紙引張強度・破裂強度
坪量・紙種から引張強度(N/15mm)・破裂強度(kPa)・裂断長を即算出。段ボール・包装用紙・米袋・重袋の設計判断に。
クラフト・ライナ・中芯・板紙・上質紙のプリセット、MD/CD方向係数、湿度補正、JIS P 8112/8113準拠の目安値まで一括処理。
紙引張強度・破裂強度ツール
基本式
引張強度(N/15mm) = 坪量(g/㎡) × 紙種係数(MD)
破裂強度(kPa) = 坪量(g/㎡) × 破裂係数
裂断長(km) = 引張強度(N/mm) / (坪量(g/㎡) × 9.81 × 10⁻⁶)
比破裂強度(kPa·m²/g) = 破裂強度(kPa) / 坪量(g/㎡)
クラフト紙150g/㎡で引張約75N/15mm・破裂約600kPa。CD方向はMD方向の70-80%が目安、湿度が上がると強度が線形的に低下します。段ボール強度は原紙×段構造(A/B/C段)の複合で決まり、Concora(RCT)・エッジクラッシュ(ECT)・箱圧縮(BCT)の3指標が総合的に評価されます。
用途別 目標強度早見
| 用途 | 破裂強度 | 坪量目安 | 使用紙種 |
|---|---|---|---|
| 紙袋(買物) | 200-400kPa | 60-90g | クラフト |
| 米袋(30kg) | 500kPa以上 | 110g | 特クラフト |
| 重袋(セメント) | 600kPa以上 | 140-160g | 特クラフト |
| 段ボールA(標準) | 800kPa | K180+K180 | Kライナ |
| 段ボールAA | 1200kPa | K220+K220 | Kライナ厚手 |
| 特殊重量物 | 2000kPa+ | K280以上 | 特殊Kライナ |
| 新聞紙 | 50-100kPa | 42-52g | 新聞用紙 |
| コピー用紙 | 200kPa | 64-80g | PPC |
段ボール規格(JIS Z 1516)別 強度
| 種類 | ライナ | 中芯 | 厚さ | 圧縮強度 |
|---|---|---|---|---|
| Aフルート | K180 | SCP125 | 約5mm | 2000N/m |
| Bフルート | K180 | SCP125 | 約3mm | 1500N/m |
| Cフルート | K180 | SCP125 | 約4mm | 1800N/m |
| Eフルート | K180 | SCP125 | 約1.5mm | 800N/m |
| Fフルート | K180 | SCP125 | 約0.7mm | 500N/m |
| AB複両面 | K220 | SCP180 | 約8mm | 3500N/m |
紙引張強度・破裂強度の詳しい解説
紙の強度は「セルロース繊維の水素結合ネットワーク」によって決まる複合物性で、内容物保護と省資源のバランス設計が包装業界の永遠のテーマです。引張強度(Tensile Strength)は幅15mmの短冊状試験片を長軸方向に引っ張って破断させたときの最大荷重で、JIS P 8113で試験方法が規定されています。単位はN/15mmが一般的ですが、絶乾状態を基準としたN/mや、坪量で正規化した"裂断長"(Breaking Length, 単位km)も業界で併用されます。
破裂強度(Bursting Strength)はミューレン式破裂度試験機で紙面に垂直な圧力を徐々にかけ、破裂する瞬間の圧力を測定した値で、JIS P 8112で規定。単位はkPa(またはkgf/cm²)で、内容物の重量や落下衝撃に対する耐性を判断する指標です。坪量で除した"比破裂強度"(Burst Index、kPa·m²/g)は原料パルプの品質評価に用いられ、木材種・叩解度・薬品条件の影響を分離して評価できます。
紙は抄紙工程で流れ方向(MD:Machine Direction)に繊維が配向するため、MD方向とCD方向で強度が20-40%異なる異方性材料です。MD方向は繊維軸方向の引張なので強く、CD方向は繊維間結合の剪断が支配的で弱い。設計・試験ではMD/CD両方の測定値を報告し、平均値でなく低い方(CD側)で安全性を判断するのが一般的です。
段ボール工業では、原紙の強度単体でなく波形加工後の複合強度が実用値となります。Aフルート(高さ約5mm)は緩衝性優先、Bフルート(約3mm)は積載性優先、Cフルート(約4mm)は米国系サイズで両者の中間性能、Eフルート(約1.5mm)はディスプレイ・小箱用、Fフルート(約0.7mm)はマイクロ段で高級ギフト箱に使用されます。段の高さと数(段長)で緩衝・圧縮性能が変化し、内容物と輸送条件から適切な段構造を選定します。
