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調理光熱費

コンロの調理光熱費を熱源と使用時間から試算します。ガス・IH・電気コンロの月額を比べ、地域や契約で有利な熱源が逆転する理由まで確認できます。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

調理光熱費ツール

計算式と前提

月の調理光熱費 = 1日の使用時間 × 熱源別の1時間単価 × 30日

本ツールの1時間単価は、ガスコンロ30円、IHクッキングヒーター25円、電気コンロ(ラジエント・シーズヒーター)40円です。既定のガス・1日1.5時間なら 30円×1.5時間×30日=1,350円になります。単価は連続全開ではなく、点火・中火・とろ火を織り交ぜた実使用を想定した平均値です。ガスコンロの強火は約3.6kW、IHの高火力は2〜3kWですが、実際の調理では出力を絞っている時間が長いため、定格出力をそのまま時間に掛けると倍近く過大になります。

熱源別・使用時間別の月額(ツール出力)

1日の使用時間ガス(30円/h)IH(25円/h)電気コンロ(40円/h)
0.5時間450円375円600円
1.0時間900円750円1,200円
1.5時間1,350円1,125円1,800円
2.0時間1,800円1,500円2,400円
3.0時間2,700円2,250円3,600円

1日1.5時間を1年続けた場合、ガスで16,200円、IHで13,500円、電気コンロで21,600円です。熱源を替えたときの差額は年1万円に届かない水準で、光熱費全体から見れば大きな比率ではありません。

調理まわりでツールの対象外になる主な機器

機器1回あたりの目安月30回使った場合
電気ケトル(1L沸騰)約3円約90円
炊飯器(5合炊飯+保温なし)約5円約150円
電子レンジ(5分・700W)約2円約60円
電気オーブン(30分・1.3kW)約20円約600円
食器洗い乾燥機(1回)約25円約750円

電力量単価31円/kWhで概算したものです。本ツールはコンロだけを対象としているため、実際の「調理まわりの光熱費」はこれらを足した金額になります。

調理光熱費の詳しい解説

ガスとIHのどちらが安いかは、エネルギー単価と熱効率という2つの要素の綱引きで決まります。熱効率だけを見れば、鍋そのものを発熱させるIHが約90%と高く、鍋の周囲に炎が逃げるガスコンロは約55%にとどまります。一方でエネルギー単価は、都市ガスをkWh換算すると電力より安く収まることが多く、この差が効率差を打ち消します。結果として都市ガス圏ではガスがやや安く、プロパンガス圏では単価が都市ガスの2倍前後になるためIHが安くなる、という逆転が起こります。「ガスが安い」「IHが安い」という一般論が地域で食い違うのは、この構造のためです。

実務で判断が分かれるのは、基本料金をどう扱うかです。コンロだけを電気に替えても給湯がガスなら、ガスの基本料金は残ります。給湯まで含めて全電化にすれば月700〜2,000円程度の基本料金が丸ごと消えますが、その代わり電気の契約容量を上げることになり電気の基本料金は上がります。つまり、コンロ単体の1時間単価だけで比較すると結論を誤ります。オール電化向けの割安プランも、夜間が安い代わりに朝夕が割高な設計が多く、調理の時間帯とはずれています。試算するなら、コンロ・給湯・基本料金をひとまとめにして月額で比べるのが筋です。

見落とされやすいのは、コンロ以外の熱源と、調理が他の設備に与える影響です。湯沸かし・炊飯・レンジ・オーブン・食洗機を足すと、コンロと同程度かそれ以上の金額になります。夏はコンロの排熱で室温が上がり、エアコンの負荷が増えます。換気扇を強で回し続ければ、暖めた空気や冷やした空気がそのまま屋外へ出ていきます。鍋の使い方でも差が出て、フタをする、鍋底の直径をコンロの火口に合わせる、余熱で仕上げるといった工夫で加熱時間は1〜2割変わります。単価を下げるより、加熱時間そのものを短くするほうが効きます。

条件による違いも大きい部分です。世帯人数が増えれば1回の加熱時間は長くなりますが、1人あたりの光熱費はまとめ調理で下がります。単身で毎食少量ずつ加熱する使い方は、量あたりでは最も割高になります。電気料金は使用量が増えるほど単価が上がる三段階の料金設定が一般的で、すでに第3段階に入っている世帯では、追加1kWhの単価が平均単価より高くなります。さらに燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金は毎月変動するため、正確に把握したいときは検針票に記載された実際の単価で計算し直してください。

よくある間違い・注意点

  • 器具の定格出力をそのまま使用時間に掛ける — 実際の調理は中火や弱火の時間が長く、定格で計算すると倍近く過大になります。
  • 基本料金を無視してガスとIHを比べる — コンロだけ電気に替えてもガスの基本料金は残ります。給湯まで含めた月額で比較してください。
  • 都市ガスとプロパンの単価差を見ない — プロパンは都市ガスの2倍前後の単価になることがあり、地域によって有利な熱源が逆転します。
  • 炊飯器・レンジ・食洗機を勘定に入れない — 本ツールはコンロのみが対象です。調理まわり全体では金額が数百円から千円単位で上乗せされます。
  • 平均単価だけを見て段階料金を確認しない — 電気は使用量が増えるほど単価が上がります。追加分の単価は平均単価より高くなります。

参考資料・公的情報

※単価は地域・契約プラン・燃料費調整額により変動します。正確に把握したい場合は、検針票に記載された実際の単価で計算し直してください。

よくある質問(FAQ)

ガスとIHはどちらが安いですか?

本ツールの単価ではIHのほうが1時間あたり5円安くなります。ただし実際は都市ガス圏ではガス、プロパン圏ではIHが有利になりやすく、地域の単価で逆転します。

1か月の調理光熱費の目安は?

1日1.5時間の使用で、ガス1,350円・IH1,125円・電気コンロ1,800円です。炊飯器や電子レンジを加えると1,000円前後が上乗せされます。

使用時間はどのくらいで見積もればよいですか?

2〜3人世帯で朝食と夕食を作る場合、コンロの実稼働は1日1〜1.5時間が目安です。作り置きをする日は2時間を超えることもあります。

IHに替えると光熱費はどれだけ下がりますか?

1日1.5時間なら本ツールの試算で月225円、年2,700円の差です。設備の入れ替え費用を回収できる差ではないため、安全性や掃除のしやすさを含めて判断するのが現実的です。

効果の大きい節約方法は何ですか?

鍋にフタをする、鍋底の直径を火口に合わせる、余熱で仕上げる、まとめて調理するの4つです。いずれも加熱時間そのものを短くするため、単価を下げるより確実に効きます。

圧力鍋や電気鍋は本当に安くなりますか?

加熱時間が短くなる分は下がります。ただし電気鍋は保温に電力を使い続けるため、長時間の保温は逆効果になることがあります。

冬に光熱費が上がるのはなぜですか?

水温が低く、同じ量を沸かすのに多くの熱が必要になるためです。水温が5度と25度では湯沸かしに要する熱量が2割以上変わります