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クラウドバックアップアーカイブTB単価

クラウドバックアップ料金 計算|サービス種別ごとのTB単価で月額・年額を比較

クラウドバックアップのTB単価をもとに、保管データ量に対する月額・年額を瞬時算出します。単価はサービス種別で決まり、超低頻度のアーカイブ階層が$1/TB前後、即時取り出しのアーカイブ階層が$4/TB、低価格オブジェクトストレージが$6/TB、定額型が$6.99/TB、業務用のビジネス向けストレージが$10〜$12/TBという水準です。長期保管ならアーカイブ階層、頻繁にアクセスするなら低価格・定額型、業務ファイルの共有まで兼ねるならビジネス向けストレージ、と用途で最適解が変わります。3-2-1ルール(3コピー・2媒体・1オフサイト)、取り出し料金(Egress・Retrieval)、世代管理、暗号化、ランサムウェア対策まで、企業のBCP担当・個人事業主が押さえるべき論点をまとめました。

最終更新:2026年7月28日/監修:計算ツールズ編集部

クラウドバックアップ料金 計算ツール

写真1TB=約20万枚、動画1TB=約200時間(FHD)が目安。

計算式とTB単価の考え方

月額($) = 保管データ量(TB) × TB単価($/TB/月)
年額($) = 月額 × 12
5年累計($) = 月額 × 60(値上げ・容量増未考慮)
1GBあたり月額($) = TB単価 ÷ 1,024

基本前提:クラウドバックアップはストレージ課金+通信課金+API課金+取り出し課金の複合構造です。本ツールはストレージ課金のみを比較しますが、実運用ではPUT/GETリクエスト(1,000回あたり数セント)、Egress通信($0.05〜$0.12/GB)、アーカイブ階層の早期削除ペナルティ(90〜180日未満で追加課金)を必ず見積もりに含めてください。

為替は2026年7月時点の想定150円/$で換算しています。円安局面では月額の10%程度の変動リスクがあり、長期契約時は年間予算の余裕を確保。無料枠は多くのサービスに存在し(大手クラウドのオブジェクトストレージで5GB前後、個人向けストレージで5〜15GB)、少量なら無料枠の組み合わせで実質0円運用も可能です。

サービス種別ごとの料金・特徴比較

会社名で選ぶより、「取り出しの速さ」と「取り出し料金の有無」で種別を決めるほうが実額に効きます。以下は上の計算機と同じ単価です。

サービスの種別 TB単価 取り出し料金 取り出し速度 主用途
超低頻度アクセスのアーカイブ階層 $1/TB前後 $0.02/GB 12時間 長期アーカイブ・法的保管
即時取り出し可能なアーカイブ階層 $4/TB $0.03/GB 即時 年数回アクセスの安価保管
低価格オブジェクトストレージ $6/TB $0.01/GB 即時 個人・中小企業の日常バックアップ
定額型オブジェクトストレージ $6.99/TB 無料 即時 頻繁な取り出し・動画などの配信元
グループウェア系のビジネス向けストレージ $12/TB 無料 即時 業務ファイル・共同編集
オフィススイート系のビジネス向けストレージ $10/TB 無料 即時 オフィススイート統合・企業標準

※2026年7月時点の公表価格の代表値。実際の課金はリージョン・ボリューム割引・年契約割引で±20%程度変動します。大手クラウドは国内リージョンだと$4/TBが$4.6/TB程度になるなど、国内利用者は通信品質と料金のトレードオフを検討する必要があります。

見落としがちな隠れコスト

TB単価だけでサービスを選ぶと、実運用で予算オーバーが起きがちです。以下の4項目を必ず試算に含めてください。

コスト項目概算影響が大きいケース
Egress通信料$0.05〜0.12/GB大規模リストア・災害復旧
APIリクエスト料$0.0004〜0.005/千回小ファイル多数(写真100万枚等)
早期削除ペナルティ$0.02〜0.03/GBアーカイブ階層で90〜180日以内に削除した場合
取り出し(Retrieval)料$0.01〜0.05/GB超低頻度アーカイブ階層からの緊急復元