湿度と紙強度の関係は極めて重要です。相対湿度65%RH(標準状態)を100%とすると、湿度85%RHで強度は約60-70%まで低下し、水濡れではさらに10-30%まで激減。輸出向け包装や海運では、乾燥剤・防湿ライナー・耐水加工の併用が事実上必須で、コーラボード(コート紙)、ワックスライナー、PE(ポリエチレン)ラミネートなどが用いられます。フィリピン産バナナの輸入段ボールに耐水加工が施されるのはこのためです。
近年は環境負荷削減の観点から、脱プラ・脱発泡スチロールの動きが加速し、紙製包装への回帰が進んでいます。強度確保のため、リサイクル古紙100%(RCP)・バージンパルプ配合率調整・添加剤(サイズ剤・湿潤紙力剤)の最適化が製紙会社の技術競争テーマ。特にEC通販の急伸で、宅配用の中型段ボール需要が急増し、軽量高強度化(K180→K150化)がコスト・CO2削減の両立解となっています。
段ボール設計の総合強度指標
ECT(Edge Crush Test)
段ボール片を段方向に垂直に立てて圧縮し、座屈するまでの荷重をN/mで示す指標。ECT値と箱圧縮強度(BCT)の相関が段ボール強度設計の基本で、McKee公式 BCT = 5.87 × ECT × √(t × P) で予測されます(t:段厚、P:箱周長)。JIS Z 0404で規定されています。
RCT(Ring Crush Test)
短冊状原紙を筒状に立てて圧縮し、座屈するまでの荷重(N)で原紙圧縮強度を評価。中芯の圧縮強度指標として重要で、輪環圧縮試験の名でJIS P 8126で規定。段ボールの積載強度予測にECTと共に使われます。
BCT(Box Compression Test)
実箱を上下方向に圧縮して破壊荷重(N)を測定する最終評価。物流現場での積載限度直結の指標で、パレット段積み時の下段箱の荷重耐性判定に使用。安全率2倍で設計するのが業界標準です。
ばくれつ強度(mullen)と破裂強度指数
ミューレン式破裂試験(kPa)を坪量で除した破裂強度指数(kPa·m²/g)は原料由来の紙質評価。針葉樹クラフトパルプで6-8、広葉樹で3-4、古紙原料で2-3程度が目安値。同一坪量でも原料違いで大きく変わります。
業界・現場での使い方
段ボール工場
受注仕様書のスペック検証。K180+K180のAフルートで箱圧縮5000N保証など、原紙選定と製函設計の一次判定に。McKee公式による箱設計最適化にも使用します。
物流・梱包業
パレット段積みでの下段荷重耐性チェック、輸送振動・落下衝撃への対応判定、輸出コンテナ内での高積み可否判断に。安全率2倍を基本とします。
製紙・パルプ
叩解度・薬品配合・添加剤の効果検証、古紙配合率と強度のトレードオフ評価、新製品開発時のベンチマーク比較に。破裂指数で原料品質を分離評価。
包装設計・購買
米袋・セメント袋・重袋のスペック検証、宅配用中型段ボールのコスト削減提案、内容物と包材の適合性判断(過剰包装排除)に。
検品・品質保証
JIS適合試験、入荷ロットの受入検査、クレーム時の破損原因分析に。試験機の校正・恒温恒湿環境の維持も品証部門の重要業務です。
EC・通販事業
宅配便でのダメージ率低減、返品コスト削減、ブランドイメージ保護のための梱包強度最適化。過剰包装のCO2排出削減とのバランスも課題です。
ケーススタディ:現場での実務計算
ケース1:米袋(30kg)の強度設計
- 要求:30kg米を積上げ10段・落下1m耐性
- 米袋業界標準:破裂強度500kPa以上、Kクラフト110-140g/㎡×3層
- 計算:140g × 破裂係数4.5(特クラフト) = 630kPa(要求満たす)
- 更に湿度65%RH/水濡れリスク考慮で防湿PEライナー内貼り
ケース2:EC宅配用段ボールの軽量化
- 従来仕様:K180+K180のAフルート(箱重量200g)
- 軽量化案:K150+K150のBフルート(箱重量150g)
- ECT削減:180→150で17%低下、Bフルートで段圧縮は10%改善
- 総合:BCT予測は5%低下、コスト15%削減、CO2 15%削減
- 宅配1個体ダメージ率テストで問題なければ採用
ケース3:フィリピン産バナナの海上輸送包装
- 環境:赤道直下・湿度80%RH以上・28日間航海
- 要求:湿度補正後でも破裂800kPa以上維持
- 採用:耐水加工Kライナ+コーティング中芯+PEラミネート
