計算ツール
sole法律行政手続

個人事業主開業

売上と経費、申告の方法から、個人事業主の初年度の税負担と青色申告による節税額を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

個人事業主開業ツール

計算式と考え方

事業所得は「売上-経費-青色申告特別控除」で求めます。売上600万円、経費180万円、電子申告の65万円控除で355万円です。所得控除は基礎控除104万円、社会保険料90万円、生命保険料4万円の計198万円で、課税所得は157万円になります。所得税は約8万円、住民税は約22万3,000円です。個人事業税は控除前の420万円から事業主控除290万円を引いた130万円の5%で6万5,000円です。合計は約36万8,000円で、白色申告より約11万2,000円軽くなります。

基礎控除は2026年分(令和8年分)の所得から、合計所得489万円以下で104万円、489万円超655万円以下で67万円、655万円超2,350万円以下で62万円と段階的に下がります。改正前は一律48万円でした。本ツールは合計所得(青色申告特別控除を引いたあとの事業所得)で自動的に判定するため、売上を増やすと基礎控除が104万円から67万円へ落ちる帯があります。住民税の基礎控除は43万円のままで改正されていないため、所得税と住民税で課税所得がずれます。

開業時に出す主な届出

個人事業の開業・廃業等届出書事業を始めてから1か月以内に税務署へ提出する。手数料はかからず、電子申告でも提出できる
所得税の青色申告承認申請書その年の3月15日まで、または開業から2か月以内に提出する。この期限を過ぎると初年度は白色申告になる
青色事業専従者給与に関する届出書家族へ支払う給与を経費にする場合に必要。金額と職務の内容を記載し、実際の支払と一致させる必要がある
給与支払事務所等の開設届出書従業員や専従者に給与を払う場合に提出する。源泉徴収した税を納める義務が生じる
源泉所得税の納期の特例の承認申請書従業員が常時10人未満なら、源泉徴収税の納付を年2回にまとめられる。事務負担が大きく変わる

個人事業主開業の詳しい解説

開業届そのものに手数料はかからず、書類も1枚で済むにもかかわらず、提出の有無で税負担が変わるのは、青色申告の承認が開業届とセットで扱われるからです。青色申告の承認申請には、その年の3月15日まで、または開業から2か月以内という期限があります。この期限を過ぎると、その年は白色申告しか選べません。事業を始めてから利益が見えてきた段階で申請しようとしても、初年度には間に合わないことになります。開業の意思が固まった時点で出しておくのが実務上の対応です。青色申告の利点は特別控除だけではありません。実務で効くのは、赤字を3年間繰り越せる点と、家族への給与を全額経費にできる点です。開業初年度は設備や広告に費用がかさんで赤字になることが多く、この赤字を翌年以降の黒字と相殺できるかどうかで、数年単位の税負担が変わります。白色申告ではこの繰越ができません。家族への給与についても、白色では配偶者86万円、その他の親族50万円という上限があるのに対し、青色では届出の範囲内で実際の労働に見合う額を経費にできます。65万円の特別控除を受けるには要件があります。複式簿記による記帳、貸借対照表と損益計算書の添付、そして電子申告か電子帳簿保存のいずれかが必要です。紙で提出すると55万円に下がり、簡易簿記では10万円になります。この差は会計ソフトを使うかどうかでほぼ決まり、市販のソフトを使えば複式簿記の知識がなくても要件を満たせるため、手間の差は以前より小さくなっています。見落とされやすいのが個人事業税と消費税です。個人事業税は事業所得が年290万円を超えると課税され、業種によって3%から5%の税率が定められています。文筆業など一部の業種は課税対象外とされており、自分の事業がどの区分に当たるかで扱いが変わります。消費税については、開業から2年間は基準期間の売上がないため原則として免税ですが、インボイス発行事業者として登録すると初年度から課税事業者になります。取引先が事業者中心か消費者中心かで判断が分かれる論点で、登録すれば消費税の納税義務が生じる代わりに、取引先が仕入税額控除を受けられます。国民健康保険料も所得に連動して増えるため、税額だけを見た比較では手取りを見誤ります。制度の要件は改正されることがあるため、具体的な判断は税務署または税理士への確認が必要です。

業界・現場での使い方

青色と白色の比較

自分の所得水準で青色申告にするとどれだけ軽くなるかを確かめます。

開業時期の検討

承認申請の期限に間に合うかどうかを確認し、届出の順番を決めます。

家族への給与の設計

専従者給与を出した場合に事業所得と税額がどう変わるかを見ます。

よくある間違い・注意点

  • 青色申告承認申請書の期限を過ぎてから気づく — 開業から2か月以内、または3月15日までが期限です。過ぎるとその年は白色申告になり、赤字の繰越もできません。
  • 税額だけで手取りを判断する — 国民健康保険料は所得に連動して増えます。所得が上がったときの負担は税金だけではない点に注意が要ります。
  • 個人事業税を見落とす — 事業所得が290万円を超えると課税されます。業種によって税率と課税の有無が異なるため、自分の区分の確認が必要です。

関連する規格・法規

  • 法務省
  • 各法規

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

副業でも開業届を出せますか?

事業としての実態があれば提出できます。ただし規模や継続性によっては雑所得として扱われることがあり、判断は税務署への確認が確実です。

65万円の控除を受ける条件は何ですか?

複式簿記による記帳と貸借対照表の添付に加えて、電子申告または電子帳簿保存のいずれかが必要です。紙で提出すると55万円になります。

インボイスの登録はしたほうがよいですか?

取引先が事業者中心なら登録が求められる場面が多く、消費者中心なら登録しない選択もあります。登録すると開業初年度から消費税の納税義務が生じます。