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銀行預金 vs 個人向け国債 vs MMF 実質利回り|税引後・インフレ調整・換金性まで完全比較

預入金額・預入期間・税区分・想定インフレ率・緊急資金需要頻度を入力すると、普通預金・定期預金・個人向け国債(変動10年)・MMFの4商品の税引後利回り、実質利回り(インフレ調整後)、中途解約ペナルティ、換金性スコアを一括比較します。日銀ゼロ金利解除後の低リスク運用の最適配分、緊急資金と長期眠り資金の分離、リスク調整後ランキングまで、これ1本で判断できます。

最終更新:2026年8月14日/監修:計算ツールズ編集部

預金・国債・MMF 実質利回り比較シミュレーター

10万円〜5億円まで対応。ペイオフ制限(元本1,000万+利息)を超える場合は分散推奨。
個人向け国債(変動10年)の運用単位に合わせて10年推奨。1〜3年は定期・MMFが有利になりやすい。
預金利息は特定口座NISA対象外。株式ETFの分配金はNISAで非課税化可能。
日銀2%目標が基準線。過去10年平均は約1%、2022〜2024年は2〜3%。
中途解約ペナルティのシミュレーション用。緊急支出が多いなら換金性の高い商品配分を厚く。
現在:普通0.1%/定期0.3%/変動10年0.6%/MMF0.2%、利上げ後:+0.5%pt想定。

計算プロセス(内訳)

預入金額
×名目年利(最有利商品)
×期間(複利)
=税引前受取総額
源泉徴収税(20.315%)
=税引後受取総額
÷物価指数(インフレ調整)
=実質受取(現在価値)

商品×期間 マトリクス(実質利回り、%)

期間普通預金定期預金個人向け国債MMF

結果の見方

低リスク運用商品を選ぶ際、名目利回りだけを比較しても意味がありません。「税金」「インフレ」「換金性」「元本保全」の4軸で総合評価する必要があります。当ツールでは、以下の指標を統合して最有利商品を判定します。

  • 名目利回り:金融機関公表の年利。普通預金0.1%、定期預金0.3%、個人向け国債変動10年0.6%(2026年8月時点)。
  • 税引後利回り:利息・分配金には一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の源泉徴収。名目0.6%なら税引後は約0.478%。
  • 実質利回り:税引後利回り − インフレ率。インフレ2%なら、税引後0.478%の場合は実質▲1.522%とマイナスになります。計算機では、これに緊急資金の中途解約ペナルティを反映した年率を表示します。
  • 換金性スコア:即日引き出せる普通預金を100、定期預金を60(中途解約でペナルティ)、個人向け国債を40(1年経過後解約可、直近2回分利子相当額を差引)、MMFを80と設定。
  • 元本保全:預金はペイオフ1,000万+利息まで、個人向け国債は国の元本保証、MMFは信託財産分別管理で運用会社倒産時も守られる。

計算の仕組みと数式

税引後利回り

税引後利回り = 名目利回り × (1 − 0.20315)

個人向け国債変動10年の名目0.60%なら、税引後は0.60×0.79685 = 0.4781%。同じ利回りでも法人(30%課税想定)ならさらに実質は下がります。

実質利回り(フィッシャー方程式)

1 + 実質利回り = (1 + 税引後利回り) / (1 + インフレ率)
実質利回り ≒ 税引後利回り − インフレ率(近似式)

インフレ2%環境で税引後0.48%だと実質▲1.52%。つまり安全資産でも購買力は毎年目減りする状態。デフレ時代(インフレ▲1%)なら税引後0.48%が実質1.48%になり、預金だけでも実質資産保全ができる形でした。

複利による10年後元利合計

FV = P × (1 + r_after)n

500万円を税引後0.48%で10年運用すると 500×1.0048^10 ≒ 524.5万円。名目上24.5万円の増加ですが、インフレ2%が10年続くと物価指数は1.219、実質購買力は500×1.0048^10÷1.02^10 ≒ 430.3万円に相当。10年で69.7万円分の購買力を失う計算です。

個人向け国債(変動10年)の金利決定式

適用金利 = 基準金利 × 0.66(最低保証0.05%)

基準金利は10年固定利付国債の入札利回り。半年ごとに金利が見直される変動型なので、日銀利上げ局面ではメリットあり。最低保証0.05%があるため、マイナス金利時代でも元本+微益は確保されました。

MMF(マネー・マーケット・ファンド)

短期国債・優良CP等で運用する投資信託。日本のMMFは2016年のマイナス金利政策で軒並み繰上償還されましたが、2024年以降は復活。元本保証はないが、実質元本割れリスクは極めて低く、日々分配・翌営業日換金の高流動性が特徴です。