- 湿度85%RH時強度70%残存 → 標準品1200kPa設計で対応
ケース4:セメント25kg袋の重袋設計
- 内容物:セメント25kg、輸送落下1.5m基準
- 特クラフト140g×2層+ポリラミ1層の3プライ構造
- 引張強度160N/15mm・破裂700kPa以上を確保
- 粉体透過を防ぐバルブ弁付き、JIS Z 1519準拠
ケース5:印刷用紙のマット感と強度
- 広告カタログ用A4上質紙 90g/㎡
- 引張強度MD 50N/15mm・CD 30N/15mm(異方性大)
- 裂断長 約3.5km(上質紙標準)
- 加工工程(印刷・断裁・折り)でCD方向の割れリスク要注意
よくある間違い・注意点
- 新品状態の値のみで設計 — 湿度85%RHで強度60-70%低下、水濡れで10-30%。輸出向け・長期保管品は必ず湿度補正込みで設計要。防湿ライナや耐水加工の併用も検討。
- MD/CDの区別を無視 — MD(タテ)とCD(ヨコ)で強度が20-40%異なる異方性。両方向を測定し、低い方(CD)で安全性判断。設計図面には試験方向を必ず明記。
- 坪量比例の直線外挿 — 坪量50-200g/㎡の範囲では比例に近いが、極端に高坪量(300g以上)ではプレス効率低下で係数が下がる。抄紙条件・叩解度も影響。
- ミューレン破裂とECT/BCTの混同 — ミューレンは原紙の面破裂、ECTは段の圧縮、BCTは箱としての圧縮。指標が異なるため単純比較不可。設計はBCTを最終指標に。
- 古紙配合率100%と表記だけで判断 — 古紙の由来・叩解度・添加剤で強度差が大きい。牛乳パック由来と新聞由来では紙質が別物、購買時は破裂指数指定を推奨。
- 単純平均で複合強度を算出 — ライナ+中芯+ライナの合計強度は加算でなくECT/BCT実測が必要。McKee公式による概算はあくまで一次評価。
- 常温常湿以外の環境試験を省略 — 標準状態(23℃・50%RH)で合格しても、実運用の輸送環境(高温多湿・低温結露)で破損する事例多発。輸送シミュレーション試験推奨。
関連する規格・法規
- JIS P 8113「紙及び板紙−引張特性の試験方法」— 引張強度・伸び・引張エネルギー吸収量。
- JIS P 8112「紙−破裂強さの試験方法」— ミューレン式破裂試験の手順。
- JIS P 8126「紙及び板紙−圧縮強さの試験方法(リングクラッシュ法)」— RCT試験。
- JIS Z 0404「段ボールのエッジクラッシュ強さの試験方法」— ECT試験。
- JIS Z 0212「包装貨物の落下試験方法」— 段ボール箱の落下耐性評価。
- JIS Z 1516「外装用段ボール」— 段ボール規格・種類・仕様。
- JIS Z 1519「重袋用紙」— セメント袋等の重袋用クラフト紙規格。
- ISO 1924「Paper and board — Determination of tensile properties」— 国際版。
- TAPPI T 494「Tensile properties of paper」— 米国製紙業界標準。
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁・製紙メーカ仕様書の判断に従ってください。輸送包装は落下・振動・積載試験(JIS Z 0200シリーズ)による実物評価が推奨されます。
紙強度の測定機器
| 試験機 | 試験項目 | 精度 | コスト |
|---|---|---|---|
| 引張試験機(オリエンテック等) | 引張強度・伸び | ±1% | 50-300万円 |
| ミューレン式破裂試験機 | 破裂強度 | ±3% | 30-100万円 |
| リングクラッシャ | RCT圧縮強度 | ±2% | 50-150万円 |
| ECTテスタ | エッジクラッシュ | ±3% | 80-200万円 |
| BCT箱圧縮試験機 | 箱圧縮強度 | ±5% | 200-800万円 |
| 恒温恒湿槽(23℃50%RH) | 試験環境調湿 | ±0.5℃/±3%RH | 100-500万円 |
測定前の調湿(JIS P 8111)
紙は吸放湿性が強く、測定条件を統一しないと結果が変動します。標準状態23℃・50%RHで24時間以上調湿するのがJIS/ISO規定。過去湿度履歴のヒステリシス影響もあるため、絶乾処理後の再調湿(preconditioning)を推奨する規格もあります。
よくある質問(FAQ)
クラフト紙150g/㎡の引張強度は?
