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高齢者引越介護費用

老人ホーム引越費用 計算ツール|施設タイプ・荷物・実家じまいまで総額算出

高齢者施設への引越費用を、施設タイプ(介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サ高住・特養・グループホーム)・荷物量・引越距離・入居一時金・保証金・敷金・実家じまい(遺品整理・不用品処分)まで含めて総合的に計算する無料電卓。厚生労働省・介護保険法・全国有料老人ホーム協会のデータをもとに、施設別の入居費用相場、介護保険・医療費控除との関係、行政手続きまで完全解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

老人ホーム引越費用 計算機

引越費用の内訳と考え方

基本式

初期費用 = 入居一時金・保証金 + 引越実費 + 家具・寝具・私物準備 + 実家じまい費用

老人ホームへの引越は、通常の引越と異なり「施設への入居契約」「実家からの荷物移動」「実家の片付け(実家じまい)」が同時に発生するため、総額が数十万〜数百万円単位になります。介護付き有料老人ホームなど入居一時金の高い施設では、初期費用だけで数百万〜数千万円のケースも珍しくありません。

入居一時金と月額利用料のバランス

有料老人ホームでは「入居一時金+月額利用料」または「月額利用料のみ」のいずれかを選べる施設が多く、入居一時金を高くすると月額が下がる仕組み。長期入居を想定する場合は一時金を多く払うほうが総額は安くなりますが、途中退去時の返還ルール(初期償却・償却期間)を必ず確認する必要があります。

公的施設と民間施設の違い

特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)などの公的施設は入居一時金ゼロ・月額料金も安いですが、要介護3以上の重度者優先で待機者が全国で約27万人(2022年厚労省統計)と多く、入居まで数ヶ月〜数年かかります。民間有料老人ホームは即入居可能ですが費用は高めです。

施設タイプ別の費用相場

厚生労働省「介護給付費実態統計」、全国有料老人ホーム協会の全国調査データをまとめました。

施設タイプ入居一時金月額利用料特徴
介護付き有料老人ホーム0〜数千万円15万〜35万円要介護1〜5対応、24時間介護
住宅型有料老人ホーム0〜数百万円10万〜25万円自立〜軽介護、外部サービス利用
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)0〜100万円(敷金)10万〜25万円賃貸契約、比較的自立度高い
特別養護老人ホーム(特養)0円7万〜15万円要介護3〜、公的施設、待機多
介護老人保健施設(老健)0円8万〜17万円在宅復帰を目指す、原則3ヶ月
グループホーム(認知症対応)0〜数百万円12万〜20万円認知症要支援2以上、9名/ユニット
軽費老人ホーム(ケアハウス)数十万円〜6万〜17万円60歳以上、自立〜軽介護

都市部(東京・大阪・名古屋等)の民間有料老人ホームは月額20万〜40万円、地方は月額10万〜20万円と地域差が大きく、高級ホーム(月額50万円超、入居一時金1億円クラス)から低価格帯(月額10万円弱)まで幅広い選択肢があります。

引越実費・荷物量別の目安

荷物量近距離(〜50km)中距離(50〜200km)長距離(200km〜)
最小限(衣類・私物のみ)3万〜5万円5万〜8万円8万〜15万円
標準(家具1〜2点+私物)5万〜10万円8万〜15万円15万〜25万円
充実(ベッド・タンス・テレビ等)10万〜20万円15万〜25万円25万〜40万円

老人ホームの居室は個室で15〜25㎡(畳9〜14畳程度)と限られ、大型家具を持ち込めないケースが多いため、実際の引越荷物は最小限〜標準規模に収まることが一般的。ベッド・タンス・テーブル等の家具は施設備え付けで用意されている場合も多く、事前に施設に確認が必要です。

実家じまい(遺品整理・不用品処分)の費用

本人が実家から老人ホームへ引越した後、実家に残った家財の処分は「実家じまい」として、遺品整理業者や不用品回収業者に依頼するのが一般的です。

実家の広さ費用相場作業日数
1DK・1LDK5万〜15万円1日
2DK・2LDK10万〜30万円1〜2日
3DK・3LDK20万〜50万円2〜3日
戸建(4LDK以上)30万〜100万円3〜5日
ゴミ屋敷状態50万〜300万円3〜10日

買取可能な家財(ブランド品・貴金属・骨董品・状態の良い家電)がある場合は、業者が買取価格を差し引いてくれるため実質費用が下がるケースも。遺品整理士認定協会の認定業者を選ぶと安心です。

