Q1. 渋谷区パートナーシップ証明書には法的効力がないと聞きました。本当ですか?
渋谷区をはじめとする自治体のパートナーシップ制度は「民法上の婚姻」ではなく、自治体が独自に発行する証明書。法的効力は限定的で、(1)配偶者控除不適用、(2)相続権なし、(3)遺族年金不支給、(4)医療同意権は病院裁量、(5)住宅ローンペアローン可否は金融機関判断、といった実態。ただし近年は一部の民間サービスで「家族割引」「ペアローン」「携帯のファミリー割」等で配偶者扱いする企業が増えており、社会的な位置付けは着実に向上。2024年札幌高裁判決で同性婚の不在は違憲状態、2025年以降の最高裁判決で同性婚法制化の議論が活発化しています。
Q2. 遺言公正証書さえ作れば、パートナーに全財産を残せますか?
ほぼ可能ですが注意点あり。早良の法定相続人は親(存命時)と兄弟姉妹、遺言でパートナーに全財産を遺贈しても、親には遺留分(法定相続分の1/2)が残ります。兄弟姉妹には遺留分なし。親健在時は親の遺留分を無視できないため、(1)親の同意を生前に得る、(2)親と財産の一部を分ける遺言にする、(3)親を遺言作成に巻き込み共同対応する、のいずれか。さらに遺贈を受けるパートナーの相続税は基礎控除3,000万のみ適用、配偶者税額軽減1.6億は使えないため、5,000万の遺贈で相続税約280万発生します。
Q3. 養子縁組でパートナーを法定相続人にするのは、どんなデメリットがありますか?
メリット:(1)法定相続人となり相続税基礎控除+600万、(2)法定相続分確保、(3)扶養義務発生。デメリット:(1)親子関係が戸籍に記載され心理的抵抗感、(2)養子の姓が養親の姓に変わる(場合による)、(3)将来別れた場合の離縁手続きが煩雑、(4)配偶者税額軽減1.6億は適用外で結局配偶者ほど優遇されない、(5)親族関係がパートナーの実親族と養親族で複雑化、(6)養子縁組を取り消した場合の財産分与が民法上不明確。実務ではパートナー養子縁組より「遺言公正証書+生命保険+任意後見」の3点セットの方が多く選ばれます。
Q4. パートナーの入院時、医療同意権は誰が持ちますか?
現行法では医療同意権の法的根拠は民法上明確でなく、多くの病院は「家族優先」の運用です。同性パートナーは「家族」として扱われない場合があり、手術同意書にサインできない、ICU面会拒否、個室家族滞在不可などの不利益。対策として、(1)任意後見契約の締結(公証人立会で作成、パートナーを後見人指定)、(2)医療委任状の事前作成(リビングウィル)、(3)パートナーシップ証明書の提示、(4)病院側への事前相談(LGBTフレンドリー病院の選択)、の4点。任意後見契約は年2-5万の公証人費用で作成可能、契約締結後は医療同意権が法的に担保されます。渋谷区・世田谷区では医療機関への協力要請も行われています。
Q5. 同性パートナー間でも生命保険の受取人指定はできますか?
現在多くの生命保険会社(日本生命、明治安田、大手電機メーカー生命、プルデンシャル等)が同性パートナーを受取人として認めています。条件として、(1)自治体のパートナーシップ証明書の提出、(2)同居期間の証明、(3)保険会社指定の誓約書、が必要。契約者=被保険者、受取人=パートナーで3,000-5,000万の死亡保障を設計するのが基本。保険金は相続財産でなく受取人固有の財産となるため、(1)相続手続き不要で即時受取可、(2)生命保険金の非課税枠(500万×法定相続人数)は法定相続人でないパートナーには適用外、受取金額全額に相続税(基礎控除3,000万のみ)。税務上は注意が必要です。
Q6. 同性婚が法制化されたら、すぐに結婚できますか?税制上の利点は?
同性婚法制化(民法改正)が実現すれば、施行日以降は戸籍上の婚姻として受理されます(施行前のパートナーシップは自動移行する規定が設けられる可能性高)。税制面では、(1)配偶者控除(38万)・配偶者特別控除、(2)相続税の配偶者税額軽減(法定相続分または1.6億まで無税)、(3)贈与税の配偶者控除(2,000万)、(4)遺族厚生年金受給、(5)扶養控除の家族認定、など年間30-100万の節税効果。早良家の場合、早良の退職後に西田を扶養に入れると配偶者控除38万+住民税節税で年8-10万の節税。相続時の効果は数百万〜数千万に及びます。法制化動向は今後10年で大きく変わる見込です。