢者の日常生活自立度A・B・Cを組み合わせて判定します。基準は自治体条例で異なるため、必ず所管窓口に確認してください。
申告手続きと必要書類
年末調整で申告する場合
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」欄に記入
- 本人分・同一生計配偶者分・扶養親族分を該当欄に区分
- 特別障害者・同居特別障害者は該当欄に○
- 手帳のコピー等添付は原則不要(会社によっては提示を求める)
確定申告で申告する場合
- 第一表「所得から差し引かれる金額」の障害者控除欄に金額記入
- 第二表の「本人に関する事項」または「配偶者や親族に関する事項」の障害者区分に○
- e-Taxなら手帳番号を入力するのみ、書類添付省略可
- 紙申告の場合も原則添付不要だが、手帳等の提示を求められることあり
過去5年間の還付請求(更正の請求)
障害者控除は申告漏れが最も多い控除の一つです。 過去に控除を受けていなかった場合、 法定申告期限から5年以内なら「更正の請求」で還付を受けられます。 所得税で年10万〜30万円、住民税で年5万〜15万円が5年分遡及されるケースもあり、 家族の障害・要介護状態を思い出したら必ず確認しましょう。 更正の請求書は国税庁サイトでダウンロード可能で、 過去の申告書控と障害者手帳のコピー等を添付して提出します。 住民税分は市町村へ「住民税修正申告書」を別途提出するのが確実です。
他制度・他控除との併用
扶養控除・配偶者控除との併用
障害者控除は扶養控除・配偶者控除と別枠で加算されます。例えば「同居の老親(70歳以上)が特別障害者」の場合、老人扶養親族(同居老親等)58万+同居特別障害者75万=合計133万円の所得控除。この組み合わせは老親介護世帯で活用余地が大きい枠組みです。
なお2026年分(令和8年分)の所得からは、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が合計所得62万円以下(給与収入なら136万円以下)に緩和されました。改正前は合計所得48万円以下=給与収入103万円以下でした。障害のある家族がパート等で働いている場合、以前は扶養から外れていた収入帯でも扶養控除+障害者控除の両方を使えるケースがあります。障害者控除自体の金額は変わりません。
医療費控除との併用
障害に伴う通院費・介護用品・住宅改修費(一部)は医療費控除の対象になり得ます。障害者控除と別枠で申告可能です。おむつ代は医師の「おむつ使用証明書」(2年目以降は市町村認定でも可)で医療費控除対象。
住民税非課税と障害者
障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年合計所得135万円以下なら住民税が非課税となる特例があります(生活保護基準に準ずる)。低所得の障害者世帯にとって重要な救済策です。
NHK受信料・公共料金の減免
身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の保持者は、世帯全員が非課税ならNHK受信料が全額免除、市町村民税非課税なら半額免除。JR・私鉄・バス・タクシー・携帯料金にも障害者割引があります。障害者控除の申告と合わせて忘れずに手続きを。
障害者向け保険・共済・年金の税制
心身障害者扶養共済制度
保護者が加入する掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)。障害者本人が受け取る年金は非課税。保護者亡きあとの生活保障として、多くの自治体が制度化しています。
障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)
公的年金の障害年金は全額非課税で所得に含まれません。障害者控除の判定所得にも含まれないため、障害年金受給者の家族が控除を受ける際も影響しません。
特定贈与信託(6,000万円非課税)
特別障害者への贈与は6,000万円まで非課税(一般障害者は3,000万円)。信託銀行と契約し、本人の生活費として定期給付する仕組み。相続対策と生活保障を両立できる強力な制度です。
ケーススタディ:5世帯の障害者控除活用
ケースA:45歳夫(会社員)・配偶者が身体障害者手帳3級
- 年収600万・課税所得約300万円
- 配偶者控除38万+障害者控除(一般)27万
- 所得税:27万×10%=2.7万円節税
- 住民税:26万×10%=2.6万円節税
- 年間約5.3万円の節税効果
- 妻の医療費が年10万超なら医療費控除も併用可
- NHK受信料半額免除・障害者手帳割引も活用
ケースB:55歳自営業・同居の母(80歳・要介護4)
- 要介護4→市町村で「特別障害者相当」の認定書取得
- 老人扶養親族(同居老親等)58万+同居特別障害者75万=133万円
- 課税所得500万→400万に減少
- 所得税・住民税合計で年間約27万円節税
- おむつ代・訪問看護費は医療費控除も活用
- 介護保険自己負担分は医療費控除対象外だが高額介護サービス費で還付
- 5年分遡及で約135万円の還付を受けた事例あり
ケースC:38歳夫婦・子ども(10歳・療育手帳A)
- 扶養控除38万(16歳未満の一般扶養は住民税のみ33万)+特別障害者40万
- 住民税では扶養控除33万+障害者控除30万=63万円
- 特別児童扶養手当(月55,350円)は非課税で控除に影響なし
- 18歳以降は特定扶養親族63万+特別障害者40万=103万円へ拡大
- 心身障害者扶養共済で親亡き後保障(掛金は全額所得控除)
- 特定贈与信託6,000万円非課税枠の活用検討
ケースD:72歳夫婦・夫が身体障害者手帳2級
- 夫年金250万・妻年金80万
- 本人分特別障害者40万+配偶者控除38万+公的年金等控除
- 結果的に住民税非課税世帯に該当
- 介護保険料の減免・後期高齢者医療の負担軽減
- 臨時給付金・電気料金値引などの追加恩恵
ケースE:単身40歳・自身が精神障害者保健福祉手帳2級
- 年収400万・所得税10%区分
- 本人の一般障害者控除27万→所得税2.7万・住民税2.6万節税
- 自立支援医療(精神通院)で医療費1割負担
- 障害者雇用枠での就労・障害年金2級の受給検討
- iDeCoの掛金全額所得控除で更なる節税
よくある質問(FAQ)
要介護でも控除受けられる?