MD方向で約75N/15mm、CD方向で50N/15mm前後。破裂強度は約600kPa。米袋・重袋用途で標準的な強度水準で、内容物30kg・落下1m耐性を持ちます。
MD方向とCD方向で強度が違うのはなぜ?
抄紙工程で流れ方向(MD)に繊維が配向するため。MD方向は繊維軸方向の引張、CD方向は繊維間結合の剪断が支配的。異方性は20-40%で、CDが弱い。設計時はCD側で判断するのが安全です。
段ボールのA・B・Cフルートの違いは?
A(高さ5mm)緩衝性優先、B(3mm)積載性優先、C(4mm)中間バランス。用途で選定します。Eフルート(1.5mm)は小箱・ディスプレイ、Fフルート(0.7mm)は高級ギフト箱に。
破裂強度が低下する主な原因は?
①湿度上昇(65%→85%で30%低下)、②水濡れ(70%低下)、③長期保管(3年で20%低下)、④繰り返し折り曲げ、⑤古紙配合率の上昇。特に輸出品・長距離輸送では湿度対策が最重要です。
ECTとBCTの関係は?
McKee公式 BCT = 5.87 × ECT × √(t × P) で予測(t:段厚mm、P:箱周長mm)。ECT+段厚+箱形状で箱圧縮強度を推定できる、段ボール設計の基本公式です。
耐水段ボールとは?
ワックス含浸・耐水樹脂塗工・ラミネート等で水濡れ耐性を強化した段ボール。フィリピン産バナナの海上輸送、生鮮野菜、冷凍食品用途で使用。標準品比コスト2-3倍。
裂断長とは何?
紙を自重で自ら切断する長さ(km)。裂断長 = 引張強度(N/mm) / (坪量×9.81×10⁻⁶)。原料パルプの品質評価指標で、針葉樹クラフトで8-12km、広葉樹で4-6km、古紙で3-5km程度。
古紙100%段ボールは強度不足?
叩解度・薬品条件で改善可能。ただしバージンパルプ配合品比で10-20%低下が一般的。輸出向け・重量物用は原紙選定で対応するのが実務。国内標準宅配段ボールなら古紙100%で十分な性能を確保できます。
段ボールのリサイクル率は?
日本の段ボール古紙回収率は約95%、リサイクル率も95%超で世界トップクラス。原紙の古紙配合率も平均95%以上、"見えないところで循環している"包材の典型例。
宅配段ボールに最適な段構造は?
