計算ツール
ギターフレットスケール長オクターブ調整

ギターのフレット位置の実寸計算

スケール長とフレット番号から、ナットからの距離と間隔、実測との誤差、ブリッジの補正量を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ギターのフレット位置の実寸計算ツール

ナットから第nフレットまでの距離はスケール長×(1−2の−n/12乗)で求めます。既定値のスケール648mmでは、第5フレットが648×0.250846=162.55mm、第4フレットとの間隔は28.87mmです。第12フレットはちょうど半分の324.00mmで、実測324.5mmとの誤差は0.50mm。1弦・弦高2.0mmでの推奨補正量は1.30mm、現在の2.0mmとは0.70mmの差があります。

主なスケール長と12フレットの位置

区分スケール長12フレット1フレット
ロングスケール648mm324.00mm36.37mm
ミディアムスケール629mm314.50mm35.30mm
ショートスケール610mm305.00mm34.24mm
クラシックギター650mm325.00mm36.48mm
ベース(ロング)864mm432.00mm48.49mm

弦の種類とブリッジ補正量の目安

補正量の目安理由
1弦(細いプレーン)1〜2mm押弦による伸びが小さい
3弦(太いプレーン)1.5〜2.5mm太さの割に剛性が高い
6弦(巻弦)2.5〜4mm質量が大きく伸びの影響が出る
弦高が高い場合さらに0.3〜1mm押し込む距離が増えるため

※参考計算です。機材の仕様・気象条件・料金体系によって結果は変わるため、実機の表示や販売店の案内で確認してください。

ギターのフレット位置の実寸計算の詳しい解説

フレットの位置は、1オクターブで振動する長さが半分になるという関係から導かれます。半音ごとに長さを2の12乗根で割っていくため、ナットからの距離はスケール長に一定の比率を掛けた値になります。第12フレットが必ず半分の位置に来るのはこのためで、スケール長さえ分かれば全フレットの位置が一意に決まります。間隔は高音側ほど狭くなり、第1フレットが約36mmなのに対して第12フレットの直前は約19mmまで縮みます。

判断が分かれるのは、理論値と実測が食い違ったときの扱いです。第12フレットの実測が理論値より長ければ、そのフレットで押さえた音は低めに出ます。0.5mm程度の差は演奏で気づきにくい一方、開放弦とオクターブの音程を厳密に合わせたい場面では無視できません。フレットの打ち込み位置がずれている場合は修正が難しく、ブリッジ側の補正で折り合いをつけるのが現実的です。

見落とされやすいのは、弦を押さえる行為そのものが音程を上げることです。弦を指板に押し込む分だけ張力が増し、実際の音は理論値より高くなります。この上がり方は弦が太いほど、弦高が高いほど大きくなるため、ブリッジ側を後ろへずらして弦長を伸ばす補正が必要です。補正量が弦ごとに違うのはこの理由で、巻弦では1弦の2倍以上になります。

スケール長の選択は音にも演奏性にも効きます。長いほど同じ音程で張力が高くなり、輪郭のはっきりした音になる一方、フレット間隔が広く手の小さい人には負担です。短いスケールは押さえやすく柔らかい音になりますが、低音の締まりは落ちます。同じ弦を張っても張力が変わるため、スケールを変えるならゲージの見直しも併せて考えます。

実測する際は、ナットの弦が接する点を基準にします。ナット自体にも数十分の1ミリの補正が施されている場合があります。

調整の順序も結果を左右します。ネックの反りを整え、弦高を決めてから最後にブリッジの補正を行うのが基本で、順序を逆にすると弦高の変更でせっかく合わせた音程が再びずれます。フレットがすり減っている個体では、押弦した点が本来の位置からずれるため、計算どおりの補正を施しても合わないことがあります。この場合はフレットの摺り合わせや打ち替えが先で、数値上の調整だけでは解決しません。

業界・現場での使い方

自作楽器の設計

スケール長から各フレットの位置を求め、指板の加工に使います。

リペア・調整

実測との誤差を確認し、ブリッジ側の補正で対応できるかを判断します。

楽器選びの比較

スケール長ごとのフレット間隔を比べ、手の大きさに合う機種を選びます。

教育・指導

フレット位置の決まり方を数値で示し、音程の仕組みを説明します。

よくある間違い・注意点

  • フレット間隔を均等だと考える — 半音ごとに一定の比率で縮むため、高音側ほど狭くなります。
  • 押弦による音程の上昇を考えない — 弦を押し込むと張力が増して高くなり、ブリッジ側の補正が必要になります。
  • 補正量を全弦で同じにする — 巻弦は1弦の2倍以上の補正が要り、一律では合いません。
  • 弦高を変えた後に補正を見直さない — 弦高が上がると押し込む距離が増え、必要な補正量も増えます。
  • ナットの位置を測定の基準にしない — 弦が接する点を基準にしないと、数値が全体的にずれます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

スケール648mmの第5フレットは何ミリですか?

ナットから162.55mm、第4フレットとの間隔は28.87mmです。

第12フレットが半分になるのはなぜですか?

振動する長さが半分になると1オクターブ上がるという関係によります。

実測が理論値とずれていたらどうしますか?

0.5mm程度なら演奏で気づきにくい範囲です。気になる場合はブリッジ側の補正で折り合いをつけます。

ブリッジの補正量はどう決めますか?

弦の太さと弦高で決まります。1弦で1〜2mm、巻弦の6弦で2.5〜4mmが目安です。

弦高を下げると補正量は変わりますか?

変わります。押し込む距離が減るため必要な補正量も小さくなります。

スケール長が違うと何が変わりますか?

同じ音程での張力とフレット間隔が変わります。長いほど張りが強く、間隔も広くなります。

自作でフレットを打つ際の精度はどのくらい必要ですか?

0.1mm単位の精度が望まれます。誤差が積み重なると高音側で音程がずれます。

ナットにも補正がありますか?

施されている場合があります。ナット側を数十分の1ミリ短くして低音側の音程を整える設計が知られています。