家庭菜園|野菜種類・土地サイズから収穫物の市場価値を計算
家庭菜園の年間収支を計算する無料電卓。菜園サイズ・主要野菜・初期投資から、年間収穫物価値・収支を瞬時算出。
家庭菜園 年間収支ツール
計算式と前提
収穫物価値 = 菜園サイズごとの年間の収穫額(プランター10,000円/小規模40,000円/本格150,000円)
年間の差引 = 収穫物価値 − 苗・種代(プランター3,000円/小規模10,000円/本格30,000円)
ROI =(年間の差引 − 初期投資)÷ 初期投資 × 100
既定の条件はプランター(1m²)・初期投資20,000円です。このとき収穫物価値は10,000円、そこから苗・種代3,000円を引いた差引が7,000円、初期投資20,000円を差し引くと−13,000円になるので、ROIは−65.00%と表示されます。ROIの分母は初期投資なので、この数字は「初期投資を初年度に全額背負ったときの回収率」です。同じプランターでも初期投資を5,000円に抑えれば+40.00%に変わります。
菜園サイズは面積そのものではなく、収穫額と苗・種代の組み合わせを切り替えるスイッチとして働きます。1m²あたりに直すと、プランターは年10,000円、小規模(5m²)は年8,000円、本格(30m²)は年5,000円と、広くなるほど単価が下がる形です。ここに置いた金額は本ツールの前提値で、品目・地域・その年の相場で上下します。
菜園サイズ・初期投資の早見表
いずれも本ツールに実際に入力して得た表示値です。ROIの列は初期投資20,000円のときの値です。
| 菜園サイズ | 収穫物価値 | 苗・種代 | 年間の差引 | ROI(初期投資2万円) |
|---|---|---|---|---|
| プランター(1m²) | 10,000円 | 3,000円 | 7,000円 | −65.00% |
| 小規模(5m²) | 40,000円 | 10,000円 | 30,000円 | 50.00% |
| 本格(30m²) | 150,000円 | 30,000円 | 120,000円 | 500.00% |
初期投資を動かすとROIだけが変わります。下の表は小規模(5m²)に固定して初期投資を振ったものです。
| 初期投資 | 収穫物価値 | ROI(小規模) | ROI(プランター) | ROI(本格) |
|---|---|---|---|---|
| 5,000円 | サイズにより固定 | 500.00% | 40.00% | 2300.00% |
| 20,000円 | 同上 | 50.00% | −65.00% | 500.00% |
| 50,000円 | 同上 | −40.00% | −86.00% | 140.00% |
| 100,000円 | 同上 | −70.00% | −93.00% | 20.00% |
家庭菜園の収支をどう読むか
面積が広くなるほど1m²あたりの収穫額が下がるのは、広い区画ほど葉物や根菜のように単価の低い品目の比率が上がり、同じ時期に採れすぎて食べきれない分が出るためです。総務省統計局の家計調査(2024年、全国・二人以上の世帯、平均世帯人員2.88人)では、生鮮野菜の年間支出は74,923円でした。家庭菜園で作りやすい品目に絞ると、トマト7,966円、きゅうり3,565円、なす2,142円、ピーマン2,291円で、4品目を足しても15,964円です。プランター1つで年10,000円という本ツールの前提は、この4品目の6割強を自給する水準にあたります。「野菜代がまるごと浮く」という規模ではないことが、ここから読み取れます。
収穫物をいくらで数えるかは、実務で判断が分かれるところです。小売価格で数える方法は分かりやすい反面、家庭菜園の収穫が集中する夏は果菜の店頭価格がいちばん下がる時期でもあり、高い時期の価格で1年分を掛けると実態より大きく出ます。もう一つは「買わずに済んだ金額」で数える方法で、こちらは食べきれずに捨てた分や近所に配った分が価値から外れます。金額の妥当性を厳しく見たいなら後者、趣味としての満足も込みで見たいなら前者と、目的で使い分けるのが現実的です。
毎年出ていく費用は、この計算機が持っている苗・種代だけではありません。同じ家計調査では、園芸用品に年4,744円、園芸用植物に年3,549円が支出されています。土は1〜2年で入れ替えが要り、防虫ネットや肥料、夏場の水やりの水道代も乗ります。またROIの分母を初期投資に置いている以上、この数字は初年度限定の見え方をします。2年目はプランターも支柱も買い直さないので初期投資が発生せず、同じ収穫でも収支の姿はまったく変わります。導入の可否を見るなら初年度のROI、続けるかどうかを見るなら年間の差引と、見る数字を分けてください。
