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居宅介護支援費 逓減後の月額計算

要介護度別の担当件数と逓減の条件から、居宅介護支援費の逓減後の単位数・月間報酬・1件あたりの報酬を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

居宅介護支援費 逓減後の月額計算ツール

担当件数が逓減の開始件数に達すると、それ以降の件数は基本単位が減額されます。既定値では要介護1・2が28件、要介護3〜5が20件で合計48件。ICTの活用がない場合は45件目から逓減となるため、対象は48−44=4件です。逓減前の単位は28×1,086+20×1,411=58,628単位、1件平均1,221.42単位なので減少分は4×1,221.42×50%=2,442.83単位。加算800単位を加えた総単位数は56,985単位、報酬額は593,783円、1件あたり12,370円、逓減による減収は25,454円です。

居宅介護支援費の基本単位(1か月あたり)

区分要介護1・2要介護3〜5
居宅介護支援費(I)(i) 45件未満の部分1,086単位1,411単位
同(ii) 45件以上60件未満の部分544単位704単位
同(iii) 60件以上の部分326単位422単位
ICT活用等がある場合の逓減開始50件目から

担当件数と収支の関係の目安

担当件数月間報酬の水準実務上の負担
30件前後約38万円余裕があるが人件費を賄いにくい
40件前後約51万円標準的な水準
48件前後約59万円逓減が始まり伸びが鈍る
55件以上約64万円訪問と記録の時間が逼迫する

※参考計算です。診療報酬・介護報酬の点数や消防法令の基準は改定されるため、最新の告示と所轄庁の運用を確認してください。

居宅介護支援費 逓減後の月額計算の詳しい解説

居宅介護支援費に逓減制が設けられているのは、1人の介護支援専門員が抱える件数が増えると、月1回の訪問と面談、記録、担当者会議の質を保てなくなるためです。件数に比例して報酬が増え続ける仕組みだと、抱え込みへの誘因が働きます。そこで一定の件数を超えた部分の単位数を半分程度に落とし、件数を増やす動機を弱めています。逆に言えば、逓減の直前までは1件あたりの報酬が最も高い状態であり、この水準をどう維持するかが事業所の設計課題になります。

判断が分かれるのは、逓減の開始件数を後ろへずらす措置を取りに行くかどうかです。ケアプラン作成に関する事務を補助する職員を配置するか、記録や情報連携をシステム化すれば、開始件数を45件から50件へ引き上げられます。事務職員の人件費と、5件分の報酬が逓減を免れることによる増収を比べる計算になりますが、実際にはシステム導入で訪問記録の作成時間が短縮される効果もあり、金額だけでは判断しきれません。措置の要件は運用の解釈が細かく、届出の前に保険者へ確認しておくのが確実です。

見落とされやすいのは、件数が要介護度で二区分に分かれる点です。要介護3以上の利用者は基本単位が3割ほど高く設定されており、同じ件数でも構成比によって月額は変わります。重度の利用者は医療との連携やサービス調整の手間が増えるため、単価が高いからといって余裕が生まれるわけではありません。加算についても、特定事業所加算や入院時情報連携加算などは要件として体制整備や実績を求めるため、件数を追うのとは別の努力が必要です。

条件による違いとしては、事業所の規模が効きます。介護支援専門員が1人の事業所では、担当件数の上限がそのまま収入の上限になり、逓減後の伸びが小さいため人件費と事務所経費を賄いにくくなります。複数名が在籍する事業所は、特定事業所加算の要件を満たしやすく、休暇や退職時の引き継ぎも成立します。地域単価が低い市町村ほど同じ件数でも収入が下がるため、件数の目標は単価と合わせて設定する必要があります。中山間地域では1件あたりの移動時間が長く、同じ件数でも訪問に充てられる時間が削られる点も見込んでおく必要があります。

業界・現場での使い方

居宅介護支援事業所の収支管理

担当件数の構成から月間報酬を試算し、人員配置と収支の均衡を確認します。

逓減対策の投資判断

ICT導入や事務職員配置による増収額を算出し、必要な費用と比較します。

介護支援専門員の担当調整

逓減までの余裕件数を把握し、新規依頼の受け入れ可否を判断します。

事業計画の作成

件数と要介護度の構成を変えた場合の年間収入を見積もります。

よくある間違い・注意点

  • 担当件数をすべて同じ単価で数える — 要介護3以上は基本単位が3割ほど高く、構成比で月額が変わります。
  • 逓減を全件に適用してしまう — 逓減は開始件数以降の部分にのみ適用され、それ以前の件数は基本単位のままです。
  • 件数を増やせば収入が比例すると考える — 逓減後は1件あたりの報酬が半分程度になり、増収の効率が大きく落ちます。
  • ICT導入の効果を報酬だけで測る — 記録時間の短縮や情報連携の改善も効果に含まれ、金額だけでは判断できません。
  • 加算を件数の延長で考える — 特定事業所加算などは体制要件や実績要件を満たす必要があり、件数とは別の条件です。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

48件を担当すると月間報酬はいくらですか?

既定の構成と加算800単位、単価10.42円で593,783円、1件あたり12,370円です。

逓減はいつから始まりますか?

取扱件数が45件目に達した部分から適用されます。ICTの活用や事務職員の配置がある場合は50件目からになります。

逓減後の単位数はどのくらい下がりますか?

区分により異なりますが、45件以上60件未満の部分ではおおむね半分程度の単位数になります。

要介護度で単位数が違うのはなぜですか?

重度の利用者ほどサービス調整や医療連携の手間が増えるため、区分を分けて設定されています。

件数はどのように数えますか?

月末時点の利用者数を基準に、事業所の介護支援専門員1人あたりで換算します。詳細な数え方は保険者に確認してください。

事務職員を雇うと採算は合いますか?

逓減を免れる5件分の増収と人件費の比較になります。既定の水準では年間で数十万円の差となり、勤務時間の設計次第です。

加算にはどのようなものがありますか?

特定事業所加算、入院時情報連携加算、退院・退所加算、緊急時等居宅カンファレンス加算などが設けられています。

1人あたり何件が適正ですか?

訪問と記録の時間を確保できる範囲として35〜45件を目安とする事業所が多く、体制や地域の移動距離で変わります。