生活保護
世帯の構成と家賃、収入から、生活保護の最低生活費と支給される額の目安を試算します。
生活保護ツール
計算式と考え方
最低生活費は生活扶助と住宅扶助などの合計です。1級地-1の大人2人・子ども1人では、第1類が46,000円×2人+43,000円で135,000円、3人世帯の逓減率0.835を掛けて112,725円、これに第2類35,500円を加えて148,225円となります。児童養育加算10,190円を足すと生活扶助は158,415円、住宅扶助は上限69,800円で、最低生活費は228,215円です。就労収入6万円からは勤労控除19,500円が差し引かれ、認定収入は40,500円、差額の187,715円が支給される計算になります。
生活保護の8つの扶助
| 生活扶助 | 食費や光熱費など日常の費用。年齢別の第1類と世帯人数別の第2類を合算し、級地に応じて調整されます |
|---|---|
| 住宅扶助 | 家賃の実費が上限額の範囲で支給されます。上限は級地と世帯人数で定められています |
| 医療扶助・介護扶助 | 現金ではなく現物給付です。指定の医療機関で自己負担なく受診できます |
| その他の扶助 | 教育扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があり、必要に応じて個別に支給されます |
生活保護の詳しい解説
生活保護は、日本国憲法第25条が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度で、生活保護法に基づいて運用されています。仕組みの中心にあるのが最低生活費という考え方です。世帯の人数、年齢、居住地域、住居の状況から、その世帯が最低限度の生活を営むために必要な費用が算定され、世帯の収入がこれを下回る場合に、不足する差額が支給されます。支給されるのは一律の定額ではなく差額であるという点が、制度を理解するうえで最も重要です。生活扶助の算定は二層構造になっています。第1類は個人ごとにかかる飲食費や被服費に相当する部分で、年齢によって金額が異なります。第2類は世帯全体にかかる光熱費や家具什器に相当する部分で、人数によって決まります。第1類には逓減率が掛けられ、人数が増えるほど1人あたりの額が下がる設計になっています。これは世帯内での共用によるものです。さらに、地域の物価差を反映するため級地区分が設けられ、大都市部を1級地、町村部を3級地として段階的に基準額が調整されます。加算の存在も見落とされやすい要素です。18歳到達年度末までの子どもがいる世帯には児童養育加算、ひとり親世帯には母子加算、障害の程度に応じて障害者加算が上乗せされます。これらは基準額とは別に積み上げられるため、同じ人数の世帯でも構成によって最低生活費は大きく変わります。収入の扱いも制度の要点です。就労収入があっても全額が差し引かれるわけではなく、勤労控除が設けられています。働いて得た収入のうち一定額は手元に残る仕組みで、働くほど手取りが増える設計です。この控除がなければ、就労しても支給額が同額減るだけで働く意味がなくなるためです。判断が分かれるのが、資産と扶養の扱いです。制度上は、預貯金や不動産、自動車などの資産を活用することが前提とされ、また扶養義務者による扶養が保護に優先するとされています。ただし、扶養は要件ではなく、扶養できる親族がいることだけを理由に申請が却下されるものではありません。持ち家についても、居住を続けることが自立に資すると判断されれば保有が認められる場合があります。自動車も、通勤や通院に必要と認められれば保有が可能な場合があります。これらは個別の事情に応じた判断となるため、福祉事務所の窓口で具体的な状況を相談することが実質的な出発点になります。医療扶助と介護扶助が現金ではなく現物給付である点も、金額の試算では見えにくい部分です。制度の適用と金額の確定は福祉事務所の審査によるため、ここで示す金額は目安です。
業界・現場での使い方
最低生活費の把握
世帯の構成と居住地から、基準となる最低生活費のおおよその水準を確認します。
支給額の見込み
収入がある場合に、認定される額と差額の支給がいくらになるかを試算します。
住宅扶助の確認
家賃が上限額の範囲に収まっているかを確かめます。
よくある間違い・注意点
- 収入があると受けられないと考える — 支給されるのは最低生活費との差額です。収入があっても下回っていれば対象になります。
- 就労収入が全額差し引かれると考える — 勤労控除があり、働いた分の一定額は手元に残ります。働くほど手取りが増える設計です。
- 扶養できる親族がいると申請できないと考える — 扶養は保護に優先するとされていますが要件ではありません。窓口で個別の事情を相談してください。
関連する規格・法規
- 厚労省
- 日本アクチュアリー会
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
3人世帯ではいくら支給されますか?
1級地-1で家賃7万円、収入がない場合は月22万円台が目安です。収入があればその分が差し引かれます。
医療費はどうなりますか?
医療扶助として現物給付されるため、指定の医療機関では自己負担なく受診できます。
持ち家や車があると受けられませんか?
個別の判断になります。通勤や通院に必要と認められれば自動車の保有が可能な場合もあります。