使用シーン別ガイド

父を近隣の介護付き有料老人ホームへ(要介護3・80代)

入居一時金500万円+月額22万円のホームへ入居。近距離引越(30km)で衣類・家具最小限を運搬10万円、部屋の家具(ベッド・タンス等)は施設備え付け、テレビ・冷蔵庫は本人所有を持込み。実家(2LDK)の片付けを業者依頼25万円で総額545万円。入居後、月額22万円は年金と貯蓄から取り崩し。

母を特別養護老人ホームへ(要介護4・待機8ヶ月)

入居一時金0円、月額利用料10万円(居住費・食費・介護保険自己負担1割)。引越荷物は最小限で衣類・私物のみ5万円、実家(3LDK)の片付けを業者依頼35万円。総額40万円で公的施設のため低コスト。介護保険負担限度額認定証を申請し、居住費・食費を軽減(世帯収入により4段階の軽減)。

認知症の母をグループホームへ(要介護2・60代若年性)

入居一時金50万円+月額16万円のグループホーム。9名の小規模ユニット制で家庭的な雰囲気。近距離引越5万円、居室は6畳程度で家具は最小限(ベッド・タンス施設側)、私物と身の回り品のみ。実家じまいは介護者(夫)が同居継続のため不要。総額55万円で初期費用抑制。

夫婦でサ高住へ(自立度高・70代)

2人部屋(38㎡)のサ高住へ入居、敷金3ヶ月分(家賃15万円×3=45万円)、月額20万円(家賃15万+管理費5万)。夫婦で生活継続のため家具・寝具・食器はすべて持込みで引越実費20万円。旧居(マンション)は売却手続き別途、家財処分50万円。総額115万円で夫婦の第二の生活スタート。

遠方の親を自分の近くの施設へ呼び寄せ

地方在住の親を都市部の子近隣の施設へ呼び寄せ。長距離引越(400km)10万円、入居一時金1000万円+月額25万円の介護付き有料老人ホーム。実家(戸建4LDK)を業者に全面片付け依頼80万円、後日売却手続き。総額1090万円だが、家族が近くで面会できる安心感が最大のメリット。

予算を抑える公的施設優先プラン

まず地元自治体の特別養護老人ホームに申込(要介護3以上必須)。順番待ちの間は老健(介護老人保健施設・3ヶ月〜1年)や住宅型有料老人ホーム(月額15万円)で暫定入居。特養入居確定後に本格引越(月額10万円まで下がる)。年金内で暮らせる持続可能プラン。

行政手続きと必要書類

介護保険の手続き

住所地特例により、老人ホーム入居前の住所地の市区町村が引き続き保険者となります。ただし住民票を移した場合、要介護認定は引継ぎで有効。「介護保険負担限度額認定証」を申請し所得により4段階の軽減が受けられます。

住民票の移動

老人ホームを住所地とする場合は「住民異動届(転入届)」を新しい市区町村に提出。引越から14日以内が原則ですが、住民票を移さず住民票異動免除のケースもあります。

年金・健康保険の住所変更

日本年金機構への住所変更届(マイナンバー連携で自動通知の場合あり)、後期高齢者医療保険の住所変更、通院先の医療機関への住所変更届を提出。介護保険被保険者証・後期高齢者医療被保険者証の交付替えが必要です。

入居契約の重要事項説明

有料老人ホームでは「重要事項説明書」の確認が老人福祉法で義務化されています。入居一時金の初期償却率・償却期間、途中退去時の返還ルール、介護体制、看取り体制、利用料の値上げ条件を必ず書面で確認しましょう。

介護保険・医療費控除との関係

介護保険の適用範囲

介護保険適用の施設サービス(特養・老健・介護付き有料老人ホーム)では、要介護度に応じた介護サービス費が1〜3割自己負担となります(所得により2割・3割)。居住費・食費は原則自己負担ですが、介護保険負担限度額認定により所得の低い方は軽減されます。

医療費控除の対象

老人ホーム利用料のうち、介護サービス費・食費・居住費の一部が医療費控除の対象になります。国税庁のタックスアンサーNo.1120で範囲が明確化されており、特養・老健は施設サービス費全額、有料老人ホームは介護保険適用分のみが対象です。

