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sample統計データ分析

検出力80%サンプル

検定の種類と効果量、検出力から、必要なサンプルサイズと検出可能な効果量を試算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

検出力80%サンプルツール

計算式と考え方

2群の平均を比べる場合、1群あたりの必要人数は、有意水準と検出力に対応するz値の和の2乗を効果量の2乗で割り、人数比に応じた係数を掛けて求めます。有意水準5%の両側検定ではz値が約1.960、検出力80%では約0.839で、和は約2.800です。効果量0.5、人数比1対1のとき、2に2.800の2乗を掛けて0.25で割ると約62.7となり、切り上げて63人になります。脱落10%を見込むと63を0.9で割った70人、2群で合計140人です。確保できる人数が1群50人の場合、検出可能な効果量は2.800に2を50で割った値の平方根を掛けた約0.560となります。

設計の要素と必要人数への影響

効果量2乗で効く要素です。効果量が半分になると必要人数は4倍になります
有意水準小さくするほど必要人数が増えます。両側5%が慣例的な水準です
検出力80%が標準です。90%に上げると必要人数は約1.3倍になります
脱落率見込んだ分だけ募集人数を増やします。10〜20%を見ることが多くなります

検出力80%サンプルの詳しい解説

サンプルサイズの計算は、検出したい差の大きさと、それを見逃す確率をどこまで許容するかという2つの判断から決まります。有意水準は本当は差がないのに差があると判定してしまう確率で、慣例として両側5%が使われます。検出力は本当に差があるときにそれを検出できる確率で、80%が標準とされます。検出力80%とは、差が実在しても5回に1回は見逃すという設計であり、決して高い水準ではありません。医療分野など見逃しの代償が大きい場面では90%が採られることもあります。必要人数に最も強く効くのは効果量です。必要人数は効果量の2乗に反比例するため、想定する効果量を0.5から0.25に下げると必要人数は4倍になります。小さな差を確実に検出したいという要求は、人数の面で急速に厳しくなります。したがって設計の段階で最も慎重に決めるべきは効果量であり、ここを楽観的に置くと、実施後に有意差が出ないという結果につながります。効果量の設定方法について実務で判断が分かれます。1つは先行研究の報告値を用いる方法ですが、公表された研究は効果が大きく出たものに偏る傾向があり、そのまま使うと過大になりがちです。もう1つは臨床的または実務的に意味のある最小の差を設定する方法で、この方が設計の趣旨に合います。ただし何をもって意味があるとするかの合意形成が必要になります。3つ目は予備調査を行って分散を推定する方法で、精度は高くなりますが時間と費用がかかります。ここで示す計算は正規分布による近似を用いています。t分布を用いた厳密な計算では、同じ条件で必要人数がやや多く算出され、効果量0.5、検出力80%、有意水準5%の条件では1群64人程度になります。人数が少ない設計ほど近似の誤差が相対的に大きくなるため、最終的な設計には専用の計算手法を使うことが望まれます。見落とされやすいのは、脱落と欠測の扱いです。募集した人数がそのまま解析対象になることはまれで、途中離脱、測定不能、除外基準への該当によって減ります。10〜20%の脱落を見込んで募集人数を増やしておかないと、計画した検出力を下回ります。また、割り付け後に脱落した対象をどう扱うかによって解析対象の人数が変わるため、解析計画と併せて決める必要があります。もう1つの論点は多重比較です。複数の項目を同時に検定すると、偶然に有意となる確率が上がります。補正を行う場合は実質的な有意水準が下がるため、必要人数は増えます。主要な評価項目を1つに絞る設計が推奨されるのは、この人数の問題と直結しています。割合の比較では、効果量として2つの割合の逆正弦変換の差を用います。この値は割合が0や1に近いほど同じ差でも大きくなる性質があり、30%と45%の比較と、5%と20%の比較では、差が同じ15ポイントでも必要人数が異なります。

業界・現場での使い方

試験計画の立案

必要な参加者数を事前に算出します。

実施可能性の判断

確保できる人数で検出可能な効果量を確認します。

募集人数の設定

脱落を見込んだ募集目標を決めます。

よくある間違い・注意点

  • 効果量を先行研究の値そのままで置く — 公表された研究は効果が大きく出たものに偏る傾向があります。実務的に意味のある最小の差で設定する方が安全です。
  • 脱落を見込まずに募集する — 解析対象が減ると計画した検出力を下回ります。10〜20%を上乗せして募集してください。
  • 複数の項目を主要評価にする — 多重比較の補正で実質的な有意水準が下がり、必要人数が増えます。主要な項目は1つに絞る設計が基本です。

関連する規格・法規

  • 日本統計学会
  • ISO統計基準

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

検出力80%の意味は何ですか?

差が実在するときにそれを検出できる確率が80%という意味です。5回に1回は見逃す設計になります。

効果量0.5はどの程度の差ですか?

2群の平均の差が標準偏差の半分にあたる大きさです。中程度の差として扱われることが多い水準です。

この計算値をそのまま使えますか?

正規分布による近似のため、厳密な計算より数人少なく出ます。最終的な設計では専用の手法での確認が望まれます。