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心電図検査

心電図検査の窓口負担を、安静時12誘導・ホルター24時間・負荷心電図の3種別で試算します。金額は診療報酬点数から計算しているため全国どこでも同じ考え方です。点数が13倍も違う理由、症状によって選ぶ検査が変わる仕組み、会計に上乗せされる初診料・再診料まで整理しました。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

心電図検査ツール

計算式と前提

保険診療の費用は診療報酬点数で決まります。1点10円に換算し、自己負担割合を掛けたものが窓口負担です。心電図の種別ごとに点数が定められているため、施設によって金額が変わることは原則ありません。

窓口負担 = 点数 × 10円 × 自己負担割合
安静時12誘導 = 130点 → 3割で 390円
ホルター型(8時間を超えた場合) = 1,750点 → 3割で 5,250円
負荷心電図(最低12誘導) = 380点 → 3割で 1,140円

既定値の「安静」では390円が表示されます。これは検査そのものの費用だけで、初診料291点や再診料75点、同じ日に行う他の検査は含みません。トレッドミルやサイクルエルゴメーターを使う負荷検査は別の区分(1,600点、3割で4,800円)になります。健診や人間ドックで受ける心電図は保険の対象外で、健診料に含まれる扱いです。

種別・負担割合別の早見表

点数から計算した窓口負担です。自己負担割合は年齢と所得で決まります。

検査点数10割3割(本ツールの表示)2割1割
安静時12誘導130点1,300円390円260円130円
負荷心電図(最低12誘導)380点3,800円1,140円760円380円
ホルター型(8時間を超えた場合)1,750点17,500円5,250円3,500円1,750円
参考:トレッドミル・エルゴメーターによる負荷1,600点16,000円4,800円3,200円1,600円

受診1回あたりの会計イメージ(3割負担)

検査料に受診料を足した金額です。同じ日に血液検査や胸部X線を行えば、さらに上乗せされます。

受け方内訳合計点数3割負担
初診で安静時心電図初診料291+心電図130421点約1,263円
再診で安静時心電図再診料75+心電図130205点約615円
再診で負荷心電図再診料75+負荷380455点約1,365円
ホルター(装着日と返却日の2回受診)再診料75×2+ホルター1,7501,900点約5,700円

自己負担割合の区分

年齢負担割合
義務教育就学前2割(子ども医療費助成でさらに下がる場合あり)
就学後〜69歳3割
70〜74歳原則2割(現役並み所得は3割)
75歳以上原則1割(一定以上の所得は2割、現役並みは3割)

心電図検査費用の詳しい解説

安静時12誘導が130点、ホルターが1,750点と13倍以上の差になるのは、装置の値段ではなく、拘束される時間と人手の差です。安静時心電図は電極を貼って数十秒記録するだけで、判読も1枚の波形で完結します。対してホルターは記録装置を貸し出し、24時間で10万拍を超える波形を自動解析にかけ、そのうえで医師が異常波形を確認します。装着と返却で受診も2回になります。負荷心電図が380点なのも同じ理屈で、運動をさせながら状態を監視する人員が必要だからです。点数の差は「何分の観察を、誰が引き受けるか」を映していると考えると、金額の順序が理解しやすくなります。

実務で判断が分かれるのは、どの検査を選ぶかです。安静時心電図は安く手軽ですが、記録している数十秒の外で起きている異常は写りません。動悸が週に数回なら24時間のホルターで捕まる見込みがありますが、月に1回程度なら24時間では空振りになりやすく、より長い期間記録する方法が検討されます。逆に、階段を上ったときだけ胸が締めつけられるという症状なら、安静では何も出ないため負荷をかける検査が向きます。安いから安静時で済ませるという選び方をすると、正常という結果だけが残って次に進めなくなることがあります。何を捕まえたいのかを医師と共有することが、結果的に費用の無駄を減らします。

見落とされやすいのは、表示額が検査単独の金額である点です。受診には初診料291点または再診料75点がかかり、心電図だけで完結することはまれで、血液検査や胸部X線、心臓超音波が同じ日に加わることがよくあります。ホルターは装着日と返却日で2回分の受診料が発生します。もう一つは、健診や人間ドックの心電図が保険の対象外で、健診料に含まれるという点です。同じ検査でも入口が違えば費用の考え方がまったく変わります。結果の読み方にも注意が必要で、所見欄には健康な方にも珍しくない記載が現れます。

