育児休業給付金 計算|180日67%・50%・上限額・産後パパ育休・出生時給付金までを一発算出
月給を入力するだけで、育児休業給付金(180日67%・181日以降50%)の月額・1年総額を瞬時に計算。上限月31.4万円/23.5万円、社会保険料免除を含めた実質手取り、パパ育休・産後パパ育休・出生時育児休業給付金(28日100%)、パパ・ママ育休プラス(1歳2ヶ月まで延長)、給付金の非課税扱い、支給時期、2025年雇用保険法改正までを、厚生労働省・ハローワーク・雇用保険法の公式資料に基づいて解説します。
育児休業給付金 計算ツール
計算式と給付率
基本式
最初180日:休業開始時賃金日額 × 30 × 67%(上限314,927円/月)
181日以降:休業開始時賃金日額 × 30 × 50%(上限235,020円/月)
免除:健康保険・厚生年金・雇用保険の本人+会社負担分すべて
「休業開始時賃金日額」は育休開始前6ヶ月の総支給額(賞与除く)÷180日で算出。これに30をかけた月額を基準に、67%または50%が給付されます。上限額は雇用保険法施行令で毎年8月に見直され、2025年8月時点で67%期間上限は314,927円、50%期間上限は235,020円です。
実質手取り率が80-85%になる理由
育児休業給付金は所得税・住民税ともに非課税、雇用保険料も免除、健康保険・厚生年金も免除(年金記録は継続加算)。通常給与では総支給の75-80%が手取りになりますが、育休給付金は税・社保が引かれないため、67%給付でも実質手取りは通常給与の約80-85%になります。
受給資格
- 雇用保険の被保険者で、育休開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上あること
- 育休期間中に就業した日数が月10日以下(または80時間以下)であること
- 育休期間中に休業開始前賃金の80%以上支払われていないこと
月給別の給付金早見表
雇用保険法施行令および厚生労働省ハローワーク公表資料に基づく、月給別の育児休業給付金の目安(2026年時点)です。
| 月給 | 67%期間(月額) | 50%期間(月額) | 1年合計 | 社保免除効果 |
|---|---|---|---|---|
| 15万円 | 100,500円 | 75,000円 | 1,053,000円 | 約29万円/年 |
| 20万円 | 134,000円 | 100,000円 | 1,404,000円 | 約38万円/年 |
| 25万円 | 167,500円 | 125,000円 | 1,755,000円 | 約48万円/年 |
| 30万円 | 201,000円 | 150,000円 | 2,106,000円 | 約58万円/年 |
| 35万円 | 234,500円 | 175,000円 | 2,457,000円 | 約67万円/年 |
| 40万円 | 268,000円 | 200,000円 | 2,808,000円 | 約77万円/年 |
| 45万円 | 301,500円 | 225,000円 | 3,159,000円 | 約86万円/年 |
| 50万円 | 314,927円(上限) | 235,020円(上限) | 3,299,682円 | 約96万円/年 |
| 60万円 | 314,927円(上限) | 235,020円(上限) | 3,299,682円 | 約115万円/年 |
| 80万円 | 314,927円(上限) | 235,020円(上限) | 3,299,682円 | 約154万円/年 |
上限は雇用保険法施行令に基づき毎年8月見直し。社保免除効果は健康保険+厚生年金の本人負担分(給与の約15%)を年12ヶ月で計算した概算値です。
産後パパ育休と出生時給付金
産後パパ育休(2022年10月創設)
従来の育児休業とは別枠で、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで取得できる制度。2回まで分割取得可能で、配偶者の出産直後の重要期間に集中して取得しやすい設計になっています。育児休業給付金と同じ67%給付が受けられ、社会保険料も免除されます。
出生時育児休業給付金(2025年4月〜)
2025年4月から、夫婦とも14日以上育休取得すると最大28日間100%給付される「出生時育児休業給付金」が新設されました。従来の67%給付に加えて13%が上乗せされる仕組みで、実質的に「休業前の手取り給与とほぼ同額」を確保できます。
父母同時取得の条件
- 子の出生後8週間以内に父母両方が育休を取得
- それぞれ14日以上の休業(産後パパ育休を含む)
- 母は産後休業(産後8週間)期間中の取得も対象
パパ・ママ育休プラスと延長制度
パパ・ママ育休プラス(1歳2ヶ月まで延長)