4商品の完全比較表

普通預金定期預金(1年)個人向け国債(変動10年)MMF
2026年8月時点の名目利回り0.10%0.30%0.60%0.20%
税引後利回り0.080%0.239%0.478%0.159%
実質利回り(CPI 2%時・中途解約なし)▲1.92%▲1.76%▲1.52%▲1.84%
元本保全ペイオフ1,000万+利息ペイオフ1,000万+利息国の元本保証実質元本保全(保証なし)
換金性即時(100点)解約可・利息減額(60点)1年経過後・直近2回分利子控除(40点)翌営業日(80点)
中途解約ペナルティなし普通預金利率適用直近2回分の各利子(税引前)×0.79685相当なし(ただし基準価額変動)
最低購入単位1円1円 or 1,000円1万円1円 or 1万円
金利変動リスク変動固定(次回更新まで)基準金利×0.66で半年毎見直し変動(超短期金利連動)
おすすめ用途日常決済、緊急資金1年以内に使う予定資金1〜10年眠らせても良い資金数か月〜1年の待機資金

結論:2026年8月時点で純利回りが最も高いのは個人向け国債(変動10年)。ただし換金性は最低クラスなので、緊急資金は普通預金・MMFで別枠確保するのが定石。全額を国債に固定すると、急な出費で解約ペナルティを食らって実質利回りが悪化します。

ケーススタディ:預入額別の10年後手取り

① 100万円・10年運用

初任給ボーナスや独身時代の余剰資金。が個人向け国債での10年後手取り(名目)。実質購買力ベースでは98万円台と、100万円の元本価値がインフレで目減り。少額なら普通預金でも大差ないが、金利差の実感は薄い。

② 300万円・10年運用

結婚資金・住宅頭金の準備段階。。銀行預金と国債で年間3,000円程度の差が10年で3万円強に。ATM手数料1回無料化のほうがコスパ良いレベルの差。

③ 1,000万円・10年運用

ペイオフ上限ジャストの中規模。。国債と普通預金の10年差は約5万円。1金融機関で1,000万を超える預金は複数銀行分散か国債シフトが定石。

④ 3,000万円・10年運用

相続資金の一時待機。。1金融機関に留めるとペイオフ超過分は保護外なので、①1,000万×3行分散、②個人向け国債全額集中、③MMF+短期国債の複合、の3案が実務的。実質利回りではどれも▲1.5〜▲1.9%。

⑤ 5,000万円・10年運用

富裕層・法人の余資運用。。年ベースで20〜30万円の名目利息、税引後15〜24万円。実質購買力は年間90〜100万円ずつ目減りするため、資産の全額を無リスク商品に置くのは実質的な家計毀損リスク。株式・REIT・海外債券への一部分散が推奨されます。

実務上の最適配分(緊急資金分離モデル)

3階層モデル

  1. 第1階層:緊急資金(生活費6〜12か月分)。全額普通預金+MMF。月30万円支出なら180万〜360万円。即日換金必要性が最重要。
  2. 第2階層:中期資金(1〜3年で使う予定)定期預金+MMF。住宅頭金、教育費、車購入資金など、時期の見える出費用。
  3. 第3階層:長期眠り資金(3年以上動かさない)個人向け国債(変動10年)+長期国債+NISA投信。インフレ耐性のあるリスク資産をここに配分。

実質利回りマイナス時代の考え方

インフレ2%環境で預金・国債の実質利回りがすべてマイナスの状況では、「安全資産100%」は実質的な家計棄損を意味します。金融庁の家計金融資産統計では、日本の家計現預金比率は約52%(2024年3月末)と主要国で突出して高く、米国13%・独38%と比較しても防御的すぎる配分。NISA成長投資枠でインフレヘッジ資産(全世界株・REIT・金)に30〜50%配分するのが現代の家計最適化アプローチです。

⚠ 実際の金利は各金融機関・商品・タイミングにより異なります。当ツールは2026年8月時点の代表的な金利水準で試算しています。個人向け国債は月次募集、MMFは常時購入可。緊急資金・長期資金の配分は個々のライフスタイルに合わせて決めてください。

よくある質問(FAQ)

個人向け国債と定期預金、どちらが有利ですか?

10年運用なら個人向け国債(変動10年)が名目0.60%・税引後0.478%で、大手銀行の定期預金0.30%(税引後0.239%)の約2倍。ただし国債は1年経過後まで解約不可、解約時は直近2回分の利子相当額(税引前)×0.79685が差し引かれるペナルティあり。1年以内に使う予定がない資金は国債、1年以内に使うかもしれない資金は定期預金の使い分けが実務的正解です。

ペイオフとは何ですか?

