FIT売電単価
発電量と自家消費率から、太陽光発電の売電収入と経済効果を試算します。
FIT売電単価ツール
計算式と考え方
年間の発電量は「設置容量 × 1kWあたりの年間発電量」で求めます。5kWで1kWあたり1,050kWhなら5,250kWhです。自家消費率35%なら1,838kWhを自宅で使い、残り3,412kWhを売電します。売電単価16円なら収入は約54,600円、自家消費分は購入電力の削減として31円換算で約56,900円の効果があり、合計で年約111,500円です。設置費用110万円に対して、出力低下を考慮した回収年数は約10.4年になります。FIT期間が終了すると売電単価が8円前後に下がるため、自家消費率を高めることが経済性を保つ鍵になります。
自家消費と売電の経済性
| 自家消費 | 購入電力の単価分(30円前後)の価値。最も有利 |
|---|---|
| FIT期間中の売電 | 16円前後。制度により10年間の買取が保証される |
| FIT終了後の売電 | 8円前後。自家消費との差がさらに広がる |
| 蓄電池の併設 | 自家消費率を高められるが、設備費との比較が必要 |
FIT売電単価の詳しい解説
住宅用太陽光発電の経済性は、発電した電力を売るか自宅で使うかによって大きく変わります。売電単価が16円前後であるのに対し、購入電力の単価は31円前後です。つまり、自宅で使う1kWhは売る1kWhの約2倍の価値を持ちます。この関係から、自家消費率を高めることが経済性を改善する最も直接的な方法になります。制度の変遷を理解しておくことも重要です。固定価格買取制度が始まった当初、住宅用の買取価格は40円を超えており、売電を中心とした経済性が成立していました。設備費用の低下に伴い買取価格も引き下げられ、現在では自家消費を前提とした設計が主流になっています。この変化により、発電した電力をどの時間帯にどれだけ使えるかという生活パターンが、経済性を左右するようになりました。自家消費率は、日中の在宅時間と電力の使い方で決まります。日中に不在の世帯では発電のピークと消費のピークがずれるため、自家消費率は20〜30%程度にとどまります。在宅勤務が多い世帯、あるいは給湯や食洗機の運転を日中に寄せることで、この比率を高められます。蓄電池を併設すれば昼間の余剰を夜間に使えるため、自家消費率を70%前後まで高められますが、蓄電池の費用が100万円以上かかるため、その投資に見合うかの検討が必要です。FIT期間の終了後、いわゆる卒FITの局面では、売電単価が8円前後まで下がります。この段階では売電の経済的な価値がさらに小さくなり、自家消費や蓄電池の活用、電気自動車への充電といった使い道が検討されます。設備自体はFIT期間終了後も発電を続けるため、パネルの寿命である20〜30年にわたって価値を生み出します。出力の低下も長期の評価に影響します。太陽光パネルは年0.5%前後ずつ出力が低下し、20年後には初期の9割程度になります。この低下を織り込んだ試算をしないと、長期の経済効果を過大に見積もることになります。また、パワーコンディショナーは10〜15年で交換が必要となり、その費用も計算に含める必要があります。
業界・現場での使い方
導入の検討
設置費用と経済効果から回収年数を試算します。
自家消費の設計
自家消費率を変えた場合の効果の違いを確認します。
卒FIT後の計画
FIT終了後の経済性を把握し、蓄電池などを検討します。
よくある間違い・注意点
- 売電収入だけで経済性を判断する — 自家消費のほうが2倍の価値があります。自家消費率が経済性を左右します。
- 出力の低下を考慮しない — 年0.5%前後低下します。20年で1割減となり、長期の効果を過大評価します。
- パワーコンディショナーの交換費を忘れる — 10〜15年で交換が必要です。20万〜30万円の費用が発生します。
関連する規格・法規
- 経産省
- 資源エネルギー庁
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
自家消費と売電はどちらが得ですか?
自家消費です。購入単価30円前後に対し売電単価は16円前後で、約2倍の価値があります。
FIT期間が終わるとどうなりますか?
売電単価が8円前後に下がります。設備は発電を続けるため、自家消費や蓄電池の活用が検討されます。
回収年数の目安は?
10年前後が一つの水準です。自家消費率と設置費用により大きく変わります。