Bフルート単段(厚さ3mm)が標準。中身が壊れやすい家電・食器はABフルート複両面(8mm)、書類・アパレルはEフルート(1.5mm)で軽量化。EC事業者の梱包コストとダメージ率のバランスで決定します。
用語集
- 坪量(Basis Weight)
- 単位面積あたりの紙の質量(g/㎡)。紙種の基本仕様。連量(単位:kg)は特定寸法・枚数の質量で表す旧慣習。
- MD(Machine Direction)
- 抄紙機の流れ方向。繊維が配向する強い方向。
- CD(Cross Direction)
- MDと直交する方向。MDより強度が20-40%低い。
- 引張強度(Tensile)
- 幅15mmの短冊を長軸方向に引張破断させる最大荷重。単位N/15mmまたはN/m。
- 破裂強度(Burst)
- ミューレン式破裂試験機で紙面に垂直な圧力をかけ破裂した瞬間の圧力。単位kPa。
- 裂断長(Breaking Length)
- 紙が自重で切断する長さ(km)。原料パルプ品質評価に使用。
- 破裂指数(Burst Index)
- 破裂強度を坪量で除した値。kPa·m²/g。パルプ品質評価。
- ライナ
- 段ボールの外層・内層に使う原紙。Kライナ(クラフト)・Cライナ(古紙)。
- 中芯
- 段ボールの波形加工される中間層原紙。SCP(半晒中芯)が標準。
- ECT(Edge Crush Test)
- 段ボールを段方向に垂直に立てて圧縮する試験。単位N/m。
- BCT(Box Compression Test)
- 実箱の上下圧縮試験。物流での積載強度直結指標。
- McKee公式
- BCT予測式。BCT = 5.87×ECT×√(t×P)。
- 調湿
- 試験前に標準状態(23℃50%RH)で24時間以上放置する慣らし手順。
環境配慮と紙包装のトレンド
脱プラ・脱発泡スチロールの動き
2022年施行のプラスチック資源循環法で使い捨てプラ削減が法制化され、紙製包装への回帰が加速。大手EC・宅配業者・食品メーカが緩衝材(紙製ハニカム・ペーパークッション)、内装材(モールドパルプ)、外装(段ボール一体成形)への切替を進めています。
軽量高強度化技術
K180→K150への軽量化はCO2 15%削減、コスト15%削減の効果があり、EC事業者の主戦場。原料側では針葉樹クラフトパルプの叩解制御、微細セルロース(CNF)配合、湿潤紙力剤の最適化で強度を維持したまま坪量を下げる技術開発が進行中です。
リサイクル率と回収
日本の段ボール古紙回収率95%、再生原紙配合率95%以上は世界トップ。海外(米国60-70%、欧州80%前後)と比較しても優位で、SDGs文脈で日本包装業界の強みとして訴求されています。
耐水・防湿技術の進化
従来ワックス含浸(PEコーティング比リサイクル性劣位)から、水性樹脂塗工・バイオPE・生分解性フィルムラミネートへ。フランスDS Smith等の欧州段ボール大手が牽引し、日本国内でもレンゴー・王子・大王が2025-2028年に量産化予定です。
まとめ・実務ポイント
紙強度は「セルロース繊維の水素結合ネットワーク」で決まる複合物性で、引張・破裂・段圧縮・箱圧縮の各指標を用途に応じて使い分けます。坪量・紙種・方向(MD/CD)・湿度の4パラメータが主要変数で、標準状態(23℃50%RH)での試験値を基準に、実運用環境での補正を加えるのが実務のポイントです。
段ボール設計ではECT/RCT/BCTの3指標の使い分け、McKee公式による箱設計最適化、湿度による強度低下(85%RHで70%残存)への対策が中心となります。EC通販の急伸で軽量高強度化・脱プラ包装への回帰が進んでおり、原紙選定と段構造の最適化がコスト・CO2・ダメージ率のトリレンマ解決の鍵です。
本ツールは坪量・紙種の入力から一次判定を提供します。実運用では必ずJIS準拠の試験機による実測、および輸送包装試験(JIS Z 0200シリーズ)による総合評価と組み合わせてご活用ください。
参考文献・公的リソース
- 日本産業標準調査会「JIS P 8113 引張特性・8112 破裂強さ」jisc.go.jp
- 日本産業標準調査会「JIS Z 1516 外装用段ボール」jisc.go.jp
- 日本製紙連合会「紙・板紙の統計・技術資料」jpa.gr.jp
- 全国段ボール工業組合連合会「段ボール規格・技術情報」zendanren.or.jp
- 紙パルプ技術協会「Japan Tappi Journal」japantappi.org
- 経済産業省「紙・パルプ産業動向」meti.go.jp
- ISO「ISO 1924 Paper Tensile Properties」iso.org
- TAPPI「Testing Standards」tappi.org