父母ともに育休を取得する場合、子が1歳2ヶ月に達するまで育休期間を延長できる制度。夫婦で計約290日間の67%給付を受けられ、世帯収入の維持効果が大きくなります。母親が先に復職し、父親が引き継いで取得するパターンが一般的です。
保育所入所困難による延長(1歳6ヶ月・2歳まで)
保育所への入所を希望しているのに入れない場合、育休を1歳6ヶ月まで、さらに2歳まで延長できます。ハローワークへの延長申請には「保育所入所不承諾通知書」等の書類提出が必要です。延長期間中も給付率は50%を継続。
3歳までの短時間勤務・所定外労働制限
育休後の復職時に、子が3歳になるまでは短時間勤務(1日6時間)を選択でき、所定外労働(残業)の制限も請求可能。給付金対象外ですが、育児と仕事の両立をサポートする育児介護休業法の重要制度です。
社会保険料免除の仕組み
免除の対象と範囲
育児休業期間中は、健康保険・厚生年金・介護保険の保険料が本人負担分・会社負担分ともに免除されます(健康保険法第159条、厚生年金保険法第81条の2)。免除期間中も健康保険は使え、厚生年金の加入記録は継続します(将来の年金額に影響なし)。
2022年10月からの改正(月末在籍要件+短期間追加)
従来は「月末時点で育休中」の月のみ免除でしたが、2022年10月から同月内で14日以上育休取得した月も免除対象に。産後パパ育休(最大28日)を月末を跨がずに取得しても社保免除が受けられるようになり、給付金67%+社保免除で実質手取りが休業前の90%超になるケースもあります。
賞与の社保料免除
育休期間が1ヶ月超の場合、育休期間中に支給される賞与の社保料も免除されます。夏冬の賞与を跨ぐ育休は、金銭的メリットが大きくなります。
申請手続きと支給スケジュール
Step1: 会社への育休申出
育休開始予定日の1ヶ月前までに会社の人事に申出。会社は「育児休業申出書」を受理し、社会保険料免除の届出をハローワークと年金事務所に行います。
Step2: 育休開始・初回支給申請
育休開始日以降、会社経由でハローワークに「育児休業給付金支給申請書」を提出。初回申請は育休開始日から4ヶ月以内、必要書類は母子手帳の写し・出勤簿・賃金台帳等。
Step3: 2ヶ月ごとの継続申請
初回申請以降は2ヶ月分をまとめて2ヶ月に1回申請。申請後1-2週間で口座振込されます。初回給付までは育休開始から2-3ヶ月程度かかるため、会社の給与立替えがない場合は貯蓄で繋ぐ必要があります。
Step4: 復職後の届出
予定通り復職する場合はハローワークへの復職届出は不要。予定より早く復職・退職する場合は、会社経由で速やかに変更届出が必要です。
Step5: 育休延長申請
保育所入所困難等で1歳6ヶ月・2歳まで延長する場合、「保育所入所不承諾通知書」等の証明書類とともに延長申請書を提出。認定されれば継続50%給付が受けられます。
Step6: 出生時育児休業給付金(2025年〜)
父母両方が14日以上育休取得する場合、産後パパ育休の申請時に「出生時育児休業給付金」も申請可能。100%給付分は67%給付との差額(13%相当)が別途支給されます。
2025年からの雇用保険法改正
出生時育児休業給付金(28日100%)の新設
2025年4月から、夫婦とも14日以上育休取得した場合の最初の28日間を実質100%給付とする新制度がスタート。従来の67%給付に13%を上乗せする形で、育休取得の経済的ハードルを下げる狙いがあります。
育児時短就業給付金(2025年4月〜)
2歳未満の子を養育しながら時短勤務する場合、時短前賃金の10%を支給する新制度が創設されました。復職後の時短による収入減を補填し、女性のフルタイム復帰プレッシャーを緩和する狙い。厚生年金保険料は時短前の標準報酬月額で計算する経過措置もあります。
雇用保険適用範囲の拡大(2028年10月〜予定)
週20時間未満のパート・アルバイトも段階的に雇用保険適用対象に。適用拡大により育児休業給付金の対象者が広がる予定です。
今後の議論
育児休業給付率を67%から80%への引き上げや、上限額の引き上げが継続審議中。少子化対策・男性育休取得率向上の観点で、今後も制度改正が続く見込みです。
職種別の活用ポイント
会社員(月給25-40万円)
最も標準的な受給層。67%期間の給付金月額は約17-27万円、社保免除効果を加味すると実質手取りは休業前の80-85%。1年間で200-280万円の給付金を受給できます。
共働き夫婦(片方時短復帰)
妻が先に復職し、夫がパパ・ママ育休プラスで1歳2ヶ月まで取得するパターン。世帯収入の維持効果が大きく、育児時短就業給付金と組み合わせれば復職後の収入減も緩和できます。
男性育休(産後パパ育休活用)
