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吹付け塗装塗着効率ロス率膜厚

吹付け塗装の塗着効率とロス率計算

面積・目標乾燥膜厚・不揮発分・塗着効率から、吹付け塗装の実所要量・飛散ロス・缶数・歩掛を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

吹付け塗装の塗着効率とロス率計算ツール

希釈後の不揮発分は不揮発分÷(1+希釈率)で、既定値では50÷1.15=43.5体積%。理論所要量は面積×乾燥膜厚÷(希釈後の不揮発分×10)で200m2×40μm÷435=18.4Lです。塗着効率40%で割ると実際の所要量は18.4÷0.40=46.0Lとなり、差の27.6Lが飛散ロスです。原液に戻すと46.0÷1.15=40.0Lで、16L缶なら3缶。ウェット膜厚は40÷0.435=92μmで、エアスプレー3回吹きなら1回あたり30.7μm、歩掛は200÷25=8.0時間です。

スプレー方式別の塗着効率の目安

方式塗着効率向く対象
エアスプレー30〜50%小物・仕上げ面
エアレススプレー50〜70%大面積・厚膜
静電スプレー60〜85%金属の細物・パイプ
刷毛・ローラー90〜98%狭い範囲・補修

塗着効率を下げる要因

要因影響の目安
風速3m/s以上の屋外10〜20ポイント低下
パイプや手すりなど細物15〜30ポイント低下
ガン距離が遠い5〜15ポイント低下
吐出圧が高すぎる5〜10ポイント低下

※参考計算です。材料の仕様・現場条件・適用される規準によって値は変わるため、製品資料と最新の規準で確認してください。

吹付け塗装の塗着効率とロス率計算の詳しい解説

吹付け塗装の材料費が見積もりと合わない主因は塗着効率です。ガンから出た塗料のうち被塗物に付くのは一部で、残りは霧のまま流れるオーバースプレーと、跳ね返って落ちる分になります。エアスプレーでは半分以上が失われることも珍しくなく、理論所要量の2倍から3倍を手配して初めて規定膜厚に届きます。理論値だけで発注すると必ず足りません。

判断が分かれるのは効率をどの値で見るかです。メーカーが示す効率は理想的な平板を前提とした値で、実際の被塗物が鉄骨や配管のように細長い形状だと大幅に下回ります。安全側に低く見て余らせるか、実績値を使って絞るかは現場ごとの判断で、追加発注の手配時間や色替えのロットを考えると、初回にまとめて確保するほうが結果的に安く付く場合もあります。

見落とされやすいのは希釈と不揮発分の関係です。希釈すると単位体積あたりの固形分が減るため、同じ乾燥膜厚を得るには吹き付ける体積が増えます。不揮発分を質量%で書いた資料をそのまま体積%として使うと、比重の分だけ所要量を過小に見積もることになります。膜厚も平均値で管理すると薄い部分が規定を割るため、実務では目標値を1割から2割上乗せする運用が一般的です。

条件による違いも押さえておきます。屋外では風速が上がるほど霧が流れて効率が落ち、周囲への飛散養生の範囲も広げる必要があります。静電スプレーは電界で塗料を引き寄せるため細物に強い一方、水性塗料や絶縁性の素地では使いにくい制約があります。歩掛は面積あたりの作業時間ですが、足場の盛り替えや養生、ガンの洗浄を含めると実働はこの計算値の1.5倍前後になることが多く、工程の組み立てでは別に見込んでください。

コスト面では飛散した塗料の処理も忘れられがちです。養生シートに付着した塗料と洗浄に使った溶剤は産業廃棄物として処理する必要があり、飛散量が多いほど処理費と溶剤の購入費が増えます。塗着効率を10ポイント改善すれば材料費が1割以上下がるだけでなく、廃棄と洗浄の費用も同時に減ります。ガンの口径や吐出圧、被塗物との距離といった条件は現場で調整できる範囲が広く、試し吹きで膜厚を確認しながら詰めていくと改善の余地が見つかります。

業界・現場での使い方

鉄骨塗装の材料計画

塗着効率を見込んだ所要量から缶数を確定し、色替えのロットを含めて手配します。

橋梁・プラントの塗替え

飛散ロス量を数値化し、養生範囲と回収の計画に反映します。

工場ラインの原価管理

方式ごとの効率差を比較し、設備更新による材料費の削減効果を試算します。

見積書の根拠づくり

理論所要量と実所要量を分けて示し、材料費の差額を説明します。

よくある間違い・注意点

  • 理論所要量で発注する — 塗着効率を見込まないと実所要量の半分以下になり、必ず不足します。
  • 不揮発分の質量%と体積%を混同する — 比重の分だけ値が変わり、所要量を1割以上見誤ります。
  • 平板の効率を細物にそのまま使う — パイプや手すりでは効率が15から30ポイント落ちます。
  • 目標膜厚を平均値で管理する — 薄い箇所が規定を割るため、目標を1割から2割上乗せするのが実務です。
  • 歩掛に養生と洗浄を含めない — 実働は計算値の1.5倍前後になり、工程が押します。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

200m2に乾燥膜厚40μmを付けるには何L必要ですか?

不揮発分50%・希釈15%・塗着効率40%なら46.0L、16L缶で3缶です。

塗着効率はどう調べればよいですか?

使用実績から実所要量と理論所要量の比で求めるのが最も確実です。方式ごとの目安値は表を参考にしてください。

希釈すると所要量は増えますか?

固形分の濃度が下がるため、同じ乾燥膜厚を得るのに吹き付ける体積は増えます。原液の必要量はほぼ変わりません。

ウェット膜厚はなぜ管理するのですか?

乾燥膜厚は塗った直後に測れないためです。ウェットゲージで管理して乾燥後の膜厚を担保します。

風の強い日に吹付けをしてもよいですか?

効率が落ちるうえに周囲へ飛散します。風速の管理値を定め、超える場合は中止するのが一般的です。

静電スプレーはどんな場合に有利ですか?

金属の細物やパイプなど回り込みが必要な対象で効率が上がります。素地の導電性が前提になります。

缶数の切り上げで余った塗料はどうしますか?

同一色の補修用として保管するか、次工程で使い切る計画にします。混合済みの2液形は保管できません。

歩掛の時間に足場の移動は含まれますか?

含まれていません。吹付け作業そのものの時間で、段取りは別に見込んでください。