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スポーツマラソンVDOT

VDOT|10kmタイムから5km/ハーフ/フルの予測タイムを計算

VDOT(レース結果から逆算する有酸素能力の指標)によるマラソンタイム予測を計算する無料電卓。10km実績タイムから、VDOTと5km・ハーフ・フルマラソンの予測タイムを瞬時に算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

VDOTマラソン予測ツール

計算式と前提

① VDOTの求め方

走速度v(m/分)での酸素消費量:VO2 = −4.60 + 0.182258 v + 0.000104 v²

レース時間t(分)で維持できる割合:%VO2max = 0.8 + 0.1894393 e−0.012778 t + 0.2989558 e−0.1932605 t

VDOT = VO2 ÷ %VO2max

② 距離換算(固定倍率の簡易式)

5km ≒ 10kmタイム × 0.48/ハーフ ≒ × 2.2/フル ≒ × 4.65

既定値での数字の流れ

10kmを45分で走った場合、速度は10,000 ÷ 45 = 222.2m/分。酸素消費量は約41.0、45分で維持できる割合は約90.7%なので、VDOT = 41.0 ÷ 0.907 ≒ 45.3となります。予測タイムは倍率をかけるだけで、5kmが45 × 0.48 = 21分36秒、ハーフが45 × 2.2 = 1:39:00、フルが45 × 4.65 = 3:29:15です。

前提と限界

予測タイムはVDOTから距離ごとに逆算しているのではなく、固定倍率をかけた簡易式です。そのため、VDOTを基準に厳密に計算した値とは、速いランナーで1分前後、フル4時間台のランナーで5分前後ずれます。VDOTの表示範囲は20〜85に制限しています。

10kmタイム別の早見表

本ツールの出力

10kmタイムVDOT5km予測ハーフ予測フル予測
30分72.814分24秒1:06:002:19:30
35分60.716分48秒1:17:002:42:45
40分51.919分12秒1:28:003:06:00
45分45.321分36秒1:39:003:29:15
50分40.024分00秒1:50:003:52:30
55分35.826分24秒2:01:004:15:45
60分32.328分48秒2:12:004:39:00
70分26.833分36秒2:34:005:25:30

レース時間と維持できる強度(上の式から算出)

レースの所要時間維持できるVO2maxの割合該当しやすい場面
20分約95%速いランナーの5km
30分約93%速いランナーの10km
45分約91%標準的な市民ランナーの10km
60分約89%ゆっくりめの10km、速いランナーのハーフ
90分約86%標準的な市民ランナーのハーフ
120分約84%ゆっくりめのハーフ、上位ランナーのフル
180分約82%3時間前後のフル
240分約81%4時間前後のフル

距離が伸びるほど維持できる強度は下がりますが、下がり方は3時間を超えると緩やかになります。同じVDOTでも距離ごとに必要な速度が変わるのはこのためです。

VDOTと距離換算の詳しい解説

VDOTは実験室で測った最大酸素摂取量そのものではなく、レース結果から逆算した「実戦で使える有酸素能力」の指標です。計算は2段構えです。まず走る速度から1分あたりの酸素消費量を推定します。速度の二乗に比例する成分が入るため、速くなるほど負担の増え方は急になります。次に、そのレースが何分かかったかを使い、その時間ずっと維持できる最大酸素摂取量の割合を推定します。20分なら95%前後、45分なら91%前後、3時間なら82%前後というように、長く走るほど維持できる強度は下がります。この2つを割り算した値がVDOTです。10kmを45分で走った人とフルを3時間29分で走った人が同じ45前後になるのは、速度の違いを時間による強度低下が打ち消しているからです。

実務で判断が分かれるのは、10kmの実績からフルの目標を決めてよいかという点です。VDOTは「その日にそのレースを走り切れる能力」を示すので、10kmで45分を出せた事実は、フルを3時間半で走り切る持久力の証明にはなりません。予測どおりに走れるかどうかは、月間走行距離、30km以上の長い練習の有無、当日の補給計画に左右されます。予測タイムは「今の走力なら理論上ここまで狙える」という上限として扱い、初めてのフルではそこから10〜20分の余裕を見る方が現実的です。逆に、練習量が十分でハーフの実績も予測どおりなら、そのまま目標にしても大きくは外れません。