産後8週以内の28日で67%給付+社保免除。出生時育児休業給付金(2025年〜)なら実質100%給付。妻の産褥期サポートに集中でき、夫婦関係と育児参画の質を大きく向上させます。
高収入層(月給50万円超)
上限額(月31.4万円/23.5万円)が適用されるため、給付率は実質的に50-60%程度に。ただし社保免除効果は高収入ほど大きく(月給60万円で月8-10万円相当)、通算メリットは大きい。
公務員・準公務員
共済組合(国家公務員共済等)の給付制度で、雇用保険とほぼ同水準の給付が受けられます。手続きは所属の共済組合経由となり、民間企業の雇用保険とは別ルートです。
契約社員・パート・派遣
雇用保険加入で通算1年以上勤務、育休後の継続雇用見込みがあれば受給可能。有期契約の場合は「契約更新の可能性」が要件確認のポイント。同一事業所での1年以上の在籍が必要です。
よくある間違い・注意点
- 給付金を課税所得と誤解 — 育児休業給付金は所得税・住民税ともに非課税(雇用保険法第12条)。年末調整や確定申告での申告不要です。ふるさと納税・iDeCoの控除計算では、給付金を除いた課税所得ベースで判定します。
- 1歳の壁を意識せず延長申請しない — 保育所に入れない場合の育休延長(1歳6ヶ月・2歳)は自動ではありません。ハローワークへの延長申請と「保育所入所不承諾通知書」等の書類提出が必須です。
- 育休中のアルバイト・副業で給付停止 — 育休中に月10日以上(または80時間以上)就業すると給付停止。副業・在宅ワーク・単発バイトもカウントされるため、育休中の追加収入活動は慎重に。
- 男性が育休を「1日だけ」取得 — 短期間の育休では給付金が微額(数千円)にしかならず、社保免除も月末在籍要件で対象外になるケースあり。2025年から28日100%給付が可能になるため、まとまった取得を検討しましょう。
- 会社に隠して育休給付金を申請 — 育休給付金は会社経由でハローワークに申請するため、会社に隠しての申請は不可能。育休を取ることが最初の一歩です。
- 賞与の社保免除を忘れる — 育休期間が1ヶ月超なら賞与の社保料も免除。夏冬の賞与時期を跨ぐ育休は経済的メリットが大きいため、育休開始時期の設定を工夫しましょう。
- 復職後の時短勤務の給付を知らない — 2025年4月から始まった「育児時短就業給付金」は時短前賃金の10%を支給。復職後の収入減を補填する新制度なので、時短勤務予定者は必ず活用を。
関連する法令・規格
- 雇用保険法第61条の7 ― 育児休業給付金の給付要件、給付率(180日67%・181日以降50%)、上限額の法的根拠。
- 雇用保険法第61条の8 ― 出生時育児休業給付金の給付要件と給付額(産後パパ育休向け)。
- 雇用保険法第61条の10(2025年新設) ― 育児時短就業給付金の給付要件と給付額(時短前賃金の10%)。
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児介護休業法) ― 育児休業の権利、産後パパ育休、パパ・ママ育休プラスの制度設計。
- 健康保険法第159条・厚生年金保険法第81条の2 ― 育児休業期間中の社会保険料免除の法的根拠。
- 雇用保険法施行令 ― 賃金日額の上限・下限を毎年8月に改定。2025年8月時点で67%期間上限314,927円/月、50%期間上限235,020円/月。
- 2022年10月改正育児介護休業法 ― 産後パパ育休の創設、育児休業の分割取得(2回まで)、雇用環境整備義務の追加。
- 2025年4月改正雇用保険法 ― 出生時育児休業給付金・育児時短就業給付金の新設。少子化対策の重要制度。
参考文献・公的資料
- 厚生労働省 育児休業給付 ― 制度概要、給付率、上限額、支給要件の公式解説。パンフレット・Q&A・申請書式が公開されています。
- ハローワーク 雇用保険給付 ― 育児休業給付金・出生時育児休業給付金の申請手続き、必要書類、支給スケジュールの公式ガイド。
- 厚生労働省 仕事と育児の両立支援 ― 産後パパ育休、パパ・ママ育休プラス、育児介護休業法の実務ガイド。
- 厚生労働省 イクメンプロジェクト ― 男性の育児休業取得推進事業。企業事例、取得率統計、助成金情報。
- 日本年金機構 育児休業等期間中の保険料免除 ― 厚生年金の保険料免除手続き、免除期間の記録扱いに関する公式説明。
- 協会けんぽ 育児休業等期間中の保険料免除 ― 健康保険料免除の申請手続きと期間の詳細。
- 内閣官房 こども政策 ― こども未来戦略、少子化対策の政府方針、育児支援策の全体像。
- こども家庭庁 子ども・子育て支援制度 ― 保育所・こども園・地域子育て支援拠点の情報、育休後の子育て支援サービス。
- 労働政策研究・研修機構(JILPT) ― 育児休業取得率・復職率・両立支援策の政策研究報告。
よくある質問(FAQ)
育休給付金は非課税?