受けられる場合あり。市町村で「障害者控除対象者認定書」を取得すれば、手帳がなくても控除の対象になります。要介護3〜5が該当しやすい傾向。
過去分も還付請求できる?
5年以内なら還付請求可。更正の請求書を税務署に提出し、所得税・住民税とも過去分の還付を受けられます。金額が大きくなりやすいので必ず確認を。
扶養家族の障害も控除?
対象。配偶者・扶養親族の障害もカウント。扶養控除・配偶者控除との重複適用が可能です。
精神障害は対象?
精神障害者保健福祉手帳保持で対象。1級は特別障害者、2-3級は一般障害者。うつ病・統合失調症・発達障害等で手帳を持つ方が該当します。
療育手帳なしでも?
原則手帳必要。但し要介護認定者は障害者控除対象者認定書で代替可能。児童相談所・知的障害者更生相談所の判定書でも可。
障害者手当との併用は?
手当は所得不算入のため控除と無関係。特別障害者手当・障害児福祉手当・特別児童扶養手当はすべて非課税で、両方受給できます。
別居の親の障害は?
扶養親族なら別居でも控除対象。仕送りにより生計を一にしていれば別居扶養も可能。但し同居特別障害者の上乗せは同居必須です。
年の途中で亡くなった場合は?
その年分の控除は満額適用。判定日は12月31日ですが、死亡日または出国日で判定するため1年分の控除枠がフルで使えます。
16歳未満の障害児は所得税で扶養控除ゼロ?
扶養控除はゼロだが障害者控除は別枠で適用可。年少扶養の障害児でも27万または40万の障害者控除は満額受けられます。児童手当と併給可。
参考リンク(公的機関・専門機関)
自治体独自の障害者福祉施策
都道府県レベルの施策
障害者控除以外にも、自治体独自の減免・給付制度が存在します。 自動車税・軽自動車税の減免(身体障害者本人所有の車1台)、 自動車取得税の減免、有料道路料金割引(ETC登録要)などがあります。
市区町村レベルの施策
- 心身障害者医療費助成(マル障):医療費自己負担分の一部または全額を助成
- 心身障害者福祉手当:月5,000〜15,000円の独自手当(自治体差大)
- 重度心身障害者手当:東京都は月15,500円、独自加算あり
- 生活サポート事業:移動支援・日中一時支援・訪問入浴
- 住宅リフォーム助成:バリアフリー化に最大100万円助成の自治体あり
雇用面の支援
ハローワーク・障害者職業センターの職業相談、 障害者雇用促進法の法定雇用率(民間2.5%)による企業側の受入拡大、 就労移行支援・就労継続支援A型/B型の福祉サービス、 特別障害者雇用調整金・報奨金など、雇用側にも支援策があります。 控除申告と並行して活用したい制度群です。
よくある申告ミス・誤解
ミス1:手帳がないから諦める
手帳がなくても認定書で受けられます。 特に65歳以上で要介護3以上の家族がいるのに、 「手帳を持っていないから対象外」と誤解して数年間申告漏れになっているケースが非常に多いです。 市町村窓口に「障害者控除対象者認定書を発行してほしい」と申請するだけです。
ミス2:同居の判定を厳しく解釈しすぎ
短期入院・短期入所・レスパイト利用は同居扱いのままです。 「常に同居」の要件は文字通りではなく、生活の本拠が同一であれば同居と認められます。 1年以上の長期入院・施設入所は「同居」とは認められない傾向。
ミス3:本人の障害者控除を忘れる
納税者本人が障害者・要介護者の場合、本人分の障害者控除を忘れがちです。 特に確定申告を代行してもらっている場合、家族の障害情報を伝えていないと申告漏れになります。 第二表の「本人に関する事項」欄を必ず確認してください。
ミス4:住民税分の申告漏れ
所得税で申告すれば住民税にも自動反映されますが、 所得税で控除しきれず住民税だけ関係する場合(少額所得者)は、 市町村への住民税申告が別途必要になることがあります。
障害者控除申告前のチェックリスト
- 本人・配偶者・扶養親族の障害者手帳の有無を確認したか
- 65歳以上の家族に要介護認定の有無を確認したか
- 要介護認定者について市町村で認定書取得を検討したか
- 過去5年間の申告漏れがないか(更正の請求検討)
- 特別障害者・同居特別障害者の区分は正しく判定したか
- 同居の判定は「常に同居している」状態か(入院・施設は要確認)
- 年末調整で申告する場合、扶養控除等申告書に正しく記入したか
- 障害年金・特別障害者手当は非課税で所得に含まないと理解したか
- 扶養控除・老人扶養親族との重複適用を漏らしていないか
- 特定贈与信託・扶養共済など他制度の活用を検討したか
免責事項
本ツールは2026年分(令和8年分)の税制に基づく標準的な障害者控除額を計算する試算ツールです。障害者控除の金額(所得税27/40/75万円、住民税26/30/53万円)は令和7年度・令和8年度の税制改正でも変更されていません。 実際の適用可否・控除額・節税額は所得金額・他の所得控除・税率区分によって変動します。 特に「障害者控除対象者認定書」は市町村ごとに認定基準が異なり、 要介護認定でも認定されない場合があります。 相続時精算課税制度や特定贈与信託など他制度との組み合わせも複雑です。 個別事情については、税務署・市町村福祉課・税理士・社会保険労務士に必ずご確認ください。 本ツールの計算結果に基づく損害について、当サイトは一切の責任を負いません。