多頭飼育費用|2頭目以降を迎えたときの月額と1頭あたりの平均を計算
犬や猫を2頭以上飼うときの費用を計算する無料電卓。1頭目にかかっている月額と追加する頭数から、世帯の合計月額と1頭あたりの平均額を算出します。2頭目以降は1頭目の7割という前提で計算しています。
多頭飼育費用ツール
多頭飼育費用の計算式
1 計算式
合計月額 = 1頭目の月額 + 1頭目の月額 × 0.7 × 追加頭数
1頭あたりの平均 = 合計月額 ÷ (1 + 追加頭数)
2 既定値の流れ
既定値は1頭目が月30,000円、追加頭数が1頭です。2頭目は30,000×0.7=21,000円と見積もられ、合計は30,000+21,000=51,000円、1頭あたりの平均は51,000÷2=25,500円になります。追加を2頭に増やすと合計72,000円、1頭平均24,000円です。
3 0.7という係数の根拠
一般社団法人ペットフード協会の令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査では、犬にかかる1か月あたりの支出総額(医療費等を含む)は単頭飼育者が16,030円、複数飼育者が27,715円でした。単頭飼育を1としたときの複数飼育は1.73倍で、本ツールが2頭のときに示す1.7倍とほぼ一致します。
頭数別の早見表
1頭目の月額×追加頭数(本ツールの合計月額)
| 1頭目の月額 | 追加1頭(計2頭) | 追加2頭(計3頭) | 追加3頭(計4頭) |
|---|---|---|---|
| 10,000円 | 17,000円 | 24,000円 | 31,000円 |
| 20,000円 | 34,000円 | 48,000円 | 62,000円 |
| 30,000円 | 51,000円 | 72,000円 | 93,000円 |
| 50,000円 | 85,000円 | 120,000円 | 155,000円 |
1頭目が30,000円のときの1頭あたり平均
| 追加頭数 | 合計頭数 | 合計月額 | 1頭あたり平均 | 年額 |
|---|---|---|---|---|
| 1頭 | 2頭 | 51,000円 | 25,500円 | 612,000円 |
| 2頭 | 3頭 | 72,000円 | 24,000円 | 864,000円 |
| 3頭 | 4頭 | 93,000円 | 23,250円 | 1,116,000円 |
| 4頭 | 5頭 | 114,000円 | 22,800円 | 1,368,000円 |
| 5頭 | 6頭 | 135,000円 | 22,500円 | 1,620,000円 |
1頭あたりの平均は頭数が増えるほど下がりますが、下がり方は緩やかです。2頭で25,500円だったものが6頭でも22,500円までしか下がりません。共用できる部分には限りがあるため、頭数を増やしても1頭あたりの負担はそれほど軽くならないという点は、増やす前に知っておいてください。年額の列は合計月額を12倍したものです。
調査による実額(1か月あたりの支出総額・医療費等を含む)
| 動物種 | 単頭飼育者 | 複数飼育者 | 倍率 | 飼育者全体 |
|---|---|---|---|---|
| 犬 | 16,030円 | 27,715円 | 1.73倍 | 18,041円 |
| 猫 | 9,998円 | 14,741円 | 1.47倍 | 11,865円 |
一般社団法人ペットフード協会の令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査の数値です。犬は複数飼育で1.73倍、猫は1.47倍でした。複数飼育者には3頭以上の世帯も含まれるため、2頭あたりの正確な倍率ではありませんが、犬は本ツールの前提(2頭で1.7倍)に近く、猫はそれより低い水準にとどまります。猫を2頭飼う場合は、0.7ではなく0.5前後で見積もるほうが実態に近くなります。
詳しい解説
2頭目が1頭目より安く済むのは、費用のなかに共用できる部分があるからです。冷暖房、住居の広さ、キャリーやゲージのような道具、遊び場の設備は、頭数が増えても比例して増えるわけではありません。一方で、フード、トイレ用品、ワクチン、健康診断、爪切りや歯のケアといった費目は、1頭ごとに丸ごとかかります。共用できる費目と、できない費目の比率が、そのまま2頭目の割合を決めます。犬の複数飼育世帯が単頭の1.73倍、猫が1.47倍にとどまるのは、犬のほうが散歩やしつけ、トリミングといった個別対応の費目が大きいためと考えられます。
判断が分かれるのは、医療費をどう見積もるかです。フードやトイレ砂は大袋でまとめ買いすれば単価が下がりますが、診療費は割引がありません。1頭が病気になれば、他の頭数とは無関係に費用が発生します。しかも複数飼育では感染症が広がりやすく、1頭の治療で済まないことがあります。ペット保険も原則として頭数分の保険料がかかります。月々の平均だけで判断すると、複数頭が同時に体調を崩す場面に備えられません。増やす前に、突発的な医療費として1頭あたり数十万円を用意できるかを確認してください。
見落とされやすいのは、費用以外の制約です。賃貸住宅では飼育できる頭数が契約で制限されていることが多く、無断で増やすと契約違反になります。敷金の追加や原状回復費が頭数に応じて増える場合もあります。災害時の避難では、同行避難できる頭数や避難所で受け入れられるケージの数に限りがあります。相性が悪ければ生活空間を分ける部屋やケージが必要になり、住居費のほうが跳ね上がります。同じ時期に迎えた動物は看取りの時期も重なりやすい点も見落とされがちです。