例:超低頻度アーカイブ階層から1TBを全復元すると、$0.02/GB×1,024GB=$20の取り出し料金、さらに国内リージョンから社内へのEgressで$0.09/GB×1,024GB=$92の通信料と、月額$1のストレージ費用に対して100倍以上の一時費用が発生します。「バックアップは安いが復元は高い」がクラウドの鉄則です。

3-2-1バックアップルールとクラウドの位置づけ

米国CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)・IPAが推奨する3-2-1ルールは、データ保護の国際標準です。ランサムウェア被害の急増(IPA 2024年の企業被害トップ)を受け、多くの企業がこのルールをBCP計画に組み込んでいます。

3:オリジナル+バックアップ計3コピー
2:異なる2種類のメディア(HDD+クラウド等)
1:1つは物理的にオフサイト(クラウド or 遠隔地)

クラウドバックアップは「1つはオフサイト」の要件を満たす選択肢として、特に中小企業・個人事業主に採用が広がっています。ローカルNAS+低価格または定額型のオブジェクトストレージという組み合わせが、コスト・利便性・災害耐性のバランスに優れます。

用途別・最適サービスの選び方

写真・動画の長期保管(個人)

1TB=写真20万枚・動画200時間が目安。年数回しか見返さないなら超低頻度アーカイブ階層(月$1〜)が最安です。取り出し時の待ち時間(12時間)と料金($20/TB)は許容範囲。通販サイトの会員特典に付く写真無制限保管などを併用すればさらに削減できます。

PC・NASの丸ごとバックアップ

PC丸ごとの定額バックアップサービス(年$99前後で容量無制限)が個人ユーザーには圧倒的コスパ。NASなら低価格オブジェクトストレージ($6/TB)+NASメーカー純正のクラウド同期アプリで自動化できます。差分バックアップで通信量を最小化し、暗号化キーは必ずユーザー側で保管(サービス側管理はプライバシーリスク)。

企業の業務ファイル・共有

グループウェア系のビジネス向けストレージ($12/TB・共同編集)またはオフィススイート系($10/TB・文書アプリ統合)が第一候補。オフィススイートのビジネスプランは1TBのストレージ付きで$12.50/月前後のため、実質ストレージ費用は無料同等です。バージョン管理・監査ログ・DLP機能まで揃います。

動画配信・Webサイト配信

定額型オブジェクトストレージ(Egress無料・$6.99/TB)が最強コスパ。動画配信・大容量サイトの配信元として使うと、大手クラウドのオブジェクトストレージ比で通信料金を50〜90%削減できます。ただし主要APIとの互換は完全ではなくSDKの選定に注意。Egress無料型オブジェクトストレージ($15/TB)も競合です。

法的保管・監査対応

電子帳簿保存法・PCI DSS対応には、オブジェクトロック機能によるWORM(Write Once Read Many)設定が必須です。改ざん不可の保管期間を設定でき、監査時の証跡として認められます。ランサムウェア対策としても有効。

ランサムウェア対策バックアップ

感染後にバックアップまで暗号化される「連鎖被害」対策として、Immutable Storage(不変ストレージ)とオフライン保管が推奨されます。主要なオブジェクトストレージが備えるオブジェクトロックの厳格モードで、数か月間削除不可の設定を。テープバックアップ復権の理由もここにあります。

