物件管理費
戸数と賃料から、賃貸管理の委託費用と方式ごとの手取りを試算します。
物件管理費ツール
計算式と考え方
管理委託料は「集金した賃料 × 委託料率」で求めます。12戸・月額68,000円なら満室想定の年間賃料は9,792,000円、入居率92%で実際の集金は9,008,640円です。委託料率5%を掛けると年間450,432円、月あたり約37,536円になります。これに年3戸の退去に伴う募集広告料(賃料1か月分)204,000円を加えると、年間の管理コストは654,432円です。集金賃料に対する比率は約7.26%、1戸あたり約54,536円となり、控除後の手取りは8,354,208円という計算になります。
管理方式の違い
| 集金代行 | 賃料の3〜7%程度。入居者対応、集金、退去精算を委託する標準的な形 |
|---|---|
| サブリース | 満室賃料の10〜20%を控除。空室でも一定額が入るが賃料改定の条項に注意 |
| 自主管理 | 委託料は不要。入居者対応と修繕手配を自ら行うため時間の負担が生じる |
| 募集広告料 | 成約時に賃料の1か月分程度。退去が多いほど管理コスト全体が膨らむ |
物件管理費の詳しい解説
賃貸管理の委託料は、集金した賃料に対する比率で定められるのが一般的で、水準としては3%から7%の範囲に収まります。この差は、業務範囲の広さと物件の状況によって生じます。集金と送金だけを担う契約であれば低く、入居者からの問い合わせ対応、退去時の立会いと精算、原状回復工事の手配、滞納の督促までを含むと高くなります。率だけを比較して安いほうを選ぶと、実際には別途費用が請求される業務が多く、総額では変わらないという結果になりがちです。契約前に業務の一覧と、別途費用となる項目を確認することが比較の前提になります。管理コストは委託料だけではありません。入居者が退去するたびに、次の入居者を募集するための広告料が発生し、賃料の1か月分程度が相場です。退去が多い物件では、この費用が委託料を上回ることもあります。したがって、管理会社を評価する際には、委託料率よりも入居期間の長さと空室期間の短さが重要になります。入居者の定着に寄与する対応ができているか、退去の連絡から次の成約までの日数がどの程度かという実績を確認するほうが、費用対効果の判断につながります。サブリースは、管理会社が物件を一括で借り上げ、空室にかかわらず一定の賃料を支払う形式です。空室のリスクを移転できる一方、控除される率は10%から20%と大きく、満室に近い運営ができる物件では収入が減ります。加えて、契約に賃料の改定条項が含まれるのが通例で、一定期間ごとに保証賃料が見直されます。借地借家法上、借り手である管理会社にも保護が及ぶため、貸主側からの解約が制限される場合があります。この点をめぐるトラブルが多かったことから、契約前の重要事項の説明が法律で義務づけられました。長期にわたって同額が保証されるという理解で契約すると、想定と異なる結果になります。自主管理は委託料がかからない分だけ収入が増えますが、入居者からの連絡への対応、設備の故障時の手配、滞納への対応を自ら行う必要があります。この作業時間を人件費として換算すると、小規模な物件でも年間数十万円に相当します。加えて、対応が遅れれば入居者の満足度が下がり、退去につながります。遠隔地の物件や本業がある場合は、時間の制約から委託が現実的な選択になります。管理会社を選ぶ際の観点としては、担当する物件数に対する人員の配置、入居者からの連絡を受ける体制、賃料の送金の期日と明細の明瞭さ、原状回復工事の見積の妥当性が挙げられます。工事を系列の会社に発注する仕組みでは、相見積もりが取れないことがあるため、一定額を超える工事について事前の承認を要する条項を入れておく方法があります。
業界・現場での使い方
管理方式の比較
集金代行、サブリース、自主管理の手取りを同じ条件で比べます。
委託料率の妥当性確認
募集費用まで含めた管理コスト全体の比率を把握します。
収支計画の作成
1戸あたりの管理コストから物件全体の収支を見積もります。
よくある間違い・注意点
- 委託料率だけで管理会社を比べる — 業務範囲と別途費用が異なります。募集費用を含めた総額と入居期間で評価してください。
- サブリースの賃料が固定だと考える — 改定条項があるのが通例です。解約の制限も含めて契約前の確認が必要です。
- 自主管理の時間を費用と見ない — 月20時間なら年間で数十万円に相当します。対応の遅れは退去にもつながります。
関連する規格・法規
- 日本不動産研究所
- 日本賃貸住宅管理協会
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
委託料率の相場は?
集金賃料の3〜7%程度が一般的です。業務範囲によって差が生じます。
サブリースは有利ですか?
空室が多い物件では有利ですが、高稼働の物件では控除率の負担が上回ります。
管理会社は何で比べますか?
料率よりも入居期間の長さと空室期間の短さです。原状回復の見積の妥当性も確認してください。