所得税・住民税ともに非課税(雇用保険法第12条)、雇用保険料も免除。健康保険・厚生年金も免除(年金記録は継続加算)。実質手取り率は通常給与の80-85%になるカラクリで、67%給付でも生活水準を大きく落とさずに済みます。
パパ育休(産後パパ育休)との違いは?
2022年10月新設「産後パパ育休」は、出生後8週以内に最大4週間(28日)取得可、2回分割可能。期間中は同じく67%給付+社保免除。配偶者の出産直後の重要期間に集中して取得しやすい設計です。従来の育児休業(1歳まで)とは別枠で取得できます。
給付金の支給時期は?
2ヶ月分まとめて2ヶ月後に振込。4-5月分→7月支給等で初回給付まで2-3ヶ月かかります。会社の給与立替えがない場合は貯蓄で繋ぐ必要。育休開始直後は経済的に厳しいので、育休前に3-6ヶ月分の生活防衛資金を準備しておくと安心です。
夫婦同時取得のメリットは?
父母とも育休取得で「パパ・ママ育休プラス」適用、最長で子1歳2ヶ月まで延長可能。夫婦で計約290日間67%受給可能、世帯収入の維持効果が大きくなります。2025年4月からは夫婦とも14日以上で最大28日間100%給付の「出生時育児休業給付金」も追加されました。
2025年からの給付金アップは?
2025年4月から夫婦とも14日以上育休取得で最大28日間100%給付(出生時育児休業給付金)追加。従来の67%給付に13%が上乗せされる仕組み。育児休業給付率の引き上げ(67→80%)も継続議論中です。
育児時短就業給付金とは?
2025年4月新設。2歳未満の子を養育しながら時短勤務する場合、時短前賃金の10%を支給する新制度。復職後の時短による収入減を補填し、女性のフルタイム復帰プレッシャーを緩和する狙いです。
保育所に入れないと育休延長できる?
できます。1歳6ヶ月まで、さらに2歳まで延長可能。ハローワークへの延長申請と「保育所入所不承諾通知書」等の書類が必要です。認可保育所への入所申込みが要件で、認可外保育所のみの申込みでは認められません。
育休中の副業・アルバイトは可能?
制限があります。月10日以下(または80時間以下)の就業なら給付継続。それを超えると給付停止対象に。副業・在宅ワーク・単発バイトもカウントされるため、育休中の追加収入活動は慎重に判断しましょう。
契約社員・派遣社員も受給できる?
できます。雇用保険加入で通算1年以上勤務、育休後の継続雇用見込みがあれば受給可能。有期契約の場合は「契約更新の可能性」が要件確認のポイント。同一事業所での1年以上の在籍が必要です。
賞与の社会保険料も免除される?
育休期間が1ヶ月超なら賞与の社保料も免除(2022年10月改正)。夏冬の賞与を跨ぐ育休は金銭的メリットが大きくなります。ただし1ヶ月未満の短期育休では賞与の社保免除は受けられません。
公務員も育児休業給付金がもらえる?
共済組合(国家公務員共済等)から雇用保険とほぼ同水準の給付が受けられます。手続きは所属の共済組合経由で、民間企業の雇用保険とは別ルート。給付率・上限額も類似ですが、細かい要件は共済組合ごとに異なるため事前確認が必要です。
復職後すぐに退職したらどうなる?
育児休業給付金の返還は原則不要ですが、雇用保険料未納となるため次回の失業給付等に影響する可能性あり。育休中に転職を決めた場合も、育休中に退職手続きすると給付金が停止されるため、復職してから改めて転職活動を行うのが賢明です。