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Scope 1/2/3排出

燃料と電力の使用量、調達額から、Scope1・2・3の温室効果ガス排出量と削減必要量を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

Scope 1/2/3排出ツール

計算式と考え方

Scope1は燃料の燃焼による直接排出で、1,200t-CO2をそのまま用います。Scope2は電力使用量4,500MWhに排出係数0.423(環境省・経済産業省の全国平均係数・令和6年度実績)を掛け、再生可能エネルギー比率20%分を差し引いて1,523t-CO2です。Scope3は調達額3,000百万円に排出原単位2.5を掛け、業種の係数を適用します。製造業は1.0倍で7,500t-CO2になります。合計は10,223t-CO2で、Scope3の構成比は約73.4%です。削減目標42%では、必要な削減量は約4,294t-CO2となります。

排出区分の内容

Scope1自社が直接排出する分です。ボイラーの燃料、社用車のガソリン、工業プロセスからの排出が含まれます
Scope2購入した電力や熱の使用に伴う間接排出です。排出係数と再生可能エネルギーの比率で決まります
Scope3原材料の調達、輸送、製品の使用と廃棄など、事業活動に関連する他社の排出です。15の区分に分かれます
排出係数電力1MWhあたりの排出量です。全国平均で0.4t-CO2台、電力会社ごとに公表値が異なります

Scope 1/2/3排出の詳しい解説

温室効果ガスの排出量は、算定の国際的な基準により3つの区分で把握します。Scope1は自社が直接排出する分、Scope2は購入した電力や熱に伴う分、Scope3はそれ以外の事業活動に関連する他社の排出です。この区分を設ける理由は、二重計上を避けながらサプライチェーン全体の排出を捉えるためです。ある企業のScope3は、取引先にとってはScope1やScope2にあたります。多くの企業でScope3が全体の7割から9割を占めます。特に製造業では原材料の調達に伴う排出が大きく、小売業では販売する商品の製造段階の排出が支配的になります。自社の工場や事務所でどれだけ省エネを進めても、全体に対する寄与は限られるという構造です。このため削減の焦点は自社の設備から調達先との連携へと移っており、取引先に排出量の開示や削減目標の設定を求める動きが広がっています。Scope3の算定方法には大きく2つの考え方があります。1つは調達額に産業連関表由来の原単位を掛ける方法で、金額さえ分かれば計算できるため導入が容易です。ただし同じ金額でも実際の排出量は取引先の努力によって異なるため、削減の成果が数値に反映されにくいという弱点があります。もう1つは取引先から実際の排出量データを入手する方法で、精度は高く削減努力も反映されますが、多数の取引先からデータを集める負担が大きくなります。実務では金額ベースで全体像を把握し、排出量の大きい主要な取引先から順にデータの入手に切り替えていく進め方が採られます。Scope2の算定にも2つの方法があります。所在地の電力系統の平均的な排出係数を用いる方法と、実際に契約している電力会社やメニューの係数を用いる方法です。後者では再生可能エネルギーの電力を購入することで排出量を下げられます。ただし証書の購入による削減を実質的な削減と見るかについては議論があり、開示の際には両方の値を示すことが求められる場合があります。見落とされやすいのは、削減目標の基準年と範囲です。パリ協定の1.5度目標に整合する水準として、2030年に向けて年率で一定の削減を求める考え方が示されており、絶対量での削減が基本とされます。売上あたりの排出量である原単位が改善していても、事業の拡大により総量が増えていれば目標は達成されません。また基準年の排出量に事業の買収や売却があった場合は、遡って再計算することが求められます。もう1つは算定の境界です。連結対象の子会社をどこまで含めるか、共同出資の事業をどう按分するかによって数値が変わります。出資比率で按分する方法と、支配力に基づいて全量を計上する方法があり、選択した方法を開示することが必要です。算定と開示の要件は制度改正により変わるため、最新の基準の確認が求められます。

業界・現場での使い方

排出量の把握

3つの区分ごとの排出量と構成比を確認します。

削減計画の立案

目標達成に必要な削減量を算出します。

対策の優先順位づけ

どの区分の削減が全体に効くかを判断します。

よくある間違い・注意点

  • Scope1と2だけで削減を考える — 多くの企業でScope3が7割以上を占めます。自社設備の対策だけでは全体への寄与が限られます。
  • 原単位の改善だけで目標達成とする — 目標は原則として絶対量です。事業拡大で総量が増えていれば達成にはなりません。
  • 算定の境界を明示しない — 子会社や共同出資事業の扱いで数値が変わります。採用した方法の開示が必要です。

関連する規格・法規

  • GRI/TCFD/SBTi
  • 国連SDGs

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

Scope3の15区分とは何ですか?

購入した製品、輸送、出張、通勤、販売した製品の使用と廃棄などに分かれます。すべてが自社に該当するとは限りません。

排出係数はどこで確認できますか?

電気事業者ごとの調整後排出係数が毎年公表されています。全国平均の値も併せて示されています。

再生可能エネルギーの証書は削減になりますか?

契約に基づく算定方法では反映されます。所在地基準の値と併記して開示する運用が一般的です。