公共入札落札率
予定価格と入札価格から、落札率と総合評価の得点、案件の採算を試算します。
公共入札落札率ツール
計算式と考え方
落札率は「入札価格 ÷ 予定価格 × 100」で求めます。予定価格1億2,000万円に対して入札価格1億1,100万円なら92.50%です。最低制限価格は予定価格の87%として1億440万円となり、入札価格はこれを上回るため有効な入札になります。価格評価点は「(1 − 落札率)÷(1 − 最低制限価格率)× 配点」で算出し、0.075を0.13で割って配点30点を掛けると約17.31点です。技術評価点85点と合わせた総合評価点は約102.31点になります。原価率82%と一般管理費8%を差し引くと、この案件の営業利益は1,110万円、利益率10.00%です。
入札制度の主な要素
| 予定価格 | 発注者が積算した上限価格。これを超える入札は無効となる |
|---|---|
| 最低制限価格 | 極端な低価格入札を排除する下限。予定価格の75〜92%の範囲で設定される |
| 総合評価落札方式 | 価格に技術評価を加えて落札者を決める方式。品質確保が目的とされる |
| 低入札価格調査 | 調査基準価格を下回った場合に積算内容を調査する仕組み。設定は発注者による |
公共入札落札率の詳しい解説
公共工事の入札では、発注者があらかじめ積算した予定価格が上限となり、これを超える入札は無効になります。落札価格を予定価格で割った落札率は、競争の状況を示す指標として広く用いられ、一般競争入札では90%台前半が全国的な水準とされています。この値が100%に近い状態が続く場合、競争が働いていない可能性が指摘される一方、極端に低い落札率は品質の低下や下請へのしわ寄せを招くという問題があります。低価格での落札を制限する仕組みとして、最低制限価格と低入札価格調査制度が設けられています。前者はこれを下回った時点で失格とするもので、後者は積算の根拠を調査したうえで契約の可否を判断するものです。算定の方式は公的な団体が示すモデルを基礎としつつ、発注者ごとに定められており、直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費のそれぞれに一定の率を掛けて合計する構成が一般的です。結果として、予定価格の85%から92%程度の範囲に収まることが多くなります。算定式は公表されている場合と非公表の場合があり、事前に確認できるかどうかで応札の戦略が変わります。総合評価落札方式は、価格だけで決めると品質が確保できないという問題意識から導入されました。企業の施工実績、配置予定技術者の資格と経験、施工計画の内容、過去の工事成績評定点、地域貢献の実績などを点数化し、価格の評価点と合算して落札者を決めます。この方式では、価格を下げるだけでは受注できず、技術評価点の高い企業が有利になります。逆に言えば、日常の工事で高い成績評定を積み重ねることが、次の受注につながる構造になっています。応札する側から見ると、価格の設定は採算との綱引きになります。落札率を下げれば受注の可能性は上がりますが、原価と一般管理費を賄えなければ、受注しても損失が生じます。近年は資材価格と労務費の上昇が続いており、積算時点と施工時点で条件が変わるリスクが高まっています。契約後の物価変動に対応する条項が設けられている場合もあるため、その適用要件を確認したうえで価格を判断する必要があります。制度面では、電子入札の普及により手続きの透明性が高まり、談合の防止と事務負担の軽減が進みました。一方で、地方では応札者が集まらず入札が成立しない事例も増えており、担い手の確保が課題となっています。品質確保に関する法律の枠組みでは、適正な利潤を確保できる予定価格の設定と、ダンピングの防止が発注者の責務として位置づけられています。落札率の水準を評価する際には、競争の程度だけでなく、担い手が持続的に事業を続けられる価格かという観点も併せて見る必要があります。
業界・現場での使い方
応札価格の検討
落札率と採算の関係を確認して入札価格を決めます。
失格リスクの確認
最低制限価格との関係を把握します。
総合評価の試算
技術評価点と価格評価点の合計から順位を見積もります。
よくある間違い・注意点
- 落札率を下げれば受注できると考える — 最低制限価格を下回れば失格です。技術評価点の比重が高い案件では価格だけでは決まりません。
- 原価と一般管理費を織り込まずに価格を決める — 受注しても赤字になります。積算時点の資材価格と労務費で確認してください。
- 落札率の高低だけで競争性を判断する — 低すぎる落札率は品質と下請への影響を伴います。持続可能な価格かも併せて見る必要があります。
関連する規格・法規
- 国土交通省
- 日本建設業連合会
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
落札率の全国的な水準は?
一般競争入札では90%台前半とされます。工事の種別と地域によって差があります。
最低制限価格は事前に分かりますか?
算定式を公表する発注者と非公表の発注者があります。公告の記載で確認が必要です。
総合評価では技術点をどう上げますか?
過去の工事成績評定、配置技術者の資格と実績、施工計画の具体性が主な評価対象です。