よくある間違い・注意点

  • TB単価だけで選ぶ — 実運用ではEgress通信料・APIリクエスト料・取り出し料が総費用の30〜50%を占める。安価なアーカイブ階層は復元時が高額になる「一長一短」を理解して選ぶ必要があります。実運用ワークロード(アクセス頻度・復元頻度)を想定した見積もりが不可欠。
  • 暗号化キーをサービス側に預ける — 事業者側の鍵管理サービス(KMS)は便利だが、法執行機関のデータ開示要求・アカウント凍結時のリスクあり。BYOK(Bring Your Own Key)・ゼロ知識暗号化のサービス選定が推奨。企業機密・個人情報を扱う場合は必須です。
  • 1つのサービスに全依存 — 3-2-1ルールに反します。大手クラウドのオブジェクトストレージ障害(2017年の米東部リージョン)で、著名なWebサービスが軒並み数時間停止した実例あり。異なるサービス・リージョンへの二重化が必須。単一障害点の排除がBCPの基本原則です。
  • 復元テストを実施しない — 「バックアップ取れてる」のが「復元できる」の保証ではない。年1回は必ず全量リストアテストを実施。実運用の30〜40%は復元不可の状態というIPA調査結果あり。テスト計画をBCPに組み込むのが標準運用。
  • ランサムウェア対策を軽視 — オンラインバックアップは感染後に一緒に暗号化される。Immutable Storage・オフライン保管・過去世代の長期保存が必須。IPAの2024年被害トップは中小企業のランサムウェアで、多層防護が唯一の対策です。
  • 為替リスクを想定しない — ドル建て料金は円安で20〜30%上昇する可能性あり。長期契約時は予算に余裕を持ち、円建てで提供される国内事業者のサービスとの併用も検討を。年間予算策定時は10%以上のバッファーを確保するのが安全です。
  • 個人情報保護法・GDPR未対応 — EUのGDPR・改正個人情報保護法でリージョン選定が制約される場合あり。EU顧客データはEUリージョン、日本の要配慮個人情報は日本リージョン保管が推奨。越境移転はSCC・CBPR等の適合手続きが必要です。

参考資料・公的情報源

より正確なクラウドバックアップの料金・セキュリティ要件は、以下の公的機関・公式資料を参照してください。

  • IPA(情報処理推進機構)ランサムウェア対策特設ページ ― 中小企業向けの3-2-1バックアップ・被害事例・対策ガイド。日本の公的情報の一次資料で、実際の被害事例に基づくベストプラクティスを網羅。
  • IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」 ― ランサムウェア被害が組織部門第1位。バックアップ戦略の重要性を裏付ける公的資料。
  • 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC) ― 政府のサイバーセキュリティ戦略・重要インフラ保護のガイドライン。企業BCPの参考資料。
  • 各事業者の公式料金ページで確認する項目①:TB単価と階層 ― 同じ事業者でもアクセス頻度別に階層が分かれ、単価は10倍以上開きます。保管データを「年に何回読むか」で階層を決めてください。
  • 確認する項目②:取り出し料金と最低保管期間 ― 取り出し(Retrieval)単価、Egress単価、90〜180日の最低保管期間と早期削除料。安い階層ほどここが重くなります。
  • 確認する項目③:オブジェクトロック(WORM)の可否とモード ― 改ざん防止の保持期間を設定できるか、管理者でも解除できない厳格モードがあるか。監査対応とランサムウェア対策の要です。
  • 確認する項目④:リージョンと鍵管理 ― 保管リージョンを選べるか、利用者側で暗号鍵を持てるか(BYOK)。越境移転規制と直結します。
  • CISA「Stop Ransomware」(米国) ― 3-2-1バックアップルールの推奨・ランサムウェア対策の国際標準の一次資料。
  • 個人情報保護委員会 ― 改正個人情報保護法・データ越境移転のガイドライン。EUのGDPRとの関係整理。

利用上の注意

※本ページのクラウドバックアップ料金の試算は、各社が2026年7月時点で公表している価格をサービス種別ごとに代表化した参考値です。実際の料金はリージョン・ボリューム割引・年契約割引・キャンペーン等で変動し、Egress通信料・APIリクエスト料・取り出し料・早期削除ペナルティなどの隠れコストが総費用の30〜50%を占めることがあります。為替変動(本ツールは150円/$前提)で円建て支払額は±20%程度変動します。実際の契約前には各社の公式料金ページで最新価格を確認し、実運用ワークロード(データ量・アクセス頻度・復元頻度)を想定した見積もりを取得してください。また、本ツールはセキュリティコンサルティング・法的助言・BCP策定の代替を提供するものではなく、企業のバックアップ戦略策定にあたっては、IPA・NISC・公認情報セキュリティ主任監査人(CISA)などの専門家の助言を受けることを推奨します。個人情報・機密情報・電子帳簿保存法対象データの取り扱いには、リージョン選定・暗号化キー管理・改ざん防止(WORM)等の追加要件が発生する場合があります。

よくある質問(FAQ)

低価格ストレージと大手クラウドの違いは?