条件による違いも大きいものです。犬は体格で費用が変わり、大型犬はフードも薬も量に比例して増えます。猫は室内飼育が基本で、共用できる部分が多いぶん追加費用は抑えられます。年齢も効き、シニアになると通院と療法食の割合が上がります。地域差もあり、診療費やトリミング料金は地域によって幅があります。1頭目の月額欄には、いま実際にかかっている金額をそのまま入れてください。相場ではなく自分の実績を入れるほうが、追加後の姿を正確に見積もれます。
本ツールが計算するのは月々の維持費だけで、迎え入れるときの初期費用は含みません。生体価格、ケージや食器、初回のワクチン、不妊去勢手術、マイクロチップの装着と登録などは別に見込んでください。健康状態や治療の要否については獣医師に、賃貸契約や自治体への届出については管理会社や自治体の窓口に確認してください。多頭飼育が適正な世話の限界を超えると、動物にも近隣にも影響が出ます。増やす前に、費用と時間の両方が足りるかを確かめてください。
よくある間違い・注意点
- 1頭目の欄に初期費用を混ぜる ― この欄は月々かかっている維持費です。生体価格やケージ、不妊去勢手術などの一時金を入れると、合計が実態と大きくずれます。
- 医療費も7割に減ると考える ― 診療費に頭数割引はありません。感染症は複数頭に広がることもあります。突発的な出費は頭数分そのままかかると考えてください。
- 猫にも0.7をそのまま当てはめる ― 調査では猫の複数飼育は単頭の1.47倍でした。猫を2頭飼う場合は0.5前後で見積もるほうが実態に近くなります。
- 賃貸の頭数制限を確認せずに増やす ― 契約で飼育できる頭数が定められていることが多く、無断で増やすと契約違反になります。敷金や原状回復費が追加される場合もあります。
- ペット保険を1契約で足りると考える ― 保険料は原則として頭数分かかります。複数契約の割引がある商品でも、減額の幅は限られます。
- 相性を確かめずに迎える ― 折り合いが悪ければ生活空間を分ける必要が出て、部屋やケージの追加で住居費のほうが増えます。試験的な同居期間を設けられるか確認してください。
参考資料
- 一般社団法人 ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 ― 単頭飼育者・複数飼育者別の1か月あたり支出額、飼育率、フード支出額の一次資料。
- 環境省 動物の愛護と適切な管理 ― 動物愛護管理法にもとづく飼い主の責務と適正飼養の考え方。
- 環境省 人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン ― 多頭飼育が問題化する経緯と、社会福祉・動物愛護管理の連携。
- 環境省 動物愛護管理法 ― 飼養数の届出や適正飼養の基準に関する法令情報。
- 環境省 犬と猫のマイクロチップ情報登録 ― 装着と登録の義務、登録変更の手続き。
- 公益社団法人 日本動物病院協会 ― 動物病院の役割、予防医療と健康診断に関する情報。
- ペットフード公正取引協議会 ― ペットフードの表示ルールと給与量の考え方。
- 総務省統計局 家計調査 ― 世帯の支出構成。ペット関連費を家計に位置づける際の比較材料。
- 独立行政法人 国民生活センター ― ペットの購入や飼育サービスに関する相談事例。
- 厚生労働省 ― 動物由来感染症と、多頭飼育環境の衛生管理に関する情報。
よくある質問(FAQ)
2頭目の費用は1頭目の何割くらいですか。
本ツールは7割として計算しています。ペットフード協会の令和7年(2025年)調査では、犬の1か月あたり支出総額が単頭飼育者16,030円に対し複数飼育者27,715円で1.73倍、猫は9,998円に対し14,741円で1.47倍でした。犬はこの7割という前提に近く、猫はもっと低くなります。
多頭飼育のメリットは何ですか。
留守番中に動物どうしで過ごせるため、単独で過ごす時間の負担が減る場合があります。遊びや毛づくろいを通じた交流が生活の刺激になることもあります。ただし相性次第で逆効果になり、緊張状態が続くと体調を崩す個体もいます。同居させる前に、少しずつ距離を縮める期間を設けてください。
デメリットや負担はどこに出ますか。
最も大きいのは医療費と時間です。診療費に頭数割引はなく、感染症が広がると同時に複数頭の治療が必要になります。世話の時間も頭数に比例して増えます。費用の平均が下がるからといって、負担が軽くなるわけではありません。
賃貸住宅で何頭まで飼えますか。
契約によります。2頭までと定めている物件が多くみられますが、上限は物件ごとに異なり、そもそも飼育不可の物件もあります。無断で頭数を増やすと契約違反になり、退去時の原状回復費が増えることもあります。増やす前に管理会社へ確認してください。
猫の場合も0.7で計算してよいですか。
実態より高めに出ます。調査では猫の複数飼育は単頭の1.47倍でした。猫は室内で共用できる設備が多く、散歩やトリミングといった個別対応の費目が少ないためと考えられます。猫を2頭飼う場合は、1頭目の月額に0.5前後を掛けたほうが実態に近くなります。
初期費用は含まれていますか。
含まれていません。本ツールが計算するのは月々の維持費だけです。生体価格、ケージ・食器・トイレなどの用品、初回のワクチン、不妊去勢手術、マイクロチップの装着と登録は別に見込んでください。これらは1頭あたり数万円から十数万円になることがあります。
ペット保険は頭数分必要ですか。
原則として1頭ごとに契約し、保険料も頭数分かかります。複数頭の契約に割引を設けている商品もありますが、減額の幅は限られます。加入していない場合は、突発的な医療費として1頭あたり数十万円を用意できるかを確認しておいてください。
何頭までなら適正に飼えますか。
頭数の上限を一律に決めることはできません。判断の目安になるのは、すべての個体に十分な世話と医療を提供できるか、居住空間と衛生を保てるか、近隣に迷惑をかけていないかです。世話が行き届かなくなると動物にも周囲にも影響が出ます。不安がある場合は、自治体の動物愛護担当窓口や獣医師に相談してください。