金融機関が破綻した場合、1金融機関・1預金者につき元本1,000万円+その利息までが預金保険機構により保護される制度。1,000万円を超える預金は保護対象外となるため、大口預金者は複数金融機関に分散するか、国債(国の元本保証)にシフトするのが定石。ただし決済用預金(当座預金・利息の付かない普通預金)は全額保護される特例あり。

インフレ2%環境で預金は絶対に損ですか?

実質購買力ベースでは確実にマイナス。税引後0.48%(個人向け国債)でも、インフレ2%を控除すると実質▲1.52%。500万円を10年預けると実質購買力は約430万円まで低下(約70万円の目減り)。ただし「換金性・元本保全性」というリスクプレミアムの対価と考えれば、緊急資金・生活防衛資金として一定額を無リスク資産で持つ合理性は残ります。全額を預金にする必要がないだけです。

MMFは元本保証されていますか?

MMFは投資信託の一種なので元本保証はありません。ただし超短期の国債・優良CP等で運用するため、実質的な元本割れリスクは極めて低く、過去日本のMMFで元本割れが発生したのは2001年のエンロン破綻に関連する事例(一時的な基準価額割れ、額面回復)程度。信託財産の分別管理により、運用会社・販売会社が倒産しても資産は保全されます。

個人向け国債はどこで買えますか?

ゆうちょ銀行、都市銀行、地方銀行、証券会社(SBI・楽天・野村・大和など)で購入可能。毎月募集されており、金融機関によっては購入額に応じたキャッシュバックキャンペーン(購入額の0.1〜0.5%)を実施していることもあります。1万円単位、最低購入額1万円から。ネット証券のキャッシュバック込みだと、実質利回りが+0.1〜0.5pt改善するケースあり。

1,000万円を超える預金は分散すべきですか?

ペイオフ上限は「1金融機関・1預金者につき1,000万円+利息」なので、超過分は破綻時に保護されません。3,000万円あれば①3行に1,000万円ずつ分散、②個人向け国債にシフト(国の元本保証で分散不要)、③決済用預金(利息なし)に置く(全額保護)、の3択。中〜大手行の破綻確率は低いものの、心理的安全のためには国債シフトが最も手軽です。

ネット銀行と大手銀行、どちらが金利で有利ですか?

ネット銀行が有利。あおぞら銀行BANK支店、SBI新生銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行などは、金利優遇プログラムで普通預金でも年0.2〜0.5%(証券口座連携等の条件付き)を提示。大手行の普通預金0.001〜0.1%と比較して10〜500倍の差。ATM手数料・振込手数料の無料回数も大手行より多い傾向で、家計負担全体で年間数万円の差になります。

外貨預金は個人向け国債より有利ですか?

米ドル定期預金の金利は年4〜5%と高利回りに見えますが、①為替手数料(往復で1〜2円/ドル)、②為替変動リスク(円高で元本毀損)、③利息にも20.315%課税+為替差益は雑所得課税、と実質コストが高い。円換算後のリターンでは個人向け国債+インフレヘッジ株式のほうが安定します。外貨預金は「使途が外貨で決まっている」場合(留学・海外移住)のみ推奨。

ゼロ金利解除後、金利はどこまで上がりますか?

日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除、2024年7月・2025年1月と追加利上げを実施。政策金利は0.5%レベル(2025年時点)から、中立金利1.0〜1.5%程度への段階的引き上げが市場の中央予測。連動して10年国債利回りは1.5%程度まで上昇する見通しで、個人向け国債変動10年も年1.0%前後まで戻る可能性があります。ただしCPIも同時に2%レベルで推移する見通しなので、実質利回りゼロ〜プラス転換までは時間がかかる想定。

タンス預金はやめるべきですか?

実質的な家計毀損に加え、防犯・災害・相続時トラブルの観点でもデメリット大。①インフレ2%で10年で購買力が20%低下、②盗難・火災リスク、③相続時に「使途不明資金」として税務署に疑われる、の3リスク。少なくとも100万円程度は普通預金+MMFに移し、緊急時の現金は10〜30万円程度に留めるのが安全設計。日銀統計では家計のタンス預金は約100兆円規模と推計されています。

出典・参考資料

※本記事の計算結果はあくまで概算です。実際の金利・手数料・キャッシュバック・課税関係は各金融機関の商品・時期により異なります。個別判断はFP・金融機関にご相談ください。