帳簿書類の保存期限計算
書類の種別・事業年度末・法人か個人かの区分から、帳簿書類の保存年数と起算日、廃棄が可能になる日を算出します。
帳簿書類の保存期限計算ツール
保存期間の起算日は申告期限の翌日です。3月末決算の法人では申告期限が2026年5月31日なので、起算日は2026年6月1日。帳簿の保存年数は7年なので、保存期限は7年後の応当日の前日にあたる2033年5月31日、廃棄が可能になるのは2033年6月1日以降です。事業年度末から400日が経過した2027年5月5日の時点では、残りの保存期間は6年(2,218日)となります。欠損金を繰り越す事業年度は10年に延びます。
書類の種別と保存年数
| 書類 | 法人 | 個人事業(青色) |
|---|---|---|
| 総勘定元帳・仕訳帳などの帳簿 | 7年(欠損金の繰越があれば10年) | 7年 |
| 決算に関して作成した書類 | 7年(同上) | 7年 |
| 請求書・領収書などの証憑 | 7年(同上) | 5年(一部は7年) |
| 会社法上の計算書類・会計帳簿 | 10年 | 適用外 |
| 労働者名簿・賃金台帳 | 5年(当分の間3年) | 5年(当分の間3年) |
保存方法による要件の違い
| 方法 | 主な要件 |
|---|---|
| 紙のまま保存 | 保管場所と検索性の確保が実務上の課題になります |
| 電子帳簿としての保存 | 訂正削除の履歴、相互関連性、検索機能などが求められます |
| スキャナ保存 | 入力期間の制限、解像度、タイムスタンプ等の要件があります |
| 電子取引データ | 電子で受け取った取引情報は電子のまま保存する必要があります |
※参考計算です。法令・告示・単価は改正されることがあるため、実際の判断は最新の条文と所管窓口、必要に応じて専門家への確認のうえで行ってください。
帳簿書類の保存期限計算の詳しい解説
帳簿書類の保存期限で誤りが起きるのは、起算日が事業年度末ではなく申告期限の翌日である点が知られていないためです。3月末決算の法人であれば、起算日は決算日から2か月後の6月1日となり、7年の保存期限は実質的に7年2か月後まで延びます。年度末の日付だけを見て廃棄の判断をすると、2か月分だけ早く捨ててしまうことになります。決算を延長している場合はさらに後ろにずれるため、自社の申告期限を確認したうえで数えるのが確実です。
判断が分かれるのは、税法と会社法のどちらに合わせるかです。法人税法上の帳簿書類は原則7年、欠損金を繰り越す事業年度は10年とされている一方、会社法は会計帳簿とその資料を帳簿閉鎖の時から10年、計算書類を10年保存すべきものとしています。実務では、書類ごとに年数を分けて管理する方法と、すべて10年で統一する方法があります。分けて管理すれば保管コストは下がりますが、分類の手間と誤廃棄の危険が増えます。件数が多くない会社では10年に揃えるほうが管理は簡単です。
見落とされやすいのは、税務以外の保存義務です。労働者名簿や賃金台帳、出勤簿は労働基準法により5年(当分の間3年)とされ、健康診断の記録や安全衛生に関する書類はさらに長い年数が定められているものがあります。建設業では工事関係の書類、医療や介護では診療録や記録に個別の年数があります。これらは税務書類とは別のカレンダーで動くため、税務の保存期間が満了したからといって一括で廃棄すると、他の法令に抵触します。
保存の方法によっても実務は変わります。電子取引で受け取った請求書や領収書は、電子のまま保存することが求められており、紙に出力して保存する方法は原則として認められません。電子帳簿として保存する場合やスキャナ保存を行う場合は、訂正削除の履歴や検索機能など、それぞれの要件を満たす必要があります。要件と経過措置は改正が重なっているため、実際の運用は国税庁の最新の資料を確認し、必要に応じて税理士に相談してください。
廃棄の実務では、年に一度、期限が満了した箱を抽出して一括で処分する運用が管理しやすくなります。箱ごとに廃棄が可能となる年月を記載しておけば、中身を開けずに判断でき、誤廃棄も防げます。
業界・現場での使い方
文書管理規程の運用
書類の種別ごとに廃棄可能日を算出し、年次の廃棄リストを作成します。
倉庫の保管コスト削減
保存期間が満了した書類を特定し、外部倉庫の保管量を見直します。
電子保存への移行計画
紙で残す書類と電子化する書類を分け、移行の優先順位を決めます。
税務調査への備え
調査で求められる年数分の書類が揃っているかを事前に点検します。
よくある間違い・注意点
- 事業年度末を起算日と考える — 起算日は申告期限の翌日であり、決算日から数えると2か月早く廃棄することになります。
- 会社法の10年保存を見落とす — 会計帳簿と計算書類は会社法により10年の保存が求められています。
- 欠損金の繰越がある年度を7年で処理する — 欠損金を繰り越す事業年度の帳簿書類は10年の保存が必要です。
- 労務書類を税務と同じ扱いにする — 労働基準法に基づく記録は別の年数が定められており、税務の満了とは一致しません。
- 電子取引のデータを紙で保存する — 電子で受け取った取引情報は電子のまま保存することが求められています。
関連する規格・公的資料
- 国税庁 — 国税・申告
- e-Gov 法令検索 — 法令の条文
- 法務省 — 登記・相続
- 厚生労働省 — 労働・社会保険
- 日本年金機構 — 厚生年金・届出
- 国土交通省 — 建設業許可
- 日本行政書士会連合会 — 行政書士
- 日本税理士会連合会 — 税理士
- 日本司法書士会連合会 — 司法書士
- 中小企業庁 — 中小企業施策
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
3月末決算の法人の帳簿はいつまで保存しますか?
起算日は申告期限の翌日である2026年6月1日で、7年後の2033年5月31日まで保存します。
保存期間の起算日はいつですか?
申告期限の翌日です。事業年度末ではないため、決算日から数えると2か月早くなります。
欠損金を繰り越すと保存期間は延びますか?
青色欠損金を繰り越す事業年度の帳簿書類は10年の保存が必要とされています。
会社法上の保存期間はどうなりますか?
会計帳簿とその資料は帳簿閉鎖の時から10年、計算書類も10年の保存が定められています。
個人事業の場合は何年ですか?
帳簿と決算関係書類は7年、その他の書類は5年が原則です。前々年分の所得により扱いが変わる場合があります。
労働者名簿や賃金台帳は何年ですか?
労働基準法により5年とされ、当分の間は3年とする経過措置が設けられています。
電子で受け取った請求書はどう保存しますか?
電子取引の取引情報は電子データのまま保存することが求められており、紙への出力保存は原則として認められません。
保存期間を過ぎた書類はすぐ捨ててよいですか?
税務以外の法令や訴訟対応の観点から、契約書など一部は長く残す運用が一般的です。規程で扱いを定めてください。