規模を広げて市民農園を借りる場合は、制度の枠が先に決まっています。特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律(平成元年法律第58号)は、営利を目的としない農作物の栽培に供する貸付けであることを要件のひとつに挙げており、同法施行令は1区画の面積を10アール未満、貸付期間を5年以内と定めています。収穫物を売る前提では、この枠組みでは借りられません。ベランダなら日照と風の条件で収量が大きく変わり、南向きでも建物の影で半日陰になる場所では果菜は実りにくくなります。薬味や葉物は狭い面積でも回転しますが、単価が低いぶん金額には表れにくい、という違いも出ます。
よくある間違い・注意点
- 収穫物価値だけを見て得だと判断する — 表示される収穫物価値は苗・種代も初期投資も引く前の金額です。既定の条件ではROIは−65.00%で、初年度は差し引きマイナスになります。
- ROIを毎年の利回りとして読む — 分母が初期投資なので、この数字は初年度の回収率です。2年目以降は初期投資が発生しないぶん、同じ入力でも実態は変わります。
- いちばん高い時期の店頭価格で年間の価値を積む — 家庭菜園の収穫は相場が下がる時期に集中します。年間の平均的な価格で見ないと過大評価になります。
- 自分の作業時間を数えない — 水やり・追肥・誘引・片付けに毎週まとまった時間がかかります。時給で換算すると金額の話は成り立たなくなるので、時間の対価として何を得るのかを別に考えたほうが判断を誤りません。
- 家庭菜園なら農薬は自由だと考える — 農薬取締法は第24条で「何人も」表示のある農薬以外を使ってはならないと定め、第25条第3項は農薬使用者に使用基準の遵守を義務づけています。適用作物・使用回数・希釈倍数はラベルの範囲で守ってください。
参考資料・出典
- 総務省統計局 家計調査 — 品目別の1世帯当たり年間支出金額・購入頻度。本ページの生鮮野菜・園芸用品の金額の出典。
- e-Stat 家計調査(家計収支編) — 統計表そのものを年次・世帯区分別に確認できます。
- e-Gov法令検索 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律 — 市民農園の根拠法。営利目的でない栽培であることが要件。
- e-Gov法令検索 同法施行令 — 貸付面積10アール未満・貸付期間5年以内の根拠。
- e-Gov法令検索 農薬取締法 — 第24条(使用の禁止)・第25条(使用の規制)。家庭菜園も対象です。
- 農林水産省 農薬コーナー — 登録農薬の検索、家庭園芸向けの使用の考え方。
- 農林水産省 農村振興局 — 市民農園の開設方式と手続を所管する部局。
- 農林水産省 作物統計(野菜生産出荷統計) — 品目ごとの単収・作付面積。面積あたりの収量の目安になります。
- 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) — 栽培技術・病害虫の公的な研究情報。
- 東京都中央卸売市場 — 野菜の卸売数量・価格の統計。相場の季節変動を確認できます。
※ 本ツールの収穫額・苗代は前提値であり、実際の収支は品目・気候・その年の相場で変わります。市民農園の契約条件や農薬の使用可否は、農業委員会・自治体・製品ラベルの記載で確認してください。
よくある質問(FAQ)
家庭菜園の経済的メリットは?
無農薬・新鮮野菜・趣味として優秀。完全な経済性より、安心・健康・楽しみ重視。
育てやすい野菜は?
トマト・キュウリ・ナス・ピーマン・オクラ。プランター可能、初心者向け。
プロの収穫量は?
30m²で年100kg超収穫。家族3-4人の野菜半分自給可能、自家発酵漬物も楽しめる。
家庭菜園貸し農園は?
自治体の市民農園は年数千円台の区画もあり、道具・苗・指導が付く民間のサービス付き農園は月額制が中心です。区画の広さと付帯サービスの差が大きいので、本ツールでは初期投資の欄に年額換算を入れて比べてください。
ROIがマイナスになるのはなぜですか?
初期投資を初年度に全額引いているためです。既定のプランター・初期投資20,000円では年間の差引が7,000円なので、20,000円を回収できず−65.00%になります。初期投資を5,000円にすると+40.00%に変わります。
2年目以降の収支はどう見ればよいですか?
プランターや支柱を買い直さない年は初期投資が発生しないので、見るべき数字はROIではなく「収穫物価値−苗・種代」です。プランターなら7,000円、小規模なら30,000円、本格なら120,000円が本ツールの前提での年間の差引になります。
市民農園を借りて収穫物を売ってもよいですか?
特定農地貸付けの制度では、営利を目的としない農作物の栽培に供する貸付けであることが要件のひとつです。販売を前提とする場合はこの枠組みに乗りません。個別の可否は農業委員会や自治体の窓口で確認してください。