Q1. 事実婚では配偶者控除は全く使えませんか?
所得税法上の配偶者控除・配偶者特別控除は「戸籍上の配偶者」限定で、事実婚では適用不可(所得税法第83条)。一方、社会保険の被扶養者(健康保険・厚生年金第3号被保険者)認定は事実婚でも可能、「内縁関係にある者」として被扶養認定届出で手続きできます(健保法第3条第7項、厚年法第3条第2項)。住民票で「妻(未届)・夫(未届)」記載が最も確実な証明。税制面では「扶養控除」「配偶者控除」が不利ですが、社会保険面では事実婚も戸籍婚とほぼ同等。建部家のような共働き世帯では、各自の所得が高く配偶者控除の実効メリットは限定的で、事実婚のデメリットは限定的です。
Q2. 子ができた場合、認知・親権はどうなりますか?
事実婚で子が生まれた場合、母親は出産により法的母親となりますが、父親は自動認定されず「認知」手続きが必要(民法第779条)。父が認知すれば父子関係成立、養育費義務発生、相続権付与、父の戸籍に「認知子」として記載。親権は原則として単独親権(母親)ですが、父の戸籍に「認知した父」の氏名が記載され、父からの親権者変更審判を家裁に申立て可能。子の姓は原則「母の姓」となり、父の姓にしたい場合は家裁の「子の氏の変更許可」申立てが必要(民法第791条)。事実婚解消時は子の親権者が母単独のままで、父は養育費支払い義務のみ。
Q3. 事実婚の住宅ローンでペアローンは組めますか?
多くの金融機関(メガバンク、メガバンク、メガバンク等)は事実婚のペアローンを取り扱っていません。事実婚可能な金融機関は、ネット系(大手電機メーカー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行)・フラット35・一部地銀のみ。条件は(1)住民票「妻(未届)」記載、(2)同居3-5年以上、(3)年収・勤続年数の一定基準、など。ペアローン可能な金融機関でも団信加入の片方死亡時の相続権問題(もう一方に承継されず実親・兄弟姉妹へ)があり、遺言公正証書とセットで組むのが定石。事実上、単独名義ローン+もう片方が保証人のスキームの方がシンプルです。
Q4. 選択的夫婦別姓の法制化はいつ頃になりますか?
2024年3月の最高裁判決で「夫婦同姓制度は合憲」と判断されましたが、反対意見も強く、国会での議論は継続。2025年の世論調査(内閣府)では選択的夫婦別姓への賛成が6割を超え、経団連も2024年に導入要望書を提出。現在の政治情勢では2028-2032年頃の法改正が予測されており、法改正までは事実婚という現行制度内での最適化が現実解。注意点として、法改正後も「夫婦別姓を選択した夫婦」と「戸籍上氏を統一した夫婦」が並存し、役所書類・子の学校書類・保険契約等で氏確認が必要。建部さんの場合、法改正後の婚姻届提出時に旧姓(建部)維持を選択可能となります。
Q5. 事実婚解消時の財産分与はどうなりますか?
判例(最高裁昭和33年4月11日判決他)は事実婚にも「内縁の準婚姻関係」として、解消時の財産分与を民法第768条の類推適用で認めています。具体的には(1)同居期間中に共同形成した財産(預金・不動産・投資)を折半、(2)一方が他方のキャリアを支えた慰謝料、(3)子養育費(認知している場合)、など。事実婚解消の調停・審判は家裁で実施可能。ただし「同居の有無・同一生計・婚姻意思の合意」の証明が必要で、住民票「妻(未届)」記載・パートナーシップ契約書・共同口座履歴・家族写真等の客観的証拠を平素から備えておくのが重要。戸籍婚と比較して解消手続きが簡素な分、立証負担が重いです。
Q6. 事実婚でも生命保険の受取人指定はできますか?
多くの生命保険会社で事実婚パートナーへの受取人指定が可能です。条件として(1)住民票「妻(未届)」記載、(2)同居期間2-3年以上、(3)保険会社指定の誓約書、が必要。最近は日本生命・明治安田・プルデンシャル等の大手も事実婚対応を拡大。保険金は相続財産と別扱い(みなし相続財産)で、法定相続人でない事実婚パートナーは「死亡保険金の非課税枠500万×法定相続人数」が適用外、受取金全額に相続税(基礎控除3,000万のみ)が課税。それでも現金で即時受取可能なメリットは大きく、遺言と並行して生命保険3,000-5,000万を相互に掛ける設計が推奨。医療保険・がん保険の契約者同時変更特約も活用可能です。