負担額は年齢と所得で変わります。義務教育就学前は2割、就学後70歳未満は3割、70〜74歳は原則2割、75歳以上は原則1割で、現役並みの所得があれば年齢を問わず3割です。子ども医療費助成が使える年齢なら窓口負担がほとんど生じない地域もあります。一方で、自由診療と違って施設ごとの価格差はほぼありません。全国一律の点数表で決まるため、安い医療機関を探すという発想は当てはまらない領域です。費用を抑えたいときに効くのは、施設選びよりも、必要な検査を一度で組み立ててもらうことです。検査の要否と種類の選択は、症状を診た医師の判断に従ってください。

よくある間違い・注意点

  • 表示額だけを持って受診する — 検査料のほかに初診料または再診料がかかります。安静時心電図を初診で受けると3割負担で1,263円が目安で、他の検査が加われば数千円になります。
  • 健診の心電図と保険診療の心電図を同じ値段で比べる — 健診は保険の対象外で、費用は健診料に含まれます。金額の性質が違うため、比較になりません。
  • 症状が出ていないときの正常結果で安心する — 安静時心電図が写すのは記録中の数十秒だけです。発作性の不整脈は、その瞬間に記録されなければ捉えられません。
  • ホルターの費用を1回分の受診料で見積もる — 装着日と返却日で2回受診するため、再診料も2回分かかります。合計は3割負担で5,700円前後になります。
  • 所見欄の用語だけで判断する — 軽度のST変化や不完全右脚ブロックなど、健康な方にもよく見られる記載があります。意味は症状や他の検査と合わせて医師が評価します。

参考資料・公的情報

※本ツールは診療報酬点数に基づく参考計算です。検査の要否・種類の選択・結果の解釈は、診察した医師の判断に従ってください。加算の届出状況により実際の金額は前後します。

よくある質問(FAQ)

表示額だけ持っていけば足りますか?

足りません。検査料のほかに初診料291点(3割で873円)または再診料75点(3割で225円)がかかり、必要に応じて血液検査や胸部X線が同じ日に加わります。安静時心電図を初診で受けると3割負担で1,263円が目安です。加算の届出状況によって数十円から数百円上下します。

健診に含まれる心電図はいくらですか?

健診や人間ドックは病気の治療ではないため保険の対象外で、心電図の費用は健診料に含まれる形になります。本ツールの金額は症状があって受診し、医師が必要と判断した保険診療の場合のものです。健診の心電図で異常を指摘され、あらためて医療機関で調べる段階からは保険診療になります。

ホルター心電図が高いのはなぜですか?

24時間分の記録装置を貸し出し、10万拍を超える波形を自動解析したうえで医師が確認する工程が価格に含まれるためです。8時間を超えた場合の点数は1,750点で、安静時12誘導の130点の13倍以上になります。装着と返却で2回受診することになるため、再診料も2回分かかります。

動悸があるのに検査は正常と言われました。

安静時心電図は記録している数十秒間の電気活動だけを写します。症状が出ていない時間に測れば正常と出るのが自然で、異常がないと確定したわけではありません。発作の頻度が週に数回ならホルター、月に1回程度ならより長い期間記録する方法が検討されます。次の一手は診察した医師と相談してください。

負荷心電図はどんなときに受けますか?

階段や坂道など体を動かしたときだけ胸が締めつけられる、という症状のときに用いられます。安静にしていると心電図に変化が出ないため、あえて負荷をかけて虚血のサインを引き出す検査です。マスター2階段法などは380点(3割で1,140円)、トレッドミルやエルゴメーターを使う場合は1,600点(3割で4,800円)と幅があります。

スマートウォッチの記録は検査の代わりになりますか?

なりません。一般的な装着型機器の記録は誘導数が少なく、医療機関で行う12誘導心電図とは得られる情報の量が違います。症状が出た瞬間の記録が残る点には価値があるため、受診時に持参して見せるのは有用です。ただし診断や治療方針は、医療機関の検査に基づいて医師が判断します。

結果に「不完全右脚ブロック」と書かれていました。

心電図の所見欄には、健康な方にもよく見られる記載が現れます。心臓の病気を必ず意味するものではなく、症状や他の検査とあわせて評価されます。逆に、所見がなくても症状が続くなら追加の検査が必要な場合があります。書かれた用語だけで判断せず、説明を受けた医師に意味を確認してください。