入居一時金の税務

入居一時金は「前払家賃」として資産計上され、償却期間に応じて費用化されます。所得税の医療費控除対象にはならないケースが原則ですが、介護付き有料老人ホームで介護サービス相当分が明示されている場合、その相当額は医療費控除対象になる可能性があります。

相続税との関係

本人死亡時に返還される入居一時金の未償却分は相続財産として課税対象となります(相続税法基本通達11の2-1)。入居時に「本人契約」で入居しているか「家族契約(負担者と入居者が別)」かで税務処理が異なるため、税理士確認が推奨されます。

よくある間違い・注意点

  • 入居一時金の償却ルールを確認せず契約 ― 初期償却率(一般に15〜30%)・償却期間(5〜10年)を確認しないと、数ヶ月で退去した際に返還額が想定より大幅に少なくなります。入居前に必ず「重要事項説明書」の返還金試算表を確認しましょう。
  • 施設の家具備品を確認せず家具を購入 ― 老人ホームの多くはベッド・タンス・エアコン等が備え付け。事前確認せず新規購入すると数万〜数十万円の無駄遣いになります。持込制限(サイズ・電化製品等)も要確認。
  • 実家じまいを急ぎ過ぎて重要書類を廃棄 ― 通帳・保険証券・年金証書・不動産登記簿謄本・遺言書等を業者一括処分すると、後で必要になった際に大きな損害に。書類は必ず本人・家族で仕分けしてから業者依頼を。
  • 介護保険負担限度額認定を申請しない ― 所得基準を満たすなら申請すべき制度。特養・老健で月額数万円の軽減が受けられます。自治体の窓口で申請を。
  • 特養の待機を待たず高額な民間施設に急ぐ ― 特養(月額10万円)と民間有料老人ホーム(月額25万円)では年間180万円の差。特養待機中は老健(3〜6ヶ月)と住宅型有料老人ホーム(月額15万円)を組み合わせるプランが節約になります。
  • 本人の意向を聞かず家族だけで施設決定 ― 施設選びは本人の生活の質に直結。本人の意向・見学同行・トライアル入居を経て決めるのが基本。強制入居は後々のトラブル・不適応の原因になります。
  • 入居後の追加費用(介護度重度化)を想定しない ― 要介護度が上がると月額利用料が数万円上がる施設も。長期の資金計画(10〜15年)を立て、貯蓄・年金・持ち家売却で対応可能か試算を。

参考にされる公的資料・統計

  • 厚生労働省「介護給付費等実態統計」 ― 全国の介護保険施設・在宅サービスの利用実態・費用データ。
  • 厚生労働省「介護保険事業状況報告」 ― 特養待機者数、要介護認定者数、介護保険給付額の全国統計。
  • 老人福祉法第29条(有料老人ホーム) ― 有料老人ホームの設置・運営基準、重要事項説明義務の根拠法。
  • 介護保険法第8条 ― 介護保険適用サービスの定義、施設サービス費の算定基準。
  • 相続税法基本通達11の2-1 ― 入居一時金の返還金の相続税上の取扱い。
  • 全国有料老人ホーム協会 ― 業界団体、有料老人ホームの費用相場・入居実態調査。
  • 公益社団法人全国老人保健施設協会 ― 老健の運営・費用データ。

参考文献・公的資料

高齢者施設・介護保険に関する公的機関・業界団体の一次情報です。

※本ページの費用相場は全国的な一般傾向をもとにした概算です。地域・施設の質・時期・要介護度により実際の費用は変動します。契約前に必ず「重要事項説明書」を確認し、介護支援専門員(ケアマネジャー)や税理士・行政書士等の専門家に相談してください。

よくある質問(FAQ)

老人ホームの引越費用の相場は?

入居一時金・保証金を除いた純粋な引越実費は、近距離・最小限荷物で3〜5万円、標準規模で5〜10万円、家具持込充実型で10〜20万円が相場。老人ホームの居室は個室で15〜25㎡と限られるため、実際の引越荷物は最小限〜標準規模に収まることが一般的です。

入居一時金と月額利用料、どちらを選ぶべき?

長期入居(10年以上)を想定するなら入居一時金型、途中退去の可能性がある・資金に余裕がないなら月額のみ型が有利。有料老人ホームでは両方選べる施設が多く、途中退去時の返還ルール(初期償却15〜30%・償却期間5〜10年)を必ず確認しましょう。

特別養護老人ホーム(特養)は待機何ヶ月?