見落とされやすいのは、入力に使う10kmタイムの質です。練習の一部として走ったタイムを入れると実力より低いVDOTが出ますし、下り基調のコースや追い風の日の記録を使えば過大評価になります。レース当日の条件も無視できません。気温が20℃を超えると発汗による負担で走速度が落ち、一般に1℃あたり0.2〜0.3%程度遅くなるとされます。累積の上り100mあたり1〜2分、向かい風や雨でも数分は変わります。これらはVDOTの計算に入っていないため、予測タイムは条件の良い日の値だと考えてください。

条件による違いもあります。年齢が上がると同じVDOTを保つための練習量が増えるため、若い時期の記録を使うと現在の実力より高く出ます。走歴が浅い人は10kmに対してフルが届きにくく、走歴の長い人は逆の傾向を示します。ペース配分の癖も大きく、前半を予測ペースより速く入れば後半の失速で予測を大きく超えます。VDOTは能力の一断面にすぎないので、直近の複数のレース結果と練習日誌を併せて読んでください。故障や持病がある場合は、目標設定の前に医療の専門家に相談してください。

よくある間違い・注意点

  • 練習で走った10kmタイムを入れる — 全力で走ったレースの記録でないと、VDOTは実力より低く出ます。逆に下り基調のコースの記録は過大評価になります。
  • フルの予測タイムをそのまま目標にする — 予測は10kmの能力から外挿した上限です。長い距離の練習が不足していると、後半の失速で10〜20分は落ちます。
  • 気温を考えない — 20℃を超えると1℃あたり0.2〜0.3%程度遅くなるとされます。3時間半のレースなら数分単位で効いてきます。
  • VDOTの数値と予測タイムを厳密に対応させる — 予測タイムは固定倍率の簡易式です。VDOTから逆算した値とは、フル4時間台で5分前後ずれます。
  • 過去の記録を使い続ける — 数年前のタイムから出したVDOTは、現在の練習量を反映しません。直近3か月以内のレース結果を使ってください。

参考資料・関連する公的情報

※持病や故障がある場合、目標設定と練習計画は医療・スポーツ医学の専門家にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

VDOTとは何ですか?

レース結果から逆算した有酸素能力の指標です。最大酸素摂取量に近い値になりますが、実験室での測定値ではなく「そのレースを走り切った事実」から推定した実戦的な数値です。距離が違っても同じ物差しで走力を比べられるのが利点です。

VDOTの数値はどのくらいが目安ですか?

フルマラソンで3時間を切る水準がおよそ53〜54、3時間半でおよそ45、4時間でおよそ38です。男子マラソンの世界記録の水準は85前後にあたります。本ツールは20〜85の範囲で表示します。

予測タイムの精度はどのくらいですか?

条件の良い日にきちんと練習を積んでいる場合で、ハーフまでは数分以内に収まることが多くなります。フルは持久力の裏付けが必要なため、練習量が不足していると10〜20分遅くなります。気温・高低差・風でもさらに変わるため、目安として扱ってください。

10kmのタイムがレースの記録ではない場合は?

練習で走ったタイムを入れると、実力より低いVDOTが出ます。単独走はレースより数十秒から数分遅くなるのが普通です。可能であれば直近3か月以内の公認コースでの記録を使ってください。

トレーニングのペースはどう決めますか?

VDOTを基準に、ゆっくり走るペース、閾値のペース、インターバルのペースを段階的に決めるのが一般的な考え方です。同じ距離を走るにしても、目的ごとに設定を変えることで効率が上がります。ペースの具体的な数値は距離別のペース計算ツールで確認できます。

気温が高いとどのくらい遅くなりますか?

20℃を超えたあたりから影響が出始め、1℃上がるごとに0.2〜0.3%程度遅くなるとされます。3時間半のレースなら1℃あたり25〜60秒の計算です。暑さ指数が高い日は記録より安全を優先してください。

VDOTと予測タイムが少し合わない気がします。

本ツールの予測タイムは、10kmタイムに固定の倍率をかける簡易式で求めています。VDOTから距離ごとに厳密に逆算した値とは、速いランナーで1分前後、フル4時間台で5分前後ずれます。VDOTは走力の指標、予測タイムは目安と分けて読んでください。