計算ツールズ
暗号資産税金

暗号資産(仮想通貨)税金 計算ツール

ビットコイン・イーサリアム等の暗号資産の税金を試算します。雑所得・総合課税の仕組み上、同じ利益でも他の所得によって手取りが変わる点まで確認できます。

暗号資産税 計算機

暗号資産の税制

  • 雑所得・総合課税(所得税最大45%+住民税10%=最大55%)
  • 株式・FXとは異なり申告分離課税は選べない
  • 損失の繰越控除がない(株式の3年繰越とは違う)
  • 給与所得者は年間20万円超で確定申告が必要
  • 損益通算できるのは他の雑所得とのみ

計算式と前提

所得税 = 速算表による(他の所得+利益)の税額 −(他の所得)の税額

住民税 = 暗号資産の利益 × 10%

既定の「給与などの課税所得500万円・暗号資産利益100万円」なら、合計600万円に対する所得税は 6,000,000×20%−427,500=772,500円。利益がなかった場合の500万円に対する所得税は 5,000,000×20%−427,500=572,500円です。この差額200,000円が暗号資産分の所得税で、住民税は 100万円×10%=100,000円、合計300,000円、手取りは700,000円になります。利益が複数の税率帯にまたがる場合も、この差額方式なら過大に計算されません。入力する「給与などの課税所得」は所得控除を差し引いたあとの金額を入れると精度が上がります。復興特別所得税(所得税額の2.1%)は含んでいません。

所得税の速算表

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超 330万円以下10%97,500円
330万円超 695万円以下20%427,500円
695万円超 900万円以下23%636,000円
900万円超 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

利益額別の税負担(他の課税所得500万円のとき)

暗号資産の利益所得税住民税税負担の合計手取り
20万円40,000円20,000円60,000円140,000円
50万円100,000円50,000円150,000円350,000円
100万円200,000円100,000円300,000円700,000円
300万円631,500円300,000円931,500円2,068,500円
500万円1,191,500円500,000円1,691,500円3,308,500円
1,000万円2,841,500円1,000,000円3,841,500円6,158,500円

同じ利益100万円でも他の所得で負担が変わる

他の課税所得適用税率税負担の合計手取り
200万円10%200,000円800,000円
300万円20%270,000円730,000円
500万円20%300,000円700,000円
700万円23%330,000円670,000円
1,000万円33%430,000円570,000円

株式やFXなら利益額にかかわらず20.315%で一定ですが、暗号資産は本業の所得が高いほど手取りが薄くなります。

暗号資産の税金の詳しい解説

暗号資産の利益が総合課税の雑所得になるのは、制度上の位置づけの違いによります。株式や投資信託の譲渡益、FXなどの店頭デリバティブ取引には、租税特別措置法によって20.315%の申告分離課税が手当てされています。暗号資産は資金決済法上の「暗号資産」として規制されていますが、この分離課税の手当てが用意されていないため、原則どおり雑所得として他の所得と合算され、累進税率が適用されます。結果として、同じ100万円の利益でも本業の課税所得が200万円の人と1,000万円の人では税負担が2倍以上変わり、取引の内容ではなくその人の所得水準で結論が決まります。

最も見落とされやすいのが課税のタイミングです。日本円に換金したときだけでなく、暗号資産で商品を購入したときや暗号資産どうしを交換したときにも、いったん譲渡があったものとして所得が計算されます。年末に含み益のまま保有していれば課税されませんが、年内に別の通貨へ交換していればその時点で利益が確定しています。取得価額は原則として総平均法(届出により移動平均法)で計算するため、複数の取引所やウォレットを使っていると、取得単価の集計そのものが最大の作業になります。マイニング・ステーキング・レンディングで受け取った報酬は、受け取った時点の時価が収入になり、同時にその時価が取得価額となります。