全国平均で数ヶ月〜数年。厚労省統計では2022年時点で全国約27万人が待機。地域・要介護度により大きく異なり、都市部は待機長め、地方は比較的短め。要介護3以上で申込可能、点数制で優先順位が決まります。

介護保険負担限度額認定とは?

特養・老健・介護付き有料老人ホームの居住費・食費を、所得に応じて4段階に軽減する制度。世帯収入・預貯金の基準あり。市区町村窓口で申請、認定証を施設に提示することで月額数万円の負担軽減が可能。所得基準を満たすなら必ず申請すべき制度です。

実家じまいの費用はいくら?

1LDKで5〜15万円、2LDKで10〜30万円、3LDKで20〜50万円、戸建4LDK以上で30〜100万円が相場。買取可能な家財(ブランド品・骨董品・状態の良い家電)がある場合は買取価格を差し引き実質費用が下がるケースも。遺品整理士認定協会の認定業者を選ぶと安心です。

老人ホーム利用料は医療費控除の対象?

介護保険適用の施設サービス(特養・老健)は施設サービス費全額が医療費控除対象、有料老人ホームは介護保険適用分のみが対象。詳細は国税庁タックスアンサーNo.1120で確認。年間10万円以上(総所得の5%以上)の医療費で控除申請可能。

住民票は移すべき?

原則移動が必要ですが、「住所地特例」により介護保険は元の市区町村が引き続き保険者となります。住民票を移さないケース(施設所在地の自治体が対応困難な場合等)もあり、施設や市区町村と相談を。国民健康保険・後期高齢者医療の切替も同時に手続きが必要です。

入居一時金の返還ルールは?

老人福祉法により「短期解約特例(90日以内無条件返還)」が義務付け。90日以降は初期償却(15〜30%)+残額を償却期間(5〜10年)で按分して返還額を算定。契約前に「重要事項説明書」の返還金試算表を必ず確認しましょう。

認知症でも入居できる?

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)が最適。要支援2または要介護1以上で入居可能、9名の小規模ユニット制で家庭的な雰囲気。介護付き有料老人ホーム・特養でも認知症対応可能な施設多数。中重度は「認知症専門棟」を持つ施設を選ぶと安心です。

夫婦で入居できる?

可能な施設多数あります。サ高住・住宅型有料老人ホームで2人部屋(30〜40㎡)を選ぶのが一般的。介護付き有料老人ホームでも夫婦部屋対応の施設あり。夫婦それぞれの介護度が違う場合は「片方が要介護、片方が自立」に対応可能な施設を選びます。

引越の日程はどう決める?

入居契約後、入居可能日から2〜4週間程度の余裕を持って引越日を設定。実家じまい・行政手続き・引越業者手配・家具の準備等に時間が必要です。施設側との連携で「入居日=引越搬入日」とするのが最も効率的。

本人が入居を拒否している場合は?

強制入居はトラブルの原因となるため、本人の意向を尊重することが最優先。ショートステイ(数日〜1週間の体験入居)を活用し、施設の雰囲気や介護スタッフに慣れてもらうのが有効。ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談し、本人・家族双方が納得できる形を目指します。

引越前後のチェックリスト

入居3ヶ月前〜1ヶ月前

  • ケアマネジャー・地域包括支援センターへの相談、施設候補の情報収集
  • 施設見学(複数比較、体験入居・ショートステイの活用)
  • 入居契約の重要事項説明書・入居者告知確認書の精読
  • 本人・家族での費用試算(10〜15年の長期資金計画)
  • 引越業者の見積もり(3社以上比較)、遺品整理業者選定

入居2週間前〜前日

  • 持込家具・私物のリスト作成、施設側の家具備品確認
  • 不用品の仕分け(形見分け・売却・寄付・処分の4分類)
  • 住所変更手続きの必要書類準備(マイナンバーカード・保険証・年金手帳)
  • 通院先医療機関への転院手続き(診療情報提供書・お薬手帳)
  • 金融機関・郵便物の住所変更、新聞・NHK受信料の解約・変更

引越当日〜入居後1ヶ月

  • 引越搬入・施設スタッフとの荷物確認
  • 本人と一緒に居室のセッティング(写真・お気に入りの品を配置)
  • 市区町村への住民異動届(14日以内)、介護保険住所地特例申請
  • 家族の面会・電話ルール確認、緊急連絡先の登録
  • 1ヶ月後:本人の適応状況確認、必要に応じてケアプラン見直し