計算ツール
heat環境ESG脱炭素

ヒートポンプCOP

COPと運転条件から、ヒートポンプの消費電力と運転費用を計算します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ヒートポンプCOPツール

計算式と考え方

消費電力は「熱出力 ÷ COP」で求めます。COPは投入した電力に対して何倍の熱を得られるかを示す指標で、4.5なら5kWの熱を1.11kWの電力で得られます。ただしCOPは外気温に依存し、気温が下がると低下します。外気温7℃を基準に、それより低い1℃ごとに約4.5%低下すると見積もると、実効的なCOPが求められます。1日10時間・年120日運転すると年間の消費電力量は約1,333kWh、単価31円で約41,300円になります。他の暖房方式と同じ熱量あたりの費用で比較することで、経済性が判断できます。

COPの特性

定格COP特定の条件での値。カタログに記載される
外気温の影響気温が下がるほど低下する。寒冷地では大きく落ちる
APF・通年効率年間を通じた実際の効率。定格より実態に近い
電気ヒーターとの違い電気ヒーターのCOPは1.0。熱を作るか移動させるかの違い

ヒートポンプCOPの詳しい解説

ヒートポンプは、熱を作るのではなく、外部から熱を集めて移動させる仕組みです。この原理により、投入した電力の数倍の熱量を得ることができます。この比率を表すのがCOPで、4であれば1kWの電力で4kWの熱が得られることを意味します。電気を直接熱に変える電気ヒーターのCOPが1.0であることと比べると、その効率の差は明らかです。COPが1を超えることは、エネルギー保存の法則に反しているわけではありません。得られる熱の大部分は外気から集めたものであり、電力は熱を移動させるために使われています。この理解が、なぜ効率が高いのかを説明します。一方で、この仕組みは外部に集めるべき熱があることが前提であり、外気温が低いほど集めにくくなります。外気温の影響は、実際の運転において重要な要素です。カタログに記載されるCOPは、特定の条件で測定された定格の値であり、実際の運転条件では変動します。特に外気温が低い状況ではCOPが低下し、また霜が付着すると除霜のための運転が必要となり、その間は暖房が止まります。寒冷地では、この低下を考慮した機種の選定が求められ、低温時の性能を明示した製品が用意されています。より実態に近い指標として、年間を通じた効率を表す値も用いられます。これは、季節ごとの気温の分布と負荷の変動を考慮して算出されるもので、定格のCOPより実際の運転を反映します。機種を比較する際は、この通年の指標を用いるほうが適切です。適用範囲も広がっています。空調だけでなく、給湯、床暖房、産業用の乾燥や加熱にも用いられ、燃焼を伴わない加熱手段として脱炭素の観点から注目されています。特に給湯では、夜間の電力を用いて湯を沸かし蓄えておく方式が普及し、電力の単価が安い時間帯を活用できます。導入の判断では、初期費用と運転費用の両方を見る必要があります。設備の価格は燃焼式より高くなる一方、運転費用は低くなります。使用量が多いほど運転費用の差が積み上がるため、稼働時間の長い用途ほど有利になります。また、電気の単価と燃料の価格の関係によっても優劣が変わるため、その時点の条件での比較が必要です。

業界・現場での使い方

運転費用の把握

COPと運転時間から年間の電気代を試算します。

方式の比較

他の暖房方式との費用差を確認します。

機種の選定

外気温による効率の低下を考慮した性能を検討します。

よくある間違い・注意点

  • 定格COPをそのまま使う — 外気温により低下します。寒冷地では大きく落ちるため実効値での検討が必要です。
  • 電気ヒーターと同じと考える — 電気ヒーターのCOPは1.0です。ヒートポンプは3〜5倍の熱を得られます。
  • 初期費用だけで判断する — 運転費用が低くなります。稼働時間が長いほど差が積み上がります。

関連する規格・法規

  • 環境省
  • ISO 14001

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

COPとは何ですか?

投入した電力に対して得られる熱量の比です。4なら1kWの電力で4kWの熱が得られます。

なぜ1を超えるのですか?

熱を作るのではなく外気から集めて移動させているためです。電力は移動のために使われます。

寒冷地でも使えますか?

使えますが効率が下がります。低温時の性能を明示した機種の選定が必要です。