低価格・定額型はシンプルな月額課金+Egress無料(または無料枠)、大手クラウドはストレージクラス(標準・低頻度・アーカイブ等)が多層で用途別に最適化できます。個人・中小は前者の予測しやすさ、大企業は後者の柔軟性が向く傾向。どちらも主要なオブジェクトストレージAPIと互換があり、汎用の同期ツールで同じように扱えます。

世代管理(バージョン)はどうする?

古い世代は自動で安いクラスへ移行するライフサイクルポリシーが推奨です。標準→低頻度アクセス→アーカイブ→超低頻度アーカイブと自動移行させ、30日標準・90日低頻度・1年アーカイブ・3年超低頻度が定石。コストを1/10以下に圧縮できます。

取り出し(Egress)料金はいくら?

大手クラウド $0.09/GB、低価格オブジェクトストレージ $0.01/GB(保管量の3倍まで無料枠)、定額型・Egress無料型は無料。1TBの復元で大手クラウドは$92、Egress無料系は$0と大きな差になります。復元頻度が高いならEgress無料系が有利です。

ランサムウェア対策としては?

Immutable Storage(WORM)設定が必須です。主要なオブジェクトストレージのオブジェクトロック機能(厳格モード)で数か月〜数年の削除不可設定ができます。感染後の連鎖被害を防ぐには、過去世代の保持とオフライン保管の併用が推奨されます。

暗号化はどうすればいい?

クライアント側暗号化(BYOK)が最も安全です。オープンソースの暗号化ツールや同期ツールの暗号化機能を使えば、クラウド側は暗号化済みデータのみを保持します。サービス側暗号化は便利ですが管理者アクセスのリスクがあり、企業機密・個人情報を扱うならBYOKが必須です。

個人・家庭のおすすめは?

PC丸ごと対応の定額バックアップサービス(年$99前後・容量無制限)が最強コスパ。1台のPCをまるごとバックアップできます。NAS利用者は低価格オブジェクトストレージ+NAS純正の同期アプリの組み合わせが柔軟。写真中心なら、写真特化サービスの無料枠(15GB前後)+個人向け有料プランの併用も検討価値ありです。

中小企業のおすすめは?

オフィススイートのビジネスプラン($12.50/月前後・1TBのストレージ付き)が、業務ファイルとバックアップの両立でコスパ最強です。追加のバックアップ先として低価格・定額型のオブジェクトストレージをNASと組み合わせ、3-2-1ルールを満たす構成が定石。監査ログ・DLP・条件付きアクセスも標準機能で提供されます。

復元テストの頻度は?

年1回の全量リストアテストが国際標準。IPA調査では30〜40%の企業が「バックアップは取れているが復元できない」状態。ファイル数個の月次サンプルテスト+年次全量が推奨。BCPの実効性検証の一環として位置づけます。

3-2-1ルールとは?

3コピー・2種類のメディア・1つをオフサイトの原則。米国CISAが推奨する国際標準で、ランサムウェア・災害・人為ミスへの多重防護。オリジナル+ローカルバックアップ+クラウドの構成が典型例で、中小企業のBCP計画の基礎になります。

電子帳簿保存法への対応は?

タイムスタンプ・改ざん防止措置・検索性の3要件が必須です。オブジェクトロック(厳格モード)+タイムスタンプ局(TSA)連携で対応できます。中小企業なら、JIIMA認証を取得した会計・文書管理クラウドを使うのが現実的な選択肢です。

データ越境移転の規制は?

改正個人情報保護法で「越境移転」は本人同意またはAPEC CBPR等の適合国が原則。EUのGDPRはさらに厳格でSCC(標準契約条項)が必要。EU顧客データはEUリージョン、日本の要配慮個人情報は日本リージョン保管が推奨されます。

Egress無料型オブジェクトストレージの位置づけは?

下り通信が完全無料で$15/TBという料金構造がユニークです。動画配信・大容量ダウンロードサイトの配信元として最適。ただし保管単価は低価格・定額型より高いため、バックアップ専用ではなく「配信も兼ねる保管先」と位置づけるのが妥当です。