判断が分かれるのは、事業所得として申告できるかという点です。取引が継続的・反復的で規模が大きく、生活の糧といえる水準であれば事業所得となり、青色申告特別控除や他の所得との損益通算の余地が生まれます。ただし国税庁の整理では原則として雑所得であり、事業所得と認められるのは限定的です。損失の扱いも株式と大きく違い、雑所得の内部でしか通算できず翌年への繰越もできません。そのため、利益が出た年のうちに含み損のある銘柄を実現させるかどうかという、年をまたぐタイミングの設計が実務上の要点になります。

「20万円」という基準もよく誤解されます。給与を1か所から受けていて給与以外の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。しかしこれは所得税の話で、住民税の申告は金額にかかわらず必要です。また、医療費控除や寄附金控除などで確定申告をするなら、20万円以下の暗号資産の利益も合算して申告することになります。本ツールは所得控除を反映しておらず、復興特別所得税や住民税の均等割・調整控除も含まない簡易計算です。実際の申告額は取得価額の算定方法や控除の適用で変わるため、最終的な判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

よくある間違い・注意点

  • 日本円に換金していないから課税されないと思う — 暗号資産どうしの交換や、暗号資産での商品購入の時点でも所得が発生します。年内の交換履歴を確認してください。
  • 20万円以下なら何も申告しなくてよいと思う — 所得税の確定申告が不要になるだけで、住民税の申告は必要です。医療費控除などで確定申告をする場合も合算します。
  • 株やFXと同じ20.315%だと思う — 暗号資産は総合課税の雑所得で、住民税と合わせて最大約55%です。本業の所得が高いほど負担が重くなります。
  • 損失を翌年に繰り越せると思う — 雑所得内でしか通算できず、繰越控除もありません。利益が出た年のうちに含み損を実現させるかの判断が重要になります。
  • 取得価額を「最後に買った価格」で計算する — 原則は総平均法です。複数回に分けて購入している場合、期中の平均単価で計算し直す必要があります。
  • 1つの取引所の年間報告書だけで済ませる — 複数の取引所・分散型取引所・ウォレット間の移動がある場合、全体を通した集計が必要です。

参考資料・公的情報

※本ツールは所得控除・復興特別所得税・住民税の均等割を含まない簡易計算です。実際の税額は取得価額の算定方法、各種控除、他の所得の内容により変わります。申告内容の最終判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

暗号資産の利益はどの所得区分になりますか?

原則として雑所得(総合課税)です。給与など他の所得と合算され、所得税は5〜45%の累進税率、これに住民税10%が加わります。

円に換金しなければ課税されませんか?

含み益のまま保有していれば課税されませんが、暗号資産どうしの交換や暗号資産での商品購入の時点で所得が発生します。交換の履歴も集計が必要です。

20万円以下なら申告不要ですか?

給与を1か所から受けている方であれば所得税の確定申告は不要です。ただし住民税の申告は必要で、医療費控除などで確定申告をする場合は20万円以下でも合算します。

株式やFXと税率が違うのはなぜですか?

株式やFXには租税特別措置法で20.315%の申告分離課税が用意されていますが、暗号資産にはその手当てがないためです。制度上の位置づけの違いによるものです。

損失が出た場合はどうなりますか?

雑所得の内部でのみ損益通算でき、給与所得との通算も翌年への繰越もできません。利益が出た年のうちに含み損を実現させるかどうかの判断が重要になります。

取得価額はどう計算しますか?

原則は総平均法で、税務署へ届け出れば移動平均法も選べます。いったん選んだ方法は継続して適用する必要があります。複数の取引所を使っている場合は全体を通して集計します。

マイニングやステーキングの報酬はどう扱いますか?

受け取った時点の時価が収入になり、その時価がそのまま取得価額になります。その後に値上がりした状態で売却すれば、差額がさらに所得になります。

事業所得として申告できますか?

取引が継続的・反復的で生活の糧といえる規模であれば認められる余地はありますが、原則は雑所得で事業所得と認められるのは限定的です。判断が微妙な場合